目次
ドブロブニクからいざ美の王国、イタリアはローマへ~僧侶上田隆弘の世界一周記―クロアチア編⑥
夕暮れの城壁巡りを終え、宿へと帰っていく。
旧市街はすでに夜の雰囲気になり始めている。
夕陽に染められた教会も美しかった。
城壁の上から見るのと、下から真上に見上げるのでは同じ夕暮れの教会でもまた違った味わいがある。
歩いてきた道を振り返るとまさに日が城壁の下に沈まんとしていた。
この街は最後まで美しい景色をこれでもかと見せつけてくるようだ。
夜になってもこの界隈はおしゃれなレストランでディナーを楽しむ人やバルでお酒を楽しむ人で賑わう。
ぼくはこの旅の最中体調面の不安もありお酒は飲めなかったが、余裕があればこういうところでゆっくりとお酒を飲むのも楽しそうだなとつくづく思う。
話によると夜は夜でいたるところでコンサートやら生演奏が繰り広げられているそうで、それはそれはいい雰囲気なのだそうだ。
ドブロブニクに来られた際はぜひ、素敵な夜を過ごして頂きたいと思う。
きっと素晴らしい思い出になることだろう。
旧市街を出て横目に港を眺めながら帰っていく。
この景色ももう見納めか・・・
それにしてもこの海と港のなんたる美しさよ。
旧市街の中世の街並みとヨットハーバー。
これがこんなに絶妙な組み合わせだったとは。
ヨットハーバーを見下ろす広場にもカフェレストランが併設されている。
ぼくがしばらく広場から港を眺めていると、一組の老夫婦が近くの席に腰を下ろした。
二人は穏やかな顔つきで、その立ち振る舞いも優雅なものだった。
きっとここに二人だけのバカンスに来ているのだろう。
彼らは肩を寄せ合い美しい景色を眺めながら仲睦まじく会話を楽しんでいるようだった。
あぁ、なんと心救われる光景だろうか。
いつまでも仲睦まじい夫婦。
ありがたいものを見させていただいたなとほのぼのした気持ちでぼくは宿へと歩き出したのであった。
宿に戻り、テラスから旧市街の景色を眺める。
この街も今日で終わりか・・・
観光に使える時間がたった1日しかなかったのが悔やまれる。
ここは何日でもいられるような場所だった。
夜景も素晴らしいのがドブロブニク。
あえて旧市街から離れた東側の地区に宿を取ったのもこの夜景を見るためでもあった。
写真では伝わりにくいが、このテラスからはばっちりと旧市街の夜景を楽しむことができた。
ライトアップされたヨットハーバーや、城壁、そして教会の塔。
まるで海の上に浮かんでいるかのような幻想的な光景だった。
そして明朝6時半。
飛行機の時間のため、もう宿を出発しなければならない。
少しずつ朝日に照らされていく旧市街を眺めながら、名残惜しくも宿を出発。
次に向かうのはイタリア、ローマ。
ドブロブニクから約1時間半のフライトだ。
ヨーロッパは国と国の間が本当に近い。
日本からするとヨーロッパははるか彼方で行くのにも一苦労だが、ヨーロッパ同士ならまったくそんなことはない。
函館から東京にいくような感覚で他の国に行けてしまうのだ。
今までその辺の感覚は意識していなかったが、これも日本人と欧米人の考え方の違いに影響を与えているのかもしれないと思ってしまった。
間もなく着陸。
イタリアではとにかくバチカンに集中しようと思う。
ローマカトリックの総本山バチカン。
聖地中の聖地。しっかり目に焼き付けてこよう。
続く
次の記事はこちら
あわせて読みたい
イタリア入国、そして美しきバチカン美術館へ イタリア・バチカン編①
2019年5月8日。ローマ・フィウミチーノ空港に到着。
ローマに来たのは他でもありません。キリスト教世界の中心とも言えるローマカトリックの総本山、バチカンを訪れるためです。
イタリアはローマに到着した私は早速バチカン美術館へと向かうことにしました。 さすがは世界最高峰の美術館。どれだけ時間があっても足りません。
前の記事はこちら
あわせて読みたい
夕陽に染まったあまりに美しすぎるドブロブニクに感動! クロアチア編⑤
夕日のドブロブニクも素晴らしい。
赤い屋根の美しさもさることながら、海の青、そして島の緑。
これらがそれぞれを互いに引き立てています。
そして少しくすんだ壁の色。家々の壁の色がきっとこの景色に落ち着きを与えているのだろう。
もし屋根の赤だけの景色だったら、名高きドブロブニクと言えどここまで絶妙な美しさを感じさせなかったのではないでしょうか。
鮮やかな赤と落ち着いた薄茶色。
この絶妙なバランスがこの景観を心地よく見せているのかもしれません。
関連記事
あわせて読みたい
ドブロブニク旅行記おすすめ記事一覧~絶景の城壁に感動!【僧侶上田隆弘の世界一周記】
私の旅の中でここはプラハと並ぶ美しき街の二大巨頭でした。
アドリア海の真珠という名は伊達ではありません。本当に素晴らしい場所です。
あわせて読みたい
ローマカトリック総本山サンピエトロ大聖堂~想像を超える美しさに圧倒される イタリア・バチカン編④
ローマカトリックの総本山バチカンのサンピエトロ大聖堂。
そのあまりの美しさと迫力に圧倒されてしまいました。
そしてミケランジェロのピエタ像にも魅了され、衝撃的な時間を過ごすことになりました。
まさかここまですごいとは・・・!予想をはるかに超えた素晴らしさにただただ絶句するのみでした。
あわせて読みたい
絶景!朝のドブロブニク城壁巡り!アドリア海の真珠を堪能! クロアチア編②
この街の旧市街は高い城壁でぐるっと囲まれています。この城壁がドブロブニクの素晴らしい景色を一望するのに最高だそうで、この街に来たら必ず行くべきと宿のスタッフも私に勧めてくれました。
城壁を歩き始めるといきなりアドリア海の見事な絶景が私の目に飛び込んできました。ヨットハーバーの景色と旧市街の歴史ある建物が絶妙に調和しています。これは素晴らしい!一気にテンションが上がります。私は一瞬でこの景色に魅了されてしまいました。
間近で見る旧市街の美しき赤い屋根と、上から見る旧市街全体のパノラマ。城壁巡りはその両方を楽しむことができます。
あわせて読みたい
ドブロブニク旧市街とアドリア海小型遊覧船クルーズを堪能 クロアチア編③
大満足の城壁巡りを終え、私は旧市街を散歩することにしました。
メインストリートのプラツァ通りはとても賑やかな雰囲気。
そしてヨットハーバーに出てみると、そこではクルーズの受付が何社もあって、呼び込み合戦になっていました。
私は当初クルーズに参加する予定はなかったのですが、城壁であまりにも感動してしまったので急遽クルーズに参加してみることにしました。
あわせて読みたい
絶景!ドブロブニクを一望するスルジ山のパノラマと徒歩下山の迫力 クロアチア編④
ドブロブニクの城壁を堪能した私は旧市街を眺めることができるスルジ山展望台へ向かうことにしました。スルジ山は旧市街をちょうど真上から見下ろすことができる山で、市街からもロープウェイで簡単にアクセスできます。
スルジ山展望台からの絶景を満喫した私でしたが、ここであえて帰り道は徒歩で下山することにしてみました。
少しずつ大きくなっていく旧市街の姿を眺めながらの下山は本当に素晴らしい体験でした。
コメント