2023年2月

ドストエフスキー、妻と歩んだ運命の旅~狂気と愛の西欧旅行

(12)バーデン・バーデンでの賭博者ドストエフスキーの狂気~ドストエフスキー夫妻の地獄の5週間

ドレスデンで妻を一人残し、ホンブルクへカジノへ出かけたドストエフスキー。そこから彼は賭博熱に完全に呑み込まれてしまった・・・

ドイツ西部の有名保養地バーデン・バーデンへと移った二人。ドストエフスキーはここのカジノで狂ったようにルーレットにのめり込む。

今回の記事ではそんなドストエフスキーの狂気とアンナ夫人の絶望の日々を見ていく。

名作の宝庫・シェイクスピア

細野晋司『PASSION 蜷川幸雄 舞台芸術の軌跡』~NINAGAWA舞台最前線の写真集

私がこの本を手に取ったのは蜷川さんの演出の代名詞である色彩豊かで派手な舞台演出を見てみたいからでありました。その色彩豊かな舞台と役者さんのエネルギー溢れる姿。それを映像だけでなく写真で見てみたい。「そこしかない完璧な一瞬」を切り取るのが写真の素晴らしさです。蜷川さんの色彩豊かでパワフルな舞台をプロが魂を込めて写真に収めたらどのようなものが出来上がるのか、これに興味があったのです。

そしてそれは大正解。この本は演劇というものをまた違った視点から見ることができました。

ドストエフスキー、妻と歩んだ運命の旅~狂気と愛の西欧旅行

(11)妻を残しカジノの街ホンブルクへギャンブルに行くドストエフスキー~地獄への扉が開き始める・・・

ドレスデンでの平穏で幸福な日々を過ごしていた矢先、ついに悪魔の囁きがドストエフスキーをつつき始めます。

これから2人を苦しめ続けた、あのギャンブル中毒という恐ろしい悪魔がついに顔を出し始めたのです。「最悪のダメ人間」ドストエフスキーの始まりです。

ドストエフスキーは異国の街で妻を一人残しカジノに行ってしまったのでありました。

ドストエフスキー、妻と歩んだ運命の旅~狂気と愛の西欧旅行

(10)『システィーナの聖母』を愛したドストエフスキー~ドレスデン絵画館で『アキスとガラテイア』などの名画を堪能

ドストエフスキー夫妻はベルリンに2日ほど滞在し、ほどなく次の街へ出発しました。彼らが目指したのはこの街の南に位置する古都ドレスデンです。

ここで夫妻は絵画や音楽を楽しみ暮らしました。

この記事ではそんな二人の様子と私の現地での体験をお話ししていきます。

『システィーナの聖母』や『アキスとガラテイア』という、ドストフスキー定番の絵以外のものも観れたので大満足でした。ドストエフスキーの絵の好みを知る上でも、様々な絵画を比べながら観ることができたドレスデン絵画館での体験はとてもありがたいものでありました。

名作の宝庫・シェイクスピア

とんぼの本『蜷川幸雄の仕事』~蜷川父娘の対談も魅力のおすすめ本!舞台写真も満載!

「とんぼの本」シリーズは写真やイラストが満載でガイドブックとして非常にありがたいです。本作『蜷川幸雄の仕事』もまさにその長所が生きた作品となっています。

『蜷川幸雄の仕事』というタイトル通り、この本では蜷川さんの仕事を多くの写真と共に見ていけるのでその流れがとてもわかりやすいです。

コンパクトにまとめられた「とんぼの本」シリーズのいいところがぎゅぎゅっと凝縮された素晴らしい一冊です。

ドストエフスキー、妻と歩んだ運命の旅~狂気と愛の西欧旅行

(9)ドストエフスキー夫妻最初の滞在地ベルリンへ~初々しい2人のけんかと仲直りのエピソード

ドストエフスキー夫妻は4月14日、ペテルブルクを出発しヨーロッパへと向かいました。

そのルートはベルリン、ドレスデン、バーデン・バーデン、バーゼル、ジュネーブ、ミラノ、フィレンツェ、ボローニャ、ベネツィア、プラハ、ドレスデンというもの(※経由地は除きました)。

出発当初は3カ月ほどの予定だった彼らの旅はなんと4年にも及びました。

この記事はそんな彼らの最初の滞在地ベルリンについてお話ししていきます。

ドストエフスキー、妻と歩んだ運命の旅~狂気と愛の西欧旅行

(8)いよいよ旅の始まりへ~ドストエフスキー夫妻はなぜヨーロッパへ旅立たねばならなかったのか

前回の記事では心理描写の鬼ドストエフスキーも家庭ではどうしようもないただの夫にすぎなかったことを見ていきました。

誰にも理解されず、孤独を味わうアンナ夫人はいよいよ精神的に追い詰められていきます。

そしてついにコップの水が溢れるように、その時は来たのです。

彼女は悲しみあまり泣き崩れてしまうのでした。そしてこれが彼らの4年にもわたる西欧放浪のきっかけとなるのです。

この記事ではドストエフスキー夫妻が旅に出ることになったその顛末をお話ししていきます。

名作の宝庫・シェイクスピア

秋島百合子『蜷川幸雄とシェークスピア』~蜷川演出のシェイクスピア舞台がまとめられたおすすめ本

この本は蜷川幸雄さんが演出したシェイクスピア作品を解説と共に見ていく作品です。

作品ごとのエピソードもとても興味深く、実際にその舞台を観たくなってきます。演劇制作の奥深さやシェイクスピア作品の面白さをこの本では知ることができます。

私も今DVDで蜷川さん演出のシェイクスピアを少しずつ観ています。ものすごく面白いです。生で観てみたかったなあと心の底から思います。

そんな蜷川さんのシェイクスピアを概観できるありがたい一冊です。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

ドストエフスキー、妻と歩んだ運命の旅~狂気と愛の西欧旅行

(7)客だらけのドストエフスキー家の家庭状況と新婚早々親類からの嫁いびりに苦しむアンナ夫人

これまでドストエフスキーの経済状況、持病のてんかんと彼の抱える問題を見てきましたがその最後に彼の家庭環境を見ていきます。

実はアンナ夫人の新婚生活にとって最も苦しかったのがこの家庭環境だったのでした。

嫁いびりといえばよくあることのように思えてしまうかもしれませんがそこはあのドストエフスキー家です。やはり一筋縄ではいかない苦難をアンナ夫人は味わうこととなりました。

ドストエフスキー、妻と歩んだ運命の旅~狂気と愛の西欧旅行

(6)ドストエフスキーが生涯苦しんだ持病てんかんの発作を目の当たりにするアンナ夫人

前回の記事ではドストエフスキーの経済状況についてお話ししましたが、彼の抱えていた問題は借金だけではありませんでした。

ドストエフスキーのてんかんは彼の代表作『白痴』の主人公ムイシュキン侯爵や『カラマーゾフの兄弟』のスメルジャコフを通して描かれています。特に『白痴』はアンナ夫人とのヨーロッパ旅行中に執筆されたものであることも意味深いです。ドストエフスキーは常にてんかんの発作に怯えて生きていかなければならなかったのでした。