MENU

コナン・ドイル『恐怖の谷』あらすじと感想~シャーロック・ホームズシリーズで私が一番好きな作品!

恐怖の谷
目次

コナン・ドイル『恐怖の谷』あらすじと感想~シャーロック・ホームズシリーズで私が一番好きな作品!

コナン・ドイル(1859-1930)Wikipediaより

今回ご紹介するのは1914年にコナンドイルによって発表された『恐怖の谷』です。私が読んだのは新潮社、延原謙訳、2012年第107刷版です。

早速この本について見ていきましょう。

ホームズvsモリアティ。事件の背後に、宿敵モリアティ教授の姿が見え隠れ。
もはや巨匠の域に達した著者、最後の長編。


「月9」TVドラマ化!
「シャーロック」フジテレビ系にて2019年10月7日スタート。
名探偵にディーン・フジオカ、相棒・ワトソンは岩田剛典。


ホームズのもとに届いた暗号の手紙。時を同じくして起きた暗号どおりの殺人事件。サセックス州の小村にある古い館の主人が、散弾銃で顔を撃たれたというのだ。事件の背後には、宿敵モリアティ教授の影が垣間見える――
捜査に当ったホームズが探り出したのは、20年前のアメリカに端を発する、恐怖の復讐劇だった。推理、冒険、恋、友情を描ききったホームズ・シリーズ最後の長編。

Amazon商品紹介ページより

タイトルにも書きましたが今作『恐怖の谷』はシャーロック・ホームズシリーズの中で私が最も好きな作品です。

この本の巻末解説に「一般にはドイルの代表作と見なされている『バスカヴィル家の犬』よりも、この作のほうに愛着をもつ評者もあるらしいのである」と書かれていましたが、まさに私もその一人です。

たしかに知名度や人気では『バスカヴィル家の犬』の方が上でしょう。かく言う私も『恐怖の谷』を読むまではホームズといえば『バスカヴィル』と思っていました。

ですが『恐怖の谷』を読んでからはすっかりこの作品の面白さに夢中になってしまい、それこそ何度も何度も読み返しています。

まずこの作品はホームズの活躍はもちろんのことですが、もうひとり、最高にクールなキャラクターが登場します。それが「恐怖の谷」にやって来た新参者マクマードです。彼の男気、優秀な頭脳、機知、肉体と精神の強さは並外れています。ホームズ的でありながらよりマッチョ的な雰囲気があるこの好男子が「恐怖の谷」で繰り広げる戦いはあまりにドラマチック、魅力的です。

そしてこの物語を通して見え隠れするホームズの宿敵モリアティ教授の影・・・

これは面白い・・・!

ホームズ作品に限らず「ミステリーもの」はネタバレをしないようにしなければならないのでこれ以上内容について書くことができないのが悩ましいところですが、コナン・ドイルのシャーロック・ホームズシリーズはそれこそ100年以上も読み継がれてきた名作です。

シャーロック・ホームズシリーズは内容を知っていたとしても何度も読み返したくなる魅力があります。「突飛なトリックでびっくりさせて終わり」ではないのです。「一度読んだらそれで満足。ネタバレしてしまったらその作品を読む意味がなくなる。」というものでは決してありません。

事件のトリックや裏側を知ってもなお何度も読み返したくなるところにコナン・ドイルの圧倒的な筆力があると思います。やはり100年以上も愛され続けている古典は違います。

シャーロック・ホームズシリーズには4つの長編がありますが、そのどれもが長編と言っても薄めの文庫本一冊で収まる分量です。さくっと気軽に手を取ることができるのも嬉しいところです。

私一番のお気に入りのシャーロック・ホームズ作品がこの『恐怖の谷』です。ぜひぜひこれはおすすめしたい名作です。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

以上、「コナン・ドイル『恐怖の谷』あらすじと感想~シャーロック・ホームズシリーズで私が一番好きな作品!」でした。

Amazon商品ページはこちら↓

恐怖の谷 (新潮文庫)

恐怖の谷 (新潮文庫)

次の記事はこちら

あわせて読みたい
J・A・オールスン『特捜部Q 檻の中の女』あらすじと感想~ナイーブな凄腕主人公が魅力のおすすめ海外ミ... さすがは今大注目のミステリー! 謎が謎を呼ぶ展開。緊張感。これは一気に読ませます。私はそれこそ貪るように読み切ってしまいました。ちびちび読むのは不可能です。先が気になって止まることができません。

前の記事はこちら

あわせて読みたい
コナン・ドイル『バスカヴィル家の犬』あらすじと感想~ミステリー小説の王道中の王道!ホームズシリー... 今から100年以上も前に書かれた『バスカヴィル家の犬』ですが、この作品は今なお多くのファンに愛され続け、ホームズの長編小説において最も高く評価されている作品でもあります。 これは読んで間違いなしの名作です。

関連記事

あわせて読みたい
A・ワーナー『写真で見るヴィクトリア朝ロンドンとシャーロック・ホームズ』あらすじと感想~ホームズ人... この本ではシャーロック・ホームズの魅力や「なぜこんなにも人気になったのか」ということが余すことなく説かれています。たくさんの写真や資料と共に解説されるので読みやすさ、イメージのしやすさも抜群です。 マルクスの生きた時代背景を知るために元々手に取ったこの本ですが、その狙い通りヴィクトリア朝後期のイギリスの社会情勢を知る上でも非常に役に立ちました。
あわせて読みたい
コナン・ドイル『緋色の研究』あらすじと感想~シャーロック・ホームズシリーズの記念すべき第一作目! 『緋色の研究』はシリーズ第一作目ということで次に繋がる作品でもあります。この作品を入り口にシャーロック・ホームズシリーズやミステリーに手を伸ばして頂ければ私としては何より嬉しく思います。ミステリー小説の面白さを知るにはこの作品は最適です。
あわせて読みたい
コナン・ドイル『四つの署名』あらすじと感想~テムズ川の大追跡!ホームズシリーズ連載を決定づけた第... シャーロック・ホームズシリーズはこの『四つの署名』の誕生によって連載への道筋が開かれていくことになります。 ホームズ・シリーズ連載のきっかけとなった『四つの署名』はエンタメ感満載の名作です。
あわせて読みたい
コナン・ドイル『シャーロック・ホームズの冒険』感想~『ボヘミアの醜聞』『赤髪組合』など珠玉の名作... 今作『シャーロック・ホームズの冒険』は『緋色の研究』、『四つの署名』で大ヒットしたシャーロック・ホームズシリーズの最初の短編集になります。 最初の短編集でありながらそのクオリティは折り紙付き。これからいくつも短編集が出るのでありますが、その中でも今作はベストなのではないかと思うほど面白いです。
あわせて読みたい
おすすめSF・ディストピア小説16作品一覧~SF・ディストピアから考える現代社会 SF小説はその面白さは言うまでもありませんが、現在を生きる私たちに大きな問いを投げかけます。 楽しんで読むもよし。 今の世界をじっくり考えながら読むもよし。 色んな楽しみ方ができるのがSF小説のいいところだと思います。 この記事ではそんな私のおすすめ小説15作品をご紹介します。
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

真宗木辺派函館錦識寺/上田隆弘/2019年「宗教とは何か」をテーマに80日をかけ13カ国を巡る。その後世界一周記を執筆し全国9社の新聞で『いのちと平和を考える―お坊さんが歩いた世界の国』を連載/読書と珈琲が大好き/

コメント

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

目次