MENU

美しき聖ペーター教会を堪能~ウィーンバロック建築の傑作! オーストリア編④

ウィーン
目次

美しき聖ペーター教会を堪能ーウィーンバロック建築の傑作 僧侶上田隆弘の世界一周記―オーストリア編④

シェーンブルン宮殿の見学を終え、次に向かうは聖ペーター教会。

この教会もシュテファン大聖堂のすぐ近くにあり、街の中心部にある。

先程見学したシェーンブルン宮殿からも徒歩で10分もかからず着いてしまう。

ウィーン旧市街はかなりコンパクトにまとまっていて、公共交通機関を使うまでもなく観光することができる。

さらにたくさんのカフェや飲食店もあるため、疲れたらすぐに休憩もとれる。

ウィーンが観光するにはとても便利な環境であることに今更ながら気づいた。

どうやら少しずつウィーンに慣れてきたようだ。

さて、この聖ペーター教会。

こちらの教会は1701年から1733年にかけて建設されたバロック様式の教会だ。

街の中心部の大きな教会にも関わらず、そこまで観光客がいないことに驚く。

タイミングがよかっただけかもしれないが、これはとても幸運だ。

ゆっくりと教会の空気に浸ることができる。

教会内に入ってすぐに感じたのだが、どことなく薄いピンク色と白の色合いがプラハの聖ミクラーシュ教会を彷彿させる。

こちらがプラハの聖ミクラーシュ教会

改めて見返してみると、やはり似ていることがわかる。

薄いピンクと白の色合いはなんとも心地よい感覚をぼくに与えてくれる。

優しく、心穏やかにさせてくれるような温かみのある空間。

厳かな空気の教会も良いが、ぼくはこういう心穏やかになるような、優しくて親しみのあるような教会が好みのようらしい。

さて、いつものように主祭壇に目を向けてみよう。

やはりイエスの十字架が小さい。

その下は聖母マリアの絵だろうか。

イエスの両側には聖人らしき像が1体ずつ。

大きさはイエスよりは大きいとはいえ、それほど目立つものではない。

むしろ2人ともイエスを引き立てているようにも見える。

もしかしたらここは聖人像を強調した教会ではないのかもしれない。

いや、まだわからない。

イエスの像から視線を上げると、大きな絵が掲げられていることがわかる。

きっとこの絵がメインなのかもしれない。

この絵に重要なメッセージが隠されているのかもしれないが、残念ながらぼくにはそのメッセージが読み取れなかった。

主祭壇から視線を左に移すと豪華な装飾が施されてる。

まるでオペラ座のバルコニー席のようだ。

こちらにも立派な絵が飾られている。

やはりここは像よりも絵で表現している教会なのかもしれない。

同じバロックでも教会によって表現方法が異なるというのも、鑑賞する際には非常に面白い。

具体的にこの教会がどんなメッセージを発しているのかはわからなかったが、ゆっくりと装飾のひとつひとつを鑑賞することができた。

そして何より、この教会の居心地がとてもよい。

しばらくの間、ぼくは参詣席でこの教会の柔らかな空気を味わっていたのであった。

続く

次の記事はこちら

あわせて読みたい
カールス教会でのクラシックコンサート~ウィーン滞在に絶対おすすめ!本場の音楽を初体験 オーストリ... ウィーンで自由に動くことのできる時間はたったの1日のみ。 その1日の最後をどう締めくくろうか、悩んだ末に私が出した答えは、教会コンサートなるものでした。 ウィーンはクラシック音楽の本場。 クラシックのクの字もわからない私ではあったが、やはり本場のクラシックというものを聴いてみたい。 しかし、いきなりドレスコードが必要な本格的なコンサートに行くのは気が引ける。 そこで色々と調べてみると、ウィーンでは毎日いたるところでコンサートが行われているというのでした。 その中でもおすすめと出ていたのがカールス教会でのコンサート。この記事ではその時の体験をお話ししていきます。

前の記事はこちら

あわせて読みたい
ハプスブルク家の本拠地シェーンブルン宮殿~王宮の生活を覗き見る オーストリア編③ さて、次に向かうはオーストリアの誇る世界遺産シェーンブルン宮殿。 こちらはチェコ編でも何度も出てきたハプスブルク家が13世紀後半から1918年までおよそ600年以上にわたって住居にしていた王宮です。 いわば世界最強の王族の本拠地がこのシェーンブルン宮殿ということになります。 600年という長きの間ここは住居として使われていたので、何度となく増改築がされています。 そのため敷地はとてつもなく広い。 その中でも今回私は旧王宮と銀器博物館、シシィ博物館の3つの施設を訪れることにしました。

関連記事

あわせて読みたい
ウィーンへ到着!歴史とモダンが融合した街並みに衝撃を受ける オーストリア編① プラハからウィーンへ到着。 思いのほか近代的でモダンな光景に度肝を抜かれてしまいました。 こんなにも近代的だったとはまったく想像もしていませんでした。 実は私はウィーンについては経由地として考えていたのでそこまでの予習をしてこなかったのです。 歴史ある文化と芸術の街というイメージが先行していたので、ここまでモダンな建築が軒を連ねているとは思ってもいなかったのでした。
あわせて読みたい
ウィーンのシンボル、シュテファン大聖堂~独特な岩のオブジェが特徴的! オーストリア編② ウィーン散策でまず向かったのは市内中心部にそびえ立つ最も目立つ建造物、シュテファン大聖堂。 建物の構造は同時代に作られたプラハの聖ヴィート大聖堂に似ているものの、この教会の特徴は宙に吊るされた石の装飾にあります。 この石が一体何を表すのか、そもそも本当に石なのかは近くで見てもわかりませんでしたが、オレンジ色のライトに照らされた石は非常に美しかったです。 石とライトと教会。 この組み合わせはなかなか思いつきませんが、いざ目にしてみるとここまで馴染むものかと驚きました。
あわせて読みたい
ロマネスク、ゴシック、バロック~教会建築とそれに秘められたメッセージとは チェコ編⑪ 今回の記事ではプラハの3つの教会を題材に、教会建築の違いとそこに秘められたメッセージを紹介していきます。 ローマカトリックでは時代順に、ロマネスク、ゴシック、バロックという流れでその建築様式は推移していきました。その違いを見ていくと当時の時代背景も見えてくるので非常に興味深いです。

あわせて読みたい
ローマカトリック総本山サンピエトロ大聖堂~想像を超える美しさに圧倒される イタリア・バチカン編④ ローマカトリックの総本山バチカンのサンピエトロ大聖堂。 そのあまりの美しさと迫力に圧倒されてしまいました。 そしてミケランジェロのピエタ像にも魅了され、衝撃的な時間を過ごすことになりました。 まさかここまですごいとは・・・!予想をはるかに超えた素晴らしさにただただ絶句するのみでした。
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

真宗木辺派函館錦識寺/上田隆弘/2019年「宗教とは何か」をテーマに80日をかけ13カ国を巡る。その後世界一周記を執筆し全国9社の新聞で『いのちと平和を考える―お坊さんが歩いた世界の国』を連載/読書と珈琲が大好き/

コメント

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

目次