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伊藤千尋『キューバ 超大国を屈服させたラテンの魂』あらすじと感想~キューバの歴史を知るのにおすすめの参考書!

目次

伊藤千尋『キューバ 超大国を屈服させたラテンの魂』概要と感想~カストロ、ゲバラ、キューバの歴史を知るのにおすすめの参考書!

今回ご紹介するのは2016年に高文研より発行された伊藤千尋著『キューバ 超大国を屈服させたラテンの魂』です。

早速この本について見ていきましょう。

超大国を屈服させたラテンの魂!

ひざまずいて生きるより、踊って抵抗!
キューバとの付き合い40年を超すジャーナリストが明解に読み解く、キューバの現在、過去、未来!

半世紀以上にわたって敵対関係にあったキューバと米国は、ついに今年(2015)、国交を回復した。
米国は武力と経済制裁でキューバをつぶそうとしたが、キューバは屈服しなかった。
中南米の国々から反発されて孤立したのは米国の方だった。

カストロやゲバラが活躍して、キューバ革命が成功したのは1959年。
革命から半世紀余を経て、いま、新たな国づくりを迫られている。
陽気なラテン主義のもと、「カリブの赤い星」は、試行錯誤を繰り返してきた。
その試行錯誤の歴史とこれからのキューバを、キューバとの付き合い40年を超すジャーナリストが描く。

Amazon商品紹介ページより

この作品はキューバの歴史を知るのにうってつけの入門書です。

キューバというと私たちはキューバ危機やカストロなどのイメージから、何やら不気味で怖い国という思いを抱いてしまいがちです。私もこの国について学ぶまではそのようなイメージでした。

ですがこの国について知れば知るほど、それは「作られたイメージに過ぎない」ということに驚くことになります。

前回の記事「三好徹『チェ・ゲバラ伝』~キューバ革命を代表する革命家チェ・ゲバラの生涯と思想を知るのにおすすめの伝記」では革命家チェ・ゲバラについてお話ししましたが、私がキューバ関連で初めて読んだのはこの『キューバ 超大国を屈服させたラテンの魂』になります。

この本を読んだ私はキューバにものすごく惹き付けられ、そこからゲバラについても学ぶようになったのでした。

この本ではキューバ建国の歴史やアメリカとの関係、特にカストロやゲバラが活躍したキューバ革命の流れを詳しく知ることができます。

なぜカストロやゲバラは革命家として立ち上がらなければならなかったのか。

それはアメリカの実質的な植民地状態とそれに追随する国家権力の腐敗、癒着があったからでした。

この本ではなぜキューバ革命が起こったのかを丁寧に見ていきます。

そして革命成立後のキューバの流れも非常に興味深かったです。何事も壊すことより、新たに作り直して維持することの方が難しいです。革命を成功させたカストロはどのようにしてキューバという国を作り上げていったのか、これは社会主義国家というものを考える上で非常に興味深いものがありました。

この本を読んでいると驚くことばかりでした。普段キューバという国についてほとんど情報が入ってくることがない私たちです。せいぜい野球が強いというイメージくらいでしょうか。そこにキューバ危機や独裁者カストロというイメージしかない私たちにとってこの本で語られることはそれこそ仰天ものです。イメージと全く逆の世界がここにあります。

この本を読めばアメリカに対する思いもきっと変化すると思います。アメリカが中南米でどのようなことをしていたのか、そういうことも知っておくことはこれからの私たちにとっても大切なことだと思います。アメリカ側からだけの情報ではなく、キューバ人にとってアメリカはどういう国だったのかということを知ることができるのもこの本の素晴らしい点だと思います。

私は2019年にキューバを訪れました。

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そしてそのときの旅行記の参考書として用いていたのが本書『キューバ 超大国を屈服させたラテンの魂』になります。

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この本はキューバの歴史を学ぶのに最高の入門書です。

読みやすさ、面白さも抜群です。

私たちが生きる日本とは全く異なる世界がここにあります。そうした全く異質な世界を学ぶことは、「私たちの住む日本って何なのだろう」という新鮮な視点を与えてくれることになります。

この本はぜひぜひおすすめしたい作品です。刺激的な読書になること間違いなしです。

以上、「伊藤千尋『キューバ 超大国を屈服させたラテンの魂』~キューバの歴史を知るのにおすすめの参考書!」でした。

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この記事を書いた人

真宗木辺派函館錦識寺/上田隆弘/2019年「宗教とは何か」をテーマに80日をかけ13カ国を巡る。その後世界一周記を執筆し全国9社の新聞で『いのちと平和を考える―お坊さんが歩いた世界の国』を連載/読書と珈琲が大好き/

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