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降り注ぐ魔法の光!プラハの象徴プラハ城と荘厳たる聖ヴィート大聖堂 僧侶上田隆弘の世界一周記―チェコ編⑤
さて、これからプラハの象徴たるプラハ城に入っていこう。
プラハ城は9世紀半ばからボヘミア王がこのフラチャニの丘に居城を構え、14世紀のカレル4世によって今の姿がほぼ整えられた城だ。
プラハ城はその広大な敷地内に聖ヴィート大聖堂、旧王宮、聖イジ―教会、黄金小路など様々な施設を擁している。
プラハ城の入り口はいくつかあるのだが、ぼくは城の西端にあるフラチャニ広場の入り口から入城した。
これがフラチャニ広場から見たプラハ城入り口。
実際はここから左に行った所にセキュリティチェックと入場口があり、そこから入っていくことになる。
プラハ城の最大の見どころは何と言っても聖ヴィート大聖堂だ。
プラハ城の敷地の中でも一際目立つ建物だ。
実際、モルダウ川対岸からの景色で最も目を引くのはこの聖ヴィート大聖堂。
遠くからでもこの存在感である。
だとしたら近くで見たらどれだけの迫力なのだろうか。
では、その大聖堂を近くから見てみよう。
広場を下がれるだけ下がってなんとかかんとかぎりぎり写真に収まるほどの大きさ。
これは川岸から見える大聖堂と同じ面。
ただ、これは聖堂の側面部分であって正面ではない。
正面は聖堂前の広場が狭く、写真を撮るのが不可能なくらい目の前にそびえ立っている。
それでもなんとか写真に収めようと、座って写真を撮ったり寝転がってまでカメラを構える人が続出するほどだ。
どうだろう。この圧倒的に映りきらないお姿。
正面から一応撮ってはみたものの、こうなってしまう。
ちなみにぼくはしゃがんでも寝転んでもいないということは付け加えておこう。
正面の入り口から入場していく。
中はひんやりとした空気が流れている。
そして目の前には圧倒的な空間が広がっていた。
とにかく広い!そして何より驚いたのが天井の高さだ。
柱が天井にまで伸びていく姿がなんとも荘厳な雰囲気を作り出している。
巨大な窓からは光の筋が差し込んでくる。
そしてこの大聖堂で有名なのはステンドグラス。
その中でも特に名高いのがこちら。
日本でも知られているミュシャによる作品だそうだ。
ミュシャと言えばこの画風。
これは同じくプラハ市内にあるミュシャ美術館のものだが、たしかにこのステンドグラスにもその面影を感じることができる。
この聖ヴィート大聖堂ではこのように多くの窓にステンドグラスが施されている。
そのステンドグラスはそれそのものの美しさもさることながら、もう一つ重要な役割を果たしている。
それはどのような役割かというと、
このように窓から差し込んだ光に色彩を与える効果があるのだ。
これによって堂内に様々な色の光が降り注ぐことになる。
かつての電気もライトもなかった時代では、これはまさしく光の魔法のように見えたのではないだろうか。
聖堂の奥の方は黄色い光が注ぎ込むようにできている。
場所によって様々な色の光が差し込むように工夫されているのだろう。
非常に素晴らしい。
さすがプラハ城のシンボル。外見だけでなくその内側までも美しさは健在だ。
聖ヴィート大聖堂を出て先ほどの広場に戻ってきた。
素晴らしい教会の姿を見られるとあって、ここはいつも人で賑わっている。
この後は、旧王宮、聖イジ―教会、黄金小路をまとめてご紹介したいと思う。
続く
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