『グリム童話』と19世紀ドイツナショナリズム~メンデルスゾーン家のサロンにも来ていたグリム兄弟
『赤ずきん』や『ヘンゼルとグレーテル』、ディズニー作品にもなった『白雪姫』などなど、グリム童話は私たちにも馴染み深い作品です
そんなグリム兄弟がメンデルスゾーン家のサロンに出入りしていたという驚きから彼らの童話を読んだわけですが、これはいい経験になりました
ぜひぜひ、大人になった今だからこそ手に取ってみてはいかがでしょうか
『赤ずきん』や『ヘンゼルとグレーテル』、ディズニー作品にもなった『白雪姫』などなど、グリム童話は私たちにも馴染み深い作品です
そんなグリム兄弟がメンデルスゾーン家のサロンに出入りしていたという驚きから彼らの童話を読んだわけですが、これはいい経験になりました
ぜひぜひ、大人になった今だからこそ手に取ってみてはいかがでしょうか
ロスチャイルドといえばよく陰謀論が語られます。一概にそれらを否定するわけではありませんが世に出ているロスチャイルドの本や記事がほとんどが陰謀論的なものなのではないかというほどです。
ですがそんな中この本は陰謀論的ではなく歴史的にどのような過程を経てこの一族が力を得てきたかが語られる、とてもありがたい参考書となっています
著者のアルニセイ・グリガはソ連の研究者です。かつてのソ連の研究はイデオロギーがかなり混入することが多かったのですがこの本の原著が書かれたのは1977年ということでそこまでイデオロギーを感じることはありません。
また、ソ連の研究者ならではの視点、ドストエフスキーとトルストイとの関係という点からカントを見ていく点もこの本の特徴です。
入門書としては少し厳しいものがあるように思えますが、カントが活躍した時代の社会情勢や文化背景を知ることができるのは非常に有益です。カントをより深く知りたい方におすすめしたい一冊です。
この伝記はカント入門に最適です。この本はそもそもカントとはどんな人間だったのか、どんな環境で生まれ、どんな生涯を送ったかをわかりやすく解説してくれます。とにかく読みやすいです。
カントといえば難解な哲学者のイメージがありますよね。私もカントの著作には何度も挑戦しましたがその度に跳ね返され挫折しています。
とにかく難解!私にとってもカントは巨大な壁でした。
ですがそれでもなんとか少しでもカントのことを知ることはできないだろうか、そう思い手に取ったのがこの本でした。
そしてこの本はそんな私の期待に見事に応えてくれました。ぜひぜひおすすめしたい伝記です。
この伝記を読んでみるとローゼンクランツの『ヘーゲル伝』とその雰囲気がかなり違うことにすぐに気づきます。
ローゼンクランツの『ヘーゲル伝』ではヘーゲルの思想の問題にかなりの分量が割かれるのですが、アルトハウスの伝記では彼がどのような生活をし、どのように人と関わり、どんな出来事が彼に影響を与えたのかということを丁寧に追っていきます。
そのため、物語のようにヘーゲルの生涯を辿っていくことができます。正直、ローゼンクランツの『ヘーゲル伝』よりもかなり読みやすく、そして面白いです。
さらにこの伝記ではマルクスとの関係など、その後の世界に与えた影響も知ることができたのがありがたかったです。
本書における解説の最後で「これを凌駕するへーゲル伝がかつて書かれたことはなく,今後も現われないであろう。」と述べられるほどこの伝記はヘーゲル研究において評価されている作品と言えます。
私にとっては難易度の高いこの伝記ではありましたが、ヘーゲルを学ぶ上では必読とも言える非常に評価の高い伝記です。ヘーゲル伝記の古典としてこの本は重要な作品と言うことができるでしょう。
今回ご紹介した『砂男』はホフマン怪奇小説の典型的なパターンに沿った作品でした。
まず、主人公の前に怪しい男が現れ、そこから物語はスタートするもいよいよ謎は深まるばかり。
しかしふとしたことから一気に展開は動き、その男の謎が解き明かされ、狂気の正体が顔を出す。
これがホフマン怪奇小説の王道パターンです。
私はこうしたパターンを『砂男』から読んだとき、ふとドストエフスキーの『罪と罰』を連想してしまいました。この作品に出てくるスヴィドリガイロフというキャラクターもまさしくこうしたパターンに当てはまるような気がしたのです。
ドストエフスキーは若い頃ホフマンを愛読していました。その時の影響がもしかしたら様々な形でドストエフスキー作品にも表れているのかもしれない、そんな風に思ったのでした。
この本のありがたいのはホフマンが生きた時代の社会や文化、時代背景を解説してくれるところにあります。
ホフマンが生きた1776年から1822年のドイツというのはゲーテやシラー、ショーペンハウアー、ヘーゲルが活躍した時代でもあります。またホフマンが生まれたケーニヒスベルクはあのカントが住んでいた街です。しかもカントは1724年生まれの1804年没ですのでまさしくカントが活躍していた街でホフマンは生れたのでした。
そういう意味でもザフランスキーがこの本で語る時代背景や文化は、他のドイツ人哲学者の背景を知る上でも非常に役に立ちます。
ホフマンその人を学びながら他の哲学者の人生と絡めて私たち読者は考えていくことができます。これは楽しい読書でした。
バイロンは後の作家たちに多大な影響を与えました。プーシキンもその一人です。
そしてそのプーシキンを深く敬愛していたドストエフスキーもバイロンを読み込み、そして『オネーギン』を通してバイロン的なるものへの思索を深めていったのでありました。
こうして考えてみると改めて、あらゆるものは繋がっているのだなと感じさせられました。
『マンフレッド』は近代人の自我の悩みを描いた古典中の古典です。その迫力は今でも色あせないものがあると感じました。言っていることに全然古さを感じさせないです。
普通に生活していてはなかなか知ることができない戦争の真の姿や、なぜ戦争が起こるのか、なぜ平和は実現しないのかということを神野先生は国際関係の歴史から丁寧に解説してくれます。
この本を読めば世界に対するものの見方が変わってくると思います。
そして同時に、日本人たる私たちが今世界でどのような状況に置かれているのかも考えさせられることになります。
この本では日露戦争のことも言及されていて、遠いヨーロッパの出来事がいかに日本にも強力な影響を与えていたかが一目瞭然でした。