ボスニア・モスタルからクロアチアのドブロブニクへバス移動 クロアチア編①
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ボスニア・モスタルからクロアチアのドブロブニクへバス移動 僧侶上田隆弘の世界一周記―クロアチア編①
5月6日早朝。
モスタルのバスターミナルへ。
10日間にわたって過ごしたボスニアともいよいよお別れ。
これから向かうはクロアチアのドブロブニク。
モスタルからはバスの時刻表では3時間で着く予定なのだが、話によると大概大幅に遅れるらしい。
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バスターミナルは寂れた雰囲気で少し不安になる。一人でここに待機するのはちょっと恐い。
そして案の定、バスは時間になってもやってこない。
窓口に聞いても、「私にはわからない。とにかく待て」の一点張り。
なるほど、こうやって時間が押していくのか。
まあ、海外では時間通りに進む方が珍しい。
気にせずのんびり構えていこう。
それにしても、こういう海外での窓口対応一つを見ても日本の接客があまりに特殊であることを思い知らされる。
日本では遅延したときは駅員さんや空港の地上係さんはとにかく丁寧に謝罪する。
天候不順なんて彼らのせいではありえないのに、「ご迷惑おかけしまして申し訳ありません」と頭を下げる。
それに対して海外の駅員さんや空港カウンターのふてぶてしさは面食らってしまうほどだ。
聞きに行くと逆ギレされることもある始末。
「私のせいじゃない。こっちだって迷惑してるのよ」と言わんばかりの対応だ。
文化の違いはつくづく面白い。なんでこんなに違うのだろう。
いつか研究してみたいテーマのひとつだ。
さて、20分遅れでバスがようやく到着。
さあ出発だと思いきやトイレ休憩なのかなんだかわからないがなぜかこのターミナルでさらに15分ほど謎の停車。
もはや笑ってしまう。
もう遅れてることなんて全然気にしてないじゃないか!
休む時は休むんだ!何が悪い!と言わんばかりの姿勢にはもはや清々しさすら感じてしまう。
そりゃ時間通りに着くわけがない。
ま、これもボスニア体験ということで楽しむことにしよう。時間ならたっぷりある。
さてさて、改めて本日の目的地ドブロブニク。
ドブロブニクはアドリア海の真珠と呼ばれる美しい街。
『魔女の宅急便』のモデルになった街とも言われている。
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アドリア海沿岸まで到着。
さすがアドリア海。海の色が違う。天気が良ければもっと美しいブルーになりそうだ。
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予定時刻から1時間半ほど遅れでドブロブニク郊外へ到着。
ドブロブニクは世界的に有名なリゾート地。
港には巨大なクルーズ船が停泊していた。
そして間もなく港付近のバスターミナルに到着。
到着して驚いたのだがなぜかぼくのチケットに記載されている場所と違う。
ぼくは地図にあるようにピレ門というもっと先の旧市街近くのバスターミナルで降りるはずだったのだ。
しかし運転手さんに聞いてもここが終点だ、そんなところには行かないとあっさりはねのけられてしまう。
う~む、一体どうなってるんだ?・・・チケットの記載が間違っているのか?
まあ、考えても仕方ない。自力でここから行くしかない。
タクシー乗り場を探して、宿に向かう。
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さて、旧市街近くの宿になんとか到着。
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ご覧の通り、宿というか普通の民家のような雰囲気。
だが、実はここは本当に民家なのだ。実際に住民が住んでいる家の一部屋を借りて宿泊する。
ドブロブニクではホテルの数が足りず、カサと呼ばれる民泊が観光客の宿泊需要に応えているのだ。
カサの利点はホテルと比べてかなりリーズナブル。
そして立地もよく、見晴らしにもこだわっているカサも多い。
そのため下手にホテルを選ぶよりもずっといい部屋と出会えることもあるのだ。
もちろん、民泊なのでオーナーさんとのやりとりが必要というデメリット?もあるが、現地の人と話をするいい機会と思えばこれも楽しい思い出になる。
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テラスからの眺めも完璧だ。
世界遺産のドブロブニク旧市街をばっちり眺めることができる。
だが、到着してすぐに怪しい雲が空を覆い始める。
その数十分後には激しい雨が降り始めた。
これは観光どころではなさそうだ・・・
しばし待機。
夕方になるとようやく雨が落ち着き始める。
ぼくのいる宿は旧市街の入り口、プロチェ門から徒歩で東へ5分少々の場所。
この門から入るとそこはもう世界遺産の旧市街だ。
まだ雲は多いがさくっとそこまで歩いてみよう。
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ついさっきまでの雨で路面は濡れている。
またいつ降ってくるかわからない。ちょっと速足。
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こちらがバニェ・ビーチ。夏のバカンスシーズンはここが人で埋め尽くされるくらい大人気だそう。
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プロチェ門に到着。ここから旧市街に入っていく。
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城壁を抜けるとすぐそこにはヨットハーバーが。
ぼくはこういう景色が大好きだ。
故郷の函館を思い出す。
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旧市街のメインストリート、プラツァ通り。
さっきまでの雨のせいか少し寂しい雰囲気。
今日はここまでにしておこう。またいつ雨が降ってくるかわからない。
幸い、明日は晴れの予報。
明日じっくりと観光することにしよう。
この翌日、晴天によって驚くほどの豹変ぶりを見せたドブロブニクにぼくは圧倒されることになる。
続く
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