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平雅行『法然』概要と感想~時代背景や法難の流れを詳しく知れるおすすめ伝記

法然: 貧しく劣った人びとと共に生きた僧
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平雅行『法然 貧しく劣った人びとと共に生きた僧』概要と感想~時代背景や法難の流れを詳しく知れるおすすめ伝記

今回ご紹介するのは2018年に山川出版社より発行された平雅行著『法然 貧しく劣った人びとと共に生きた僧』です。

早速この本について見ていきましょう。

法然は人間の平等を説き、共に支え合う社会をめざした。法然の歩みをたどる中で、その思想が登場した歴史的背景を解き明かすとともに、専修念仏が迫害された要因を最新の研究成果から考察する。

Amazon商品紹介ページより
法然(1133-1212)Wikipediaより

本書『法然 貧しく劣った人びとと共に生きた僧』は浄土宗の開祖法然上人のおすすめ伝記です。

著者の平雅行氏の著書は当ブログでもこれまで『改訂 歴史のなかに見る親鸞』『日本中世の社会と仏教』を紹介してきました。

平氏の著作は当時の時代背景をわかりやすく解説してくださる点にその最大の特徴があります。そして本書でもそれは健在で、法然上人の生涯を当時の時代背景と絡めて学ぶことができます。

そして私が本書を手に取ったのは親鸞聖人の師匠である法然上人の生涯を詳しく知りたかったのはもちろんですが、その中でも特に彼らが流罪となった法難について違った角度から見てみたいという思いがあったからでありました。

私は浄土真宗の僧侶です。なのでこの法難のことを見ようとするとどうしても親鸞聖人側からすべての出来事をみてしまいがちです。ですが、当時の親鸞聖人はあくまで法然教団の一員にすぎません。そこには師匠法然上人もいれば多数の高弟たちもいたわけです。そして彼らには彼らなりの立場や背景も当然あったことでしょう。

親鸞聖人のことをもっと知るためにはこうした「親鸞聖人以外の人々」の立場や視点も必要なのではないか、私はそう思うようになっていたのでありました。

そんな私にとって、法然教団の流れや弟子たちの立場なども知れる本書は非常にありがたいものがありました。

そして法難についての解説もかなり詳しく語られます。親鸞聖人側だけでなく、法然教団からの視点からこの事件を見ていくというのは私にとっても実に刺激的なものでありました。

ただ、これまでも当ブログでお話ししてきましたように、親鸞聖人の生涯についてはわからないことも多々残されています。そしてそれは師匠たる法然上人も同じです。それぞれの歴史学者によって見解が異なる点が多々出ています。この法難もまさにそのひとつです。

この法難はそもそも前代未聞のスキャンダルから始まり、その経過や処罰についても謎が多すぎます。そんな謎に満ちた事件でありますので、前回の記事でご紹介した中井真孝著『法然絵伝を読む』や上横手雅敬編『鎌倉時代の権力と制度』、森新之助著『摂関院政期思想史研究』など他の歴史学者の説も合わせて読まれることをおすすめします。この事件をどう捉えるかの難しさがよくわかります。私も正直なところ、頭を抱えております。

ただ、法難に関する点はこうした難しさがあるのですが、法然上人の生涯を時代背景と共に学べる本書は非常に貴重です。浄土真宗僧侶である私ではありますが、この本にはとても助けられました。師匠法然上人の生涯をもっと知りたい方にぜひぜひおすすめしたい一冊です。分量もコンパクトで気軽に手に取ることもできます。ぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

以上、「平雅行『法然』概要と感想~時代背景や法難の流れを詳しく知れるおすすめ伝記」でした。

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法然 貧しく劣った人びとと共に生きた僧 (日本史リブレット人 28)

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法然: 貧しく劣った人びとと共に生きた僧

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この記事を書いた人

真宗木辺派函館錦識寺/上田隆弘/2019年「宗教とは何か」をテーマに80日をかけ13カ国を巡る。その後世界一周記を執筆し全国9社の新聞で『いのちと平和を考える―お坊さんが歩いた世界の国』を連載/読書と珈琲が大好き/

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