スコットランド

イギリス・ドイツ文学と歴史・文化

ジェイムズ治美『緋衣の女王』~悲劇的、あまりに悲劇的なスコットランド女王メアリの生涯を知れるおすすめ伝記

悲劇的、あまりに悲劇的!

この伝記を読んで私は思わず頭を抱えてしまいました。

こんなに悲劇的な人生があるだろうかと思わず涙が出そうになってしまいました。

この伝記で描かれるメアリ・ステュアートがあまりに魅力的で、こんな偉大な人物がどうしてここまで悲劇的な目に遭わなければならないのかと運命を恨みたくなります。

この伝記はぜひぜひおすすめしたいです。ジェイムズ治美さんの語り口も素晴らしく、あっという間に引き込まれてしまいました。この本を読めばイギリス・スコットランドの見え方が変わってくるほどです。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

マルクス・エンゲルス著作と関連作品

中嶋洋平『社会主義前夜-サン=シモン、オーウェン、フーリエ』~マルクスによる空想的社会主義者のレッテルは不当だった?

マルクス・エンゲルスによって「空想的社会主義者」のレッテルを張られたサン=シモン、オーウェン、フーリエ。この本はそんな三人がはたして本当に空想的な社会主義者だったのかということを見ていく作品になります。

上の本紹介にもありますように「空想的でも社会主義でもない」その実態を知ることができる刺激的な作品です。

愛すべき遍歴の騎士ドン・キホーテ

T・ブルフィンチ『新訳 アーサー王物語』あらすじ解説と感想~イギリス中世騎士物語の王道!ドン・キホーテとのつながりも

この本は膨大な『アーサー王物語』の大まかな概要を掴むためのガイドブックとして編集された作品になります。

これはぜひおすすめしたい作品です。物語もドラマチックで楽しむことができました。この物語が現代のファンタジーやゲーム作品などにも大きな影響を与えているというのも納得です。聖剣エクスカリバーや聖杯伝説などは現代を生きる私たちにとってもワクワクさせるものがあります。物語展開の王道中の王道とこの作品は言えるのではないでしょうか。

『ドン・キホーテ』との繋がりを考えながら読むのも興味深かったです

愛すべき遍歴の騎士ドン・キホーテ

M・J・ドハティ『図説アーサー王と円卓の騎士』~アーサー王物語の概要と歴史を学ぶのにおすすめの解説書!

中世の騎士物語といえば「アーサー王物語」は外すことができません。

「アーサー王物語」といえばその内容は知らずとも一度は聞いたことがある名前ですよね。

そして実はこの物語の中であの有名な「円卓の騎士」や「聖杯伝説」、「聖剣エクスカリバー」が語られます。これは興味深いです。

図版も多数ですので視覚的にも優しい作りとなっていますので読みやすさも抜群です。

アーサー王入門に最適の一冊だと思います。これは非常にありがたい作品でした。

ぜひおすすめしたいガイドブックです。

マルクス・エンゲルス著作と関連作品

ロバート・オウエン『オウエン自叙伝』~イギリスの空想主義的社会主義者の第一人者による自伝

社会主義者というとマルクスやエンゲルスなどのイメージで革命家とか経済学者、哲学者のイメージがあるかもしれませんが、オーウェンは全く違います。彼は根っからの商人であり、実業家でした。

彼が自分の工場でなした改革は今でも評価されるほど人道的でした。

資本家はあまねく強欲であり、労働者を搾取する悪人だという考え方には明らかに収まりきらないものがオウエンにはあります。

この『オウエン自叙伝』ではそんなオウエンがなぜそのような思想に至るようになったのか、彼の原動力とは何だったのかを知ることができます。読めばきっと驚くこと間違いなしです

マルクス・エンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ

「マルクス・エンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ」記事一覧~マルクスは宗教的な現象なのか、時代背景と思想形成から考える

今回の記事では「マルクスとエンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ」シリーズと題して紹介してきた全69回の記事をまとめていきます。

これらを読めばマルクスとエンゲルスの思想が生まれてきた背景をかなり詳しく知ることができます。 そしてこれはマルクス・エンゲルスを知るだけではなく、宗教、思想、文化、政治、いや人間そのもののあり方についても大きな示唆を与えてくれることでしょう。

関連記事も合わせると70記事以上の大所帯になりますが、このシリーズの目次としてこの記事を利用して頂けましたら嬉しく思います。

マルクス・エンゲルス著作と関連作品

エンゲルスの代表作『空想より科学へ』~マルクス主義の入門書としてベストセラー!マルクス主義は宗教的現象か

難解で大部な『資本論』と、簡単でコンパクトな『空想から科学へ』。

この組み合わせがあったからこそマルクス主義が爆発的に広がっていったということができるかもしれません。

「マルクスは宗教的な現象か」というテーマにおいてこの記事では私の結論を述べていきます。エンゲルスはこの作品においてとてつもないことを成し遂げました。

この作品はマルクス思想を考える上で『資本論』と並んで決定的な意味を持つ作品です。ぜひ読んで頂きたい記事となっています

マルクス・エンゲルス著作と関連作品

エンゲルス『反デューリング論』概要と感想~マルクス主義伝播に巨大な影響を与えたエンゲルスの代表作

『反デューリング論』はマルクス主義の重要解説書として非常に重視されてきました。マルクスの著作、特に『資本論』は膨大で難解過ぎました。そんな書物のエッセンスを抽出し、マルクス主義をわかりやすく解説したものとして出版されたのがこの本です。

たしかにこの本は読みやすいです。

超難解な『資本論』に対してこうしたわかりやすくてドラマチックな物語が書かれた『反デューリング論』という存在があったことがマルクス主義の伝播にどれほど役に立ったかは計り知れません。

マルクス・エンゲルス著作と関連作品

アダム・スミス『国富論』概要と感想~「見えざる手」で有名な古典経済論。資本主義の暴走はこの本のせい?

この本が書かれたのはマルクスが『資本論』を書くおよそ90年前です。マルクスは当然アダム・スミスの著作も読んでいました。

マルクスといえば資本における独自な理論や「剰余価値」などの有名な言葉を生み出したというイメージがありましたが、それらは彼が突然「歴史上誰も考えたこともない新説」を思いついたわけではなく、こうした経済学の歴史の流れで彼が到達した考えなのだなということを知ることができました。

マルクス・エンゲルス著作と関連作品

堂目卓生『アダム・スミス』概要と感想~「見えざる手」の誤解を解くおすすめ参考書

この作品はスコットランドの経済学者アダム・スミスの『道徳感情論』と『国富論』についての参考書です。

アダム・スミスといえば「神の見えざる手」で有名です。

しかしこの「見えざる手」が通俗的な理解では誤解されているというのがこの本で学ぶことができる最大のメリットです。

アダム・スミスが『国富論』で本当に言いたかったのは何だったのか。それをこの本でじっくりと見ていくことになります。