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絶景!朝のドブロブニク城壁巡り!アドリア海の真珠を堪能! クロアチア編②

目次

本日は晴天!アドリア海の真珠と朝のドブロブニク城壁巡り 僧侶上田隆弘の世界一周記―クロアチア編②

5月7日。

激しい雨だった昨日とは打って変わり、本日は晴天!

これは期待できそうだ。

宿を出て景色を見てみるとすぐに気づく。

昨日とは景色がまるで違う。

これには驚いた。

天気次第でこんなにも変わるものなのか!

昨日のドブロブニク

昨日のどんよりした景色とは輝きが違う。

期待が高まる。

今朝はこれからドブロブニクの城壁巡り。

ドブロブニクに来たら必ず行くべきと紹介されるほどの絶景だそうだ。

入場は8時から。

ぼくはその時間に合わせて入場した。

旧市街入り口のプロチェ門からすぐのところに城壁の入り口はある。

エントランスで入場料を支払い、城壁へとつながる階段を上っていく。

料金はおよそ3200円。

正直、かなり高い。

バチカン美術館の通常チケットでも2000円ほどだと考えると、これはかなり強気な値段設定とも言える。

どうやらかつてはこの半額ほどの値段だったそうだがここ数年の観光客の爆発的な増加でドブロブニクの物価が急騰しているそうなのだ。

需要と供給のバランスが物価を決めるならばそれも仕方あるまい。

そう言えばサラエボのBEMI TOURの松井さんもそのことを言っていたのを覚えている。

クロアチアは商魂たくましいです。かつてと比べたら物価は3倍くらいにもなりました。取れるだけ取ろうというのがはっきりしている国ですねと。

同じ旧ユーゴスラビアでもクロアチアとボスニアでは経済状況が目に見えて違う。

雲泥の差だ。

クロアチアに来てすぐにそれを実感することとなった。

さて、階段を上り切り、城壁を歩き始めるといきなりアドリア海の見事な絶景がぼくの目に飛び込んでくる。

ヨットハーバーの景色と旧市街の歴史ある建物が絶妙に調和している。

これは価値がある!本当に素晴らしい!

一気にテンションが上がる。ぼくは一瞬でこの景色に魅了されてしまったのだ。

いきなりでこうだ。これがこのあとずっと続くのだとしたら・・・

ぼくはこの時点ですでに確信した。

3200円は妥当であると。

いや、それ以上の価値があると言ってもいい。

あぁ、なんと素晴らしい景色だろう・・・

そして改めて思う。

太陽の光がこんなにありがたいとは。

昨日とはまるで別人のようにドブロブニクは光輝いている。

天気が気分に与える影響は絶大であることをこの時ぼくは実感した。

昨日のどんよりした天気はぼくの気分そのものだった。

ボスニアで打ちひしがれ、恐怖で苦しんだ日々。

そして気持ち新たにクロアチアへ出発したものの、まだまだ不安でいっぱいだったぼく。

予定通り行かないバス移動にも疲れ切り、その体のまま不安を抱えて一人で街歩きをした昨日。

そんな状態で見たドブロブニクは正直、そこまでの魅力を感じるものではなかったのだ。

あぁ、こんなものか・・・とぼくは無感動になっていた。

そう。感動する心を失ってしまっていたのだ。

それが今やどうだ。

ものすごく心がうきうきしている。

楽しい!身体が軽い!これまで抱えていた不安や恐怖、緊張感などどこかへ吹き飛んでしまっていたのだ!

これは驚くべき変化だった。

天気は人間の気分に大きな影響を与える・・・

だとすればずっとこういう気候の地域に住んでいれば自ずと明るい性格の人が多くなるのでは?

となるとラテンの人々や中南米カリブ海に住む人々の陽気さもなんとなく納得できるような気もする。

逆にロシアのように年間のほとんどが曇り空で厳しい寒さに耐えなければならない地域では、ドストエフスキーのような世界最高峰と称えられる重厚な作風の小説が生まれてくる土壌があるのかもしれない。

実際『カラマーゾフの兄弟』や『罪と罰』の陰鬱さを考えてみると、気候や風土の影響が大きいのではないかとつくづく思う。

天候と人間の気分、そして性格。

これは考えてみる価値があるテーマではないだろうか。

いずれ改めて記事にして考えてみたいと思う。

話はそれてしまったが、ドブロブニクの見事な晴天と圧倒的な景観はぼくの陰鬱な気持ちを一瞬で消し去ってくれた。

城壁は旧市街の周りををぐるっと囲んでいる。

城壁は屋根より少し高いくらいの位置かと思えば、階段を上り一気に旧市街を見下ろせる高さにまで到達する。

間近で見る旧市街の美しき赤い屋根と、上から見る旧市街全体のパノラマ。

城壁巡りはその両方を楽しむことができるのだ。

開門と同時に入場したので人もまだまばら。

そのため自分のペースでゆっくり歩ける。

日中は団体ツアー客も訪れるのでかなり混雑するらしい。

朝の清々しい時間にのんびり散歩することをお勧めする。

旧市街のメインストリート、プラツァ通り。

道の両側にはずらりと飲食店やお土産屋さんが軒を連ねている。

夜遅くまでここは多くの観光客で賑わっている。

城壁巡りも半分以上進んできた。

海側はこのようにちょっとハラハラするような道が続いている。

腰から上は完全に城壁の上に出てしまっている。

突風が吹いたら、海に落ちてしまうのではないかとぼくは不安になってしまう。

悲しいかな、高所恐怖症の性である。

まあ、落ちることはまずないので安心して楽しんでいただきたいと思う。

城壁の海側にはカフェがあるので疲れたときはここで休むことができる。

こんな席までご用意されている。

城壁の隙間からアドリア海を眺めながらゆっくりと時を過ごす。

なんと優雅なひと時だろう。

アドリア海を眺めながらのコーヒーは最高の気分だった。

そしてこの城壁巡りでぼくが一番感動したのがこの景色だった。

海面に反射する光がまるで弾ける光の粒のように見える。

その光の粒が目の前で無数に輝き、それらが海面を覆いつくす。

アドリア海の真珠とはよく言ったものだ。

光の粒がまるで真珠のように光輝く。

あまりの美しさに、ぼくはこの場を1時間以上も離れることはできなかった。

面白いことにこの光の現象は、太陽の真向かいにあってなおかつ海面の状況が絶妙な時じゃないと起こらないようだ。

太陽の正面からちょっとずれたところではもはや光らないし、ちょっと海面の状態が違ったりすると光の粒ではなく筋状になったり、そもそも光の反射が起こらなかったりする。

ぼくは絶妙なタイミングでこの現象と対面できたらしい。

ドブロブニクの城壁巡り、思いのほか素晴らしかった。

あまりにも素晴らしかったので、ぼくはまたサンセットの時間にも行くことにした。

これは世界中から賞賛されるのも納得の絶景だった。

続く

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この記事を書いた人

真宗木辺派函館錦識寺/上田隆弘/2019年「宗教とは何か」をテーマに80日をかけ13カ国を巡る。その後世界一周記を執筆し全国9社の新聞で『いのちと平和を考える―お坊さんが歩いた世界の国』を連載/読書と珈琲が大好き/

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