仏教書データベース

チョコレートの歴史スリランカ、ネパール、東南アジアの仏教

河出文庫『チョコレートの歴史』~マヤ文明から遡ってチョコの起源とその歴史を学べるおすすめ作品!

本書は私達にも身近なチョコレートの歴史をなんと、紀元前のマヤ文明にまで遡り見ていくという大スケールの作品となっています。

私が本書を手に取ったのはスリランカの歴史を学ぶ中で紅茶とコーヒーの西洋流通について調べていたのがきっかけでした。紅茶とコーヒーとチョコレートはほぼ同時期に西洋に入り、飲み物として親しまれていた。そしてこのプランテーションや貿易の展開はヨーロッパとアジアの思想を考える上でも非常に大きな意味があると考え私はチョコレートの歴史も学んでみたいと思ったのでした。

そんな時に出会ったのが本書『チョコレートの歴史』です。私はこの本に一目惚れでした。

甘さと権力スリランカ、ネパール、東南アジアの仏教

シドニー・W・ミンツ『甘さと権力 砂糖が語る近代史』~砂糖はいかにして世界を変えたのかを問う名著!

砂糖もはじめから今のように人々の間で消費されていたわけではありません。

ヨーロッパで流通しはじめた頃には香料や薬として使用され、王族などの圧倒的な権力を持つ極一部の人しか所有することができませんでした。

私達の身近に当たり前のように存在している砂糖を通して世界の成り立ちを考える非常に刺激的な作品です。砂糖が当たり前の存在になるにはとてつもない変遷があったのでした。私達の当たり前を問う素晴らしい作品です。「モノを通して世界史を語る先駆けとなった世界的名著」と紹介されていたのも大いに納得です。

ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

スパイスの人類史スリランカ、ネパール、東南アジアの仏教

A・ドルビー『スパイスの人類史』~インド・スリランカのスパイスの歴史を知る上でもおすすめ!

この本は単にそれぞれのスパイスを見ていくだけでなく、世界の歴史の流れと関連付けて語られる点にその特徴があります。

まさに私が求めていた本そのものです。

それぞれのスパイスの原産地はどこか、いつ頃から栽培され始めたのかという基本情報はもちろん、そのスパイスと人間の関わり合いを知れるのはとても刺激的です。

歴史や文化に興味のある方はもちろん、スパイスが好きな方にも特におすすめしたい作品です。

スパイスが苦手な私ですら興味津々で読めたので、スパイス好きな方でしたらもっと楽しめる作品ではないかと思います。

茶の世界史スリランカ、ネパール、東南アジアの仏教

角山栄『茶の世界史』~紅茶はなぜイギリスで人気になったのか。茶から見る世界覇権の歴史を学ぶのにおすすめ!

本作はイギリスの紅茶の歴史と文化を知るのにおすすめの作品です。

しかも単にイギリスの紅茶史の変遷を見ていくのではなく、日本や中国、インド・スリランカといった世界とのつながりからその流れを見ていけるのが本書の特徴です。

これは面白い本です。茶を通して世界の歴史を学べる素晴らしい一冊です。

インドやスリランカの紅茶について知りたいと思い手に取った本書ですが、これは大当たりでした。ぜひぜひおすすめしたい作品です。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

紅茶のふる里スリランカ、ネパール、東南アジアの仏教

鈴木睦子『スリランカ 紅茶のふる里』~セイロンティーの歴史や現在の農園生活や経営事情を知れるおすすめ本!

これまで現代スリランカに関しては内戦や民族対立の面から見ることが多かった私にとってこの本は一種の解毒剤のようなものとなりました。

様々な困難がありながらも少しずつ状況を良くしようと生きている人たちがいる。そしてその成果が少しずつ目に見えるようになってきたということが本書には記されています。

もちろん、これで万事解決、バラ色の未来が待っているというわけではありません。ですがそれでも希望はあるのだということをこの本で感じられました。

スリランカの紅茶についてももっと興味が湧くようになりました。現地で飲めるのがものすごく楽しみです。

聖地スリランカスリランカ、ネパール、東南アジアの仏教

青木保編著『聖地スリランカ—生きた仏教の儀礼と実践』~現地での実際の宗教実践を詳しく知れるおすすめ作品

本書はとても読みやすいです。宗教実践の現場をそこにいるかのように読み進めることができます。

また、写真も豊富ですので現地の雰囲気もイメージしやすいです。儀式そのものの写真もそうですが街並みの写真も風情があってとても印象に残っています。スリランカに行きたくなる写真が満載です。

本書もスリランカ仏教を知る上でとてもおすすめな作品です。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

スリランカの大乗仏教スリランカ、ネパール、東南アジアの仏教

森祖道『スリランカの大乗仏教』~上座部仏教で有名なスリランカに大乗が根付いていた!観音菩薩像の変遷も

スリランカといえば上座部仏教というのが当然視され、大乗仏教の存在はほとんど顧みられることはありませんでした。

そして実際にスリランカの大乗仏教の流れ自体は十二世紀後半に途絶えてしまうのですが、文化というのは面白いもので「公式には消滅したとしても、形を変えて生き続ける」ということが起こり得ます。

それがこの記事のタイトルにも書きましたように観音菩薩の変遷という現象となってスリランカに溶け込んでいたのでありました。

いや~スリランカは面白い!この本も非常に刺激的な一冊でした。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

スリランカの宗教と社会スリランカ、ネパール、東南アジアの仏教

鈴木正崇『スリランカの宗教と社会』~文化人類学の視点から見たスリランカ仏教を学べる大著!

前回の記事で紹介した『現代スリランカの上座仏教』ではスリランカの仏教を体系的に学ぶことができましたが、本書では仏教を超えてスリランカの民族宗教や聖地巡礼についても学ぶことができます。

特にスリランカのシンハラ仏教徒に熱烈に信仰されているカタラガマ神や宗教の別なく信仰されているスリー・パーダ山についての解説は非常にありがたいものがありました。

仏教学者とは異なる文化人類学者ならではの視点でスリランカ宗教の実態をわかりやすく学べる本書は非常にありがたいものがありました。

現代スリランカの上座仏教スリランカ、ネパール、東南アジアの仏教

前田惠學編『現代スリランカの上座仏教』~現代スリランカ仏教を体系的に学べる大著!

日本仏教が様々な宗派に別れていてそれぞれ教義や作法が全く異なるように、スリランカ仏教と一言で言ってもそこにはさまざまな違いがあります。

本書ではそんな現代スリランカのそれぞれの宗派やその成り立ちなどを体系的にわかりやすく学ぶことができます。頭が混乱していた私にとってこれは実にありがたい作品でした。

スリランカの各宗派の特徴や教義、さらにはスリランカの人々の生活レベルの仏教が体系的にまとめられた本書は非常に貴重です。葬儀や日々のお参りなどについても詳しく説かれますので日本の仏教と比較しながら読んでいくのもとても面白いです。

スリランカの仏教スリランカ、ネパール、東南アジアの仏教

ゴンブリッチ、オベーセーカラ『スリランカの仏教』~スリランカ仏教は新しい?衝撃の名著!

スリランカの仏教といえば厳密な戒律を守る上座部仏教というイメージがあるかもしれませんが、実は現代スリランカの仏教自体は最近構築されたものでした。スリランカ仏教は最も原始教団に近い仏教と言われることもありますが、それは実はここ数世紀で作り上げられたイメージだったのです。この本を読めば確実に驚くと思います。スリランカの仏教に対しての印象ががらっと変わると思います。

本書の帯では「発祥の地、インドで滅びた仏教が、なぜスリランカでは生き続けているのか」と書かれていますがまさに本書では現代スリランカ仏教の実態を詳しく見ていくことになります。