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映画『テルマエ・ロマエ』あらすじと感想~古代ローマを学んでから観たこの映画が想像以上に素晴らしかった件について
今回ご紹介するのは2012年に公開された映画『テルマエ・ロマエ』です。
早速この映画について見ていきましょう。
「マンガ大賞2010」「第14回手塚治虫文化賞短編賞」を受賞したヤマザキマリの同名コミックを阿部寛主演で実写映画化。古代ローマ帝国の浴場設計師ルシウスが現代日本にタイムスリップし、日本の風呂文化を学んでいく姿を描くコメディドラマ。生真面目な性格で古き良きローマの風呂文化を重んじる浴場設計師のルシウスは、ふとしたきっかけで現代日本にタイムスリップ。そこで出会った漫画家志望の真実ら「平たい顔族(=日本人)」の洗練された風呂文化に衝撃を受ける。古代ローマに戻りそのアイデアを用いた斬新な浴場作りで話題となったルシウスは、時の皇帝ハドリアヌスからも絶大な信頼を寄せられるようになるのだが……。映画オリジナルのヒロイン・真実を上戸彩が演じる。監督は「のだめカンタービレ」の武内英樹。興行収入59.8億円で2012年第2位の大ヒットを記録。阿部寛が第36回日本アカデミー賞の最優秀主演男優賞を受賞した。
映画ドットコム、作品情報より
私がこの映画を観たのは今年(2022年)公演された阿部寛主演の『ヘンリー八世』がきっかけでした。
この作品を劇場で見た時の阿部寛さんの存在感に私は圧倒されてしまいました。テレビや映画などでこれまで何度も何度も目にしてきた阿部寛さんでしたが、生で観るその演技、存在感には衝撃を受けました。
私がなぜ『ヘンリー八世』を観に行ったのか、そしてローマとイングランド、シェイクスピアがどのように関係するかは上の記事でお話ししていますのでぜひ参照して頂けるとありがたいのですが、ともかく、私は生で観た阿部寛さんに度肝を抜かれてしまったのでした。
「いやぁ、阿部寛さん、すごかったな・・・」
帰ってからも余韻がしばらく続きました。
そんな中ある日ふと、「『テルマエ・ロマエ』、観てみようかな」という思いが浮かんできたのでした。私はこの時ちょうどローマ帝国について学んでいるところだったのです。これはタイミングもばっちり。ぜひ観てみようと勇んで借りてきたのでした。
映画『テルマエ・ロマエ』はⅠとⅡがあります。もちろん私はどちらも観たのでありますが、改めてこの二作を観てその完成度に驚くことになりました。実を言うと、私はかつてこの映画を観たことがあります。ですが今回ローマ帝国のことを学んでから改めてこの映画を観たことで、前回とは全く違った印象を受けることになりました。
もちろん何度観ても面白いです。笑えます。阿部寛さんのローマ人ぶりは最高です(笑)
ですが、今やそれだけではなくなったのです。
この映画の舞台は西暦130年代のハドリアヌス帝時代です。古代ローマの全盛期中の全盛期です。ですがそんな繁栄の中にすでに衰退、滅亡の萌芽が見え始めます。この辺りの事情はこれまで当ブログでも紹介してきた『興亡の世界史第04巻 地中海世界とローマ帝国』やギボンの『ローマ帝国衰亡史』で説かれていたことでした。まさに繁栄こそ衰退の原因でもあったのです。
阿部寛さん演じる主人公ルシウスやハドリアヌス帝もそのことを憂いています。
笑えるシーンが満載のこの映画ですが、ローマ帝国の繁栄、衰退についても丁寧に描かれていたということを改めて感じたのでありました。
また、前回の記事「P・マティザック『古代ローマの日常生活』~古代ローマ人はどのように暮らしていたのか!刺激的なおすすめ参考書」で紹介した『古代ローマの日常生活』も読んでいたので、それを実際に映像化してくれたかのような気持ちで観ることができました。
この映画、素晴らしすぎませんか?正直、私は驚いています。こんなに素晴らしい映画があったのかと再発見した気持ちです。初めて観た時も「いやぁ~面白かった!」と大満足だったのですが、今回再び観た時の衝撃はそれをはるかに上回りました。
まず、『テルマエ・ロマエ』の原作者ヤマザキマリさんの想像力、漫画のクオリティーに改めて感嘆。そしてこの素晴らしい漫画を実写化してここまで面白いものにまで高めた制作陣にはもはや畏敬の念すら覚えます。
漫画の実写化は正直難しい面もありますが、『テルマエ・ロマエ』はそれを完璧に表現した稀有な例なのではないでしょうか。
ローマ帝国の歴史を学んでから観た『テルマエ・ロマエ』は想像をはるかに超えた名作でした。これは素晴らしいです。この記事中で何度素晴らしいと言ってしまったことか(笑)語彙力が奪われるほどの名作です。
ぜひおすすめしたい映画です。
以上、「映画『テルマエ・ロマエ』あらすじと感想~古代ローマを学んでから観たこの映画が想像以上に素晴らしかった件について」でした。
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