ヴルタヴァ川クルーズと川のほとり~美しきヴルタヴァ川の流れ チェコ編⑬
ヴルタヴァ川クルーズと川のほとり~美しきヴルタヴァ川の流れ 僧侶上田隆弘の世界一周記―チェコ編⑬
プラハでの日々は天候にも恵まれ、散策をするには最高のコンデションで毎日を送ることができた。
そんな中でもいつもぼくの心を明るくしてくれたのがヴルタヴァ川だった。
そしてこのヴルタヴァ川ではたくさんのクルーズ船が運航している。
橋からはいつもたくさんの船がこの川を行き来しているのを見ることができた。
今日はぼくもその船の一つに乗り込んで、美しき川の流れを堪能することにしてみたのである。
カレル橋近辺にはいくつものクルーズ会社があり、豪華な大型クルーズ船もあれば、小型船での遊覧を売りにしている会社もある。
ぼくはこの「Prague Venice」という、小型の船で遊覧するタイプの会社のクルーズに参加してみることにした。
というのも、先日お世話になったガイドさんに、この会社のクルーズが1番景色を見やすいとおすすめされていたからだ。
早速チケットを購入し船の乗り場に行ってみる。
たしかに小型の船だが、逆に雰囲気があっていい味を出している。
ガイドさんいわく、たくさんの人が乗船する大型の船だと、いい場所を確保できなかった場合、満足に景色を楽しむことすらできないということらしい。
さらに、この船は大型クルーズ船と違って目線が低い。
そのため、より水面の近くから景色を眺めることが出来るので、ヴルタヴァ川を感じるにはこちらの方がおすすめとのことだそうだ。
いよいよ出発。
たしかにこじんまりとした船なので窓からの景色がとても見やすい。
ガイドさんの言う通り、水面がすぐそこなので川の涼しさを感じることができた。
川の上から眺めるプラハの街並みもやはり格別だ。
その美しい景色に自然と笑みがこぼれてしまう。
下から見たカレル橋。
いつもとは違った角度から見ることができるのもクルーズの醍醐味だ。
ヴルタヴァ川の上流を眺める。
のどかな風景に心が和む。
このクルーズでは川沿いの水路にまで行くことができる。
大型クルーズ船では絶対できない体験だ。
少しの時間ではあるが、街中の水路をゆっくり進みながら観光できるのがこのボートツアーの売りの一つだ。
だいたい45分から1時間弱でクルーズは終了する。
時間もほどよく、ちょうどよい。
非常に大満足。
いい時間を過ごせたなと心の底から思えた。
プラハ観光の際はぜひこのボートツアーに参加してみてはいかがだろうか。
さて、ボートクルーズの後は、トラムを使ってヴルタヴァ川の少し上流の方までやってきた。
ここはカレル橋からは上流に向かって3つ目の橋があるエリアだ。
ここからのんびりカレル橋方面に向かって散歩をしてみることにする。
橋を渡り始めると対岸に大きな船が泊まっているのが見える。
よく見るとレストランとして使われているようだ。
橋をさらに進んで行くと川岸が見える。
若い男女が並んで座っている。
まるで京都の鴨川のようだ。
ほのぼのした空気が漂っている。
川沿いを歩いて行くと様々な建物と出会うことになる。
左は現在レストランとして使われているそうだが、本当に絵になる風景に事欠かないのがプラハなのだ。
もう少し進んで行くと、川の中に中州があるエリアに差し掛かる。
この中州がまた素晴らしかった。
中は公園のようになっていて、のどかな雰囲気に包まれている。
ここからぼんやりと眺めるヴルタヴァ川は格別だった。
カレル橋付近で眺めるヴルタヴァ川ももちろん美しいが、そこから少し離れた緑豊かなヴルタヴァ川のなんと美しいことか。
時間を忘れて見入ってしまった。
別の中州では目の前をレンタルボートで楽しむ観光客が横切っていく。
ここも静かで心落ち着く場所だった。
やはり川はいい。
でも、なぜこんなにもヴルタヴァ川に惹かれるのだろう。
そんなことをぼんやりと考えながらヴルタヴァ川を眺めていると、ふと思い出すものがあった。
それは、京都の鴨川だった。
ぼくが大学院生だった頃、大学のすぐそばに鴨川が流れていた。
家からも自転車で10分もかからない距離。
鴨川と言えば京都四条河原町と祇園を結ぶ四条大橋からの景色だろう。
ぼくも四条の鴨川を歩くのは大好きだ。
しかし、ぼくが最も愛する鴨川はそれよりももっと上流。
いつもぼくが歩いていた自然あふれる鴨川だ。
と言っても、四条大橋から北へ2kmほどの距離なのだが驚くほど景色が違う。
ここで四条大橋からだいたい1km地点。
1kmでこの景色なのでそこからさらに進んだらもっと自然豊かな雰囲気になることが想像できると思う。
手元にある写真がこれしかなかったのでお伝えできるのはここまでなのだが、この鴨川がぼくは大好きだ。
楽しかった時も辛かった時も、嬉しい時も悩んだ時も、ぼくはよくこの川沿いを歩いていた。
何かに迷って考え事をする時も、よく鴨川に足を運んだことを思い出す。
鴨川はぼくの京都時代を象徴するものだ。
ぼくにとって京都で学べた2年間は本当に素晴らしい時間だった。
きっとその時の素晴らしい経験がぼくの原体験となって、心の中にいつも存在しているのだろう。
だからこそ、それを思い起こさせるようなヴルタヴァ川にこれほど惹かれるのかもしれない。
ヴルタヴァ川はカレル橋のみにあらず。
ぜひそこから少し離れてのんびりと散歩してみてはいかがだろうか。
旧市街の賑やかなプラハとはまた違ったプラハの顔を見ることができるだろう。
続く
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