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中東のビーチリゾート、テルアビブで見た最高の夕陽!僧侶上田隆弘の世界一周記―イスラエル編㉑
4月10日。
今日はこれからエルサレムの街を出発し、イスラエルの首都テルアビブに向かう。
テルアビブと言えば首都移転問題で日本でも大きなニュースになった街だ。
そして事前に調べてみると、ここテルアビブは中東で最もヨーロッパを感じさせる一大ビーチリゾートだと言うのだ。
中東と言えば砂漠。
そんなイメージがあったのだが、どうやらテルアビブは地中海に面した一大ビーチリゾートらしい。
宗教の聖地エルサレム、そして中東の砂漠。
そんなイメージを覆す世界がおそらくここにはあるのだろう。
ぼくはそんな思いからイスラエル滞在の最後の1日をここで過ごすことにしてみようと思い立ったのだ。
エルサレムの旧市街からトラムに乗り、新市街のセントラルバスセンターまでやって来た。
ここからバスに乗り、およそ1時間ほどでテルアビブの中央部まで行くことができる。
バスに揺られること1時間。
テルアビブに着くとその街並みはとてもモダンでおしゃれな街だった。
エルサレムの新市街をさらに都会っぽくしたような雰囲気だ。
ホテルに荷物を置き、早速ビーチに向かう。
ビーチに面する通りはすでにリゾートを感じさせる。
海からの風が心地よい。
さあ、ビーチの方まで歩いてみよう。
するとそこには美しい砂浜と高層ビル群が立ち並ぶ光景が広がっていた。
目の前の海は地中海。
初めて目にする地中海がイスラエルからのものになるとは旅を計画するまではまったく想像もしていなかった。
ビーチは多くの人で賑わっていた。
観光客だけではなく、おそらく現地の人もここも訪れているのだろう。
散歩をしていたり、ジョギングしている人もたくさん見かけた。
ここはテルアビブ市民にとっても憩いの場所なのだろう。
時刻は夕暮れ近い。
ぼくはカフェに入りサンセットの時間を待つことにした。
そして、日が傾き始める。
ちょうどこのビーチは西向き。
つまり美しいサンセットを楽しむことができるのだ。
期待通り、カフェからゆっくりと沈んでいく太陽を眺めることができた。
まさかイスラエルでこのような景色と出会えるとは・・・
ぼく達日本人が思っているイスラエルとはまるで違う世界だ。
同じイスラエルでもエルサレムとは全然違う。
エルサレムはやはり独特な街だったのだろう。
でも、よくよく考えてみたら日本だって地域によって全然違う顔がある。
違うことを当たり前のようにしてぼくらは生活している。
イスラエルだってきっとそうなのだろう。
ただぼく達が普段得られる情報が少なすぎる、あるいは目に入らないが故に、イメージだけが先行してしまう。
実際に行ってみないとわからないことが多々あるものだということを改めて実感したのであった。
今日はイスラエルで過ごす最後の夜だ。
明日は悪名高いテルアビブ・ベングリオン空港の出国という山場がある。
それさえ越えてしまえば、あとはウィーン経由でポーランドに入国だ。
さぁ、明日は無事移動できるのだろうか。
不安を抱きながらイスラエル最後の夜を終える。
続く
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それに間に合わないとものすごく怒られるという。
それもそのはず、検査が何重にも行われ、荷物の中身もかばんを開けて全部チェックするという徹底ぶり。
そしてイスラエルで何をしていた?とかその荷物は誰がパッキングした?などたくさんの質問を受けることになる。
少しでも怪しいと別室送りになるというなんとも不安にさせるような情報もあった。
そんなベングリオン空港にこれから向かいます。
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