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コナン・ドイル『四つの署名』あらすじと感想~テムズ川の大追跡!ホームズシリーズ連載を決定づけた第二作!

四つの署名
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コナン・ドイル『四つの署名』あらすじと感想~テムズ川の大追跡!ホームズシリーズ連載を決定づけた第二作!

コナン・ドイル(1859-1930)Wikipediaより

今回ご紹介するのは1890年にコナン・ドイルによって発表された『四つの署名』です。私が読んだのは新潮社、延原謙訳2014年第99刷版です。

早速この本について見ていきましょう。

ホームズ、敵を大追跡! インド王族の秘宝をめぐり、様々な人の欲望が交錯する。
シリーズを書き続けるきっかけとなった著者の意欲作。


「月9」TVドラマ化!
「シャーロック」フジテレビ系にて2019年10月7日スタート。
名探偵にディーン・フジオカ、相棒・ワトソンは岩田剛典。


ある日、ベーカー街を訪れた若く美しい婦人。父がインドの連隊から帰国したまま消息を断って十年になるが、この数年、きまった日に高価な真珠が送られてくるという……。ホームズ達が真珠の所有者を捜し当てた時、無限の富をもつこの男は殺され、そこには“四つの署名”が――インド王族秘蔵の宝石箱をめぐってテムズ河に繰り広げられる追跡劇!
ホームズ物語の2作目にあたる長編。

Amazon商品紹介ページより

今作『四つの署名』はシャーロック・ホームズシリーズの第二作目に当たります。前回の記事「コナン・ドイル『緋色の研究』あらすじと感想~シャーロック・ホームズシリーズの記念すべき第一作目!」ではシャーロック・ホームズシリーズの記念すべき第一作目『緋色の研究』をご紹介しました。

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コナン・ドイルはこの作品を並々ならぬ自信を持って世に送り出したのでありますが、意外や意外、世間からの反応はそれほど大きなものではなかったそうです。その事実に失望したコナン・ドイルは「もうホームズ・シリーズは書かない」とまで思い詰めていたようです。

ですが出版から二年後、アメリカの『リビンコット・マガジン』から前金付きでホームズ・シリーズの続編依頼が舞い込むことになりました。この依頼に喜んで書き下ろしたのが本作『四つの署名』になります。

もしアメリカからのこの依頼がなかったらシャーロック・ホームズシリーズは存在しなかったかもしれません。

第一作目の『緋色の研究』も今読めばその面白さは折り紙付きです。ですが出版当時はその面白さがなかなか伝わらず、話題になることもなかった。これは時を経て名著になっていく典型的なパターンですよね。いづれにせよ、第二作の『四つの署名』があったからこそシリーズ化への道が開けたというのは大きな意味があると思います。

さて、この『四つの署名』もホームズの名推理が冴えわたるのですが、今作では手に汗握るアクションシーンも登場し、よりエンタメ感の強い作品となっています。犯人との直接対決であるテムズ川での追跡シーンは臨場感たっぷりで映像的な楽しさも味わうことができます。この川での追跡というと同じイギリスの文豪ディケンズの『大いなる遺産』が有名ですが、その名シーンをオマージュしたかのような迫力ある追跡です。

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そして今作の主題でもある「四つの署名」がインドと繋がってくるというのも重要なファクターと言えるでしょう。インドとイギリスは切っても切れない関係です。ホームズ・シリーズの主要な読者たる英米人はインドの地に対し思う所も多々あったことでしょう。それを巧みに取り入れたコナン・ドイル。前作『緋色の研究』でもアメリカとモルモン教を取り上げた彼でしたが、その手法をさらに洗練して組み込んだのが本作と言えるかもしれません。

先にも述べましたが、シャーロック・ホームズシリーズはこの作品の誕生によって連載への道筋が開かれていくことになります。世界中で愛されるシャーロック・ホームズといえどもその最初から大人気というわけではなかったというのは非常に興味深いですよね。そしてここから次に執筆されるのが『シャーロック・ホームズの冒険』に収録されている短編たちです。

ホームズ・シリーズ連載のきっかけとなった『四つの署名』はエンタメ感満載の名作です。ぜひこちらもおすすめしたい一冊です。

以上、「コナン・ドイル『四つの署名』あらすじと感想~テムズ川の大追跡!ホームズシリーズ連載を決定づけた第二作!」でした。

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四つの署名(新潮文庫) シャーロック・ホームズ シリーズ

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この記事を書いた人

真宗木辺派函館錦識寺/上田隆弘/2019年「宗教とは何か」をテーマに80日をかけ13カ国を巡る。その後世界一周記を執筆し全国9社の新聞で『いのちと平和を考える―お坊さんが歩いた世界の国』を連載/読書と珈琲が大好き/

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