キューバの大自然を満喫!ローカル感満載のビニャーレス渓谷ツアーに参加してみた⑴ キューバ編⑬

キューバ編

キューバの大自然を満喫!ローカル感満載のビニャーレス渓谷ツアーに参加してみた⑴ 僧侶上田隆弘の世界一周記―キューバ編⑬

6月11日。実質キューバ滞在の最終日。

翌6月12日にはついに帰国便へと搭乗することになる。

サルサ事件でダウンしたぼくであったがこの日にはなんとか復活。

最終日の今日、ぼくは現地ツアー会社のビニャーレス・ローカルツアーなるものを予約していた。

体調不良のままではキャンセルも覚悟していたのでまさに土壇場での復活であった。

これから向かうビニャーレス渓谷へは、ハバナ中心部からは車でおよそ3時間ほど。

ビニャーレス渓谷は世界遺産にも登録されている景勝地。

そして世界で最も高品質な葉巻の生産地としても有名だ。

キューバは車移動の間も退屈しない。

日本とは全く違う景色。

さらにはそこを走る人々の姿もまるで違う。

田舎に行けば行くほど、馬車に遭遇する率も高い。

車に乗って移動するだけでキューバのローカルな雰囲気を感じることができる。

さて、こちらがビニャーレス渓谷の展望台からの景色。

キューバのパッケージツアーの写真にもよく使われる景色だ。

地面から盛り上がってできたかのような山々に深い緑がまとわりついているかのよう。

熱帯の強い生命力を感じさせる。

今日のツアーはここからスタートだ。

まず訪れたのは葉巻工場。

薄暗い工場で女性たちが黙々と葉巻の元となる葉を折りたたんでいた。

ここで葉巻の製造過程をガイドさんにみっちりとレクチャーされる。

かなり手の込んだ作り方で手作り感がものすごく感じられた。

キューバの葉巻は世界最高峰の品質と世界中の愛好家が絶賛している。

「キューバの葉巻はなぜそんなにも高品質なのですか」とガイドさんに聞いてみると、まず第一に気候が葉巻作りに適していること。そして第二に丁寧に丁寧に手作業で品質管理しながら作っているからということだった。

たしかにここの工場での工程を見ていると、やりすぎではないかと思うくらい一つ一つ丁寧に手作業で葉巻を作っていた。

これは手間がかかる。

だがこの手間こそ、キューバの葉巻が世界で愛される秘訣なのだろうと納得できた。

さて、葉巻工場の見学を終えるとここからがこのツアーの本番。

通常のツアーだとこのあと洞窟に行ってボートに乗ったり、有名な壁画を見に行ったりするようだがぼくが頼んだのはローカルツアー。

この会社の売りは通常の観光ツアーでは訪れない地元の風景を体感するところにある。

早速山道で車を降り、ここからは徒歩。

山道へと入っていく。

35度近い炎天下の中、細い道を歩き続ける。

道の途中にはコーヒーの木も栽培されていた。

ぼくの旅最初の国タンザニアでもコーヒー農園を訪れたがまさかここでもお目にかかれるとは思ってもいなかった。(そのときの記事はこちら アルーシャ近郊にてコーヒー農園見学 釈隆弘の世界一周記―タンザニア編⑧)

収穫時期はまだまだ先だったのでコーヒーの実も緑色。

これが収穫時期になると鮮やかな赤い実へと熟していくのだ。

しばらく山道を歩くと景色が開けてきた。

どうやらさっきの展望台から見た山の近くを歩いているらしい。

ガイドさんの後ろをひたすら付いていく。

実はこのガイドさん、普段は農家として働いている。

農家として生活しながらもツアーガイドとして働くことで収入を得ているのだそうだ。

かなり歩いてきた。周りは全て畑。

いや~それにしても暑い!気温は35度を超え、何よりもつらいのは直射日光。カリブの殺人的な太陽光線は容赦がない。じりじり焦がされているかのよう。

そんな中ガイドさんがふとぼくに話しかけてきた。

「キューバといえば隆弘さんは何を思い浮かべますか?」

―う~ん、野球ですかね!

「そうです!野球です!私も野球が大好きです。

子供の時からずっと野球をしてきました。

ですが、私の子供は野球をすることができません。」

―え? なぜですか?

「グローブが買えないんです。」

―?

「ソ連崩壊後、キューバは物資がなくなってしまいました。だから、そもそもグローブがないんです。今、この国には。

野球はかつてのように気軽に親しめるスポーツではなくなってしまったのです。

だから今の子供たちは仕方なくサッカーをしているのです。」

ぼくはその言葉を聞いてはっと思い出した。

たしかにぼくはハバナの街中で野球どころかキャッチボールをしている子供たちを一度も見なかった。

ぼくが見たのはサッカーをしている子供たちだけだったのだ。

「キューバ人にとって野球は単なる一つのスポーツで済まされるようなものではありません。

私は今でも野球が大好きです。キューバの国技です。

しかし私たちの子供世代にはそれを伝えることができません。

本当に悔しいです。」

―そんな状況になっていたのですね・・・となると今後キューバは野球大国ではなくなってしまうかもしれないですよね。この状況では若手が育ちようがない・・・

「そうです。その通りです。グローブもないようなこの国のやり方はおかしいです。」

ハバナでガイドをしてくださったダニエルさんとは違い、このガイドさんは明らかにキューバの現状に対して怒りを感じているようだった。

ハバナの都市部に住む人たちと、田舎で農家として生きている人々。

やはり考え方、感じ方は違うのだろう。

日本だってそうだ。東京と地方ではまったく違った状況の中それぞれが暮らしているのだ。

ガイドさんとお話ししながらもひたすら歩き続ける。

それにしても暑い・・・さすがに限界だ・・・水を持ってくればよかったと激しく後悔する。

―すみません。水を飲める場所はありますか?喉が渇きました!

「もう少しで農家さんの家に着きます!そこでゆっくり休んでパイナップルを食べましょう!」

「いや・・・ぼくが欲しいのはパイナップルじゃなくて水なんだけど・・・」という声をぐっとこらえつつぼくはなんとかガイドさんの後ろを付いていく。

熱中症で倒れるんじゃないかと本気で心配し出した頃、ようやく目的地の農家さんの家に到着。

向こうにぽつんと立っているのが農家さんの小屋。

やっと着いた・・・!助かったぞ!

「さあ、パイナップル食べましょう!おいしいですよ!」

「いや・・・まず先に水を!」という突っ込みを入れたくなったがここもなんとかこらえたぼくであった。

続く

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