西谷正浩『中世は核家族だったのか』概要と感想~気候変動や災害、疫病、経済、農業の発展など様々な観点から中世を見ていく刺激的な一冊

西谷正浩『中世は核家族だったのか 民衆の暮らしと生き方』概要と感想~気候変動や災害、疫病、経済、農業の発展など様々な観点から中世を見ていく刺激的な一冊
今回ご紹介するのは2021年に吉川弘文館より発行された西谷正浩著『中世は核家族だったのか 民衆の暮らしと生き方』です。
早速この本について見ていきましょう。
疫病・大飢饉・農業変革・財産相続…
Amazon商品紹介ページより
家族構造の大転換は
生き残るための戦略だった!
日本的な家制度が出現した中世。
親子・兄弟が別居する家族システムで、人々はどのように暮らし、生き抜いたのか。
鎌倉末期から室町・戦国期にかけての農業の変革、民衆の定住化、人口推移など、様々な角度から大変動の背景を読み解く。
また、有力農民=名主(みょうしゅ)が立場維持のためにとった戦略や財産相続の問題にも言及し、民衆の生活世界の変化に迫る。
本書『中世は核家族だったのか 民衆の暮らしと生き方』は鎌倉時代の家族構成や人々の生活の実態を知るのにおすすめの参考書です。
特に、気候変動や災害、疫病の側面からのアプローチや、鎌倉時代から室町・戦国時代に農業や経済がどのように変化していったかの解説はとても興味深かったです。目次を見て頂けますとその幅広さがきっと伝わると思います。
[主な目次]
変貌する中世の家族と社会─プロローグ
こうして中世がはじまった―中世的世界の形成
古代末期の社会的危機
大開墾時代
中世農業の成立放浪から定住へ―鎌倉人の生活世界
鎌倉時代の在地社会
名主の立場
転換期としての鎌倉後期中世名主の家族戦略―中世前期の民衆家族
民衆の生活世界
小百姓の家族、名主の家族―核家族と屋敷地居住集団
名主の家族戦略中世は核家族だった―室町人の生活世界
惣村の世界
平百姓の力量―上野村の世界
別居する親子・兄弟核家族と二世帯同居家族―中世後期の民衆家族
自立する若者たち
中世民衆の住居
変化する家族関係古代から中世へ、中世から近世へ―エピローグ
Amazon商品紹介ページより
本書タイトル『中世は核家族だったのか』にありますようにこの本ではその家族体系について詳しく語られるのですが、単に家族形態の推移を見ていくだけにとどまりません。むしろ、その家族形態が生まれるに至る時代背景、環境を詳しく追っていく点に本書の特徴があります。
私は浄土真宗の僧侶として、開祖親鸞聖人が生きた時代の空気を知りたいと思い本書を手に取りました。そしてそれは大正解。意外と目にすることのない中世の人々の暮らしや経済活動の変化など実に刺激的な解説が満載でした。
親鸞が生きた時代や後の真宗教団が発展していく社会的要因を考える上でも本書は非常に有益です。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。
以上、「西谷正浩『中世は核家族だったのか』概要と感想~気候変動や災害、疫病、経済、農業の発展など様々な観点から中世を見ていく刺激的な一冊」でした。
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中世は核家族だったのか 民衆の暮らしと生き方 (歴史文化ライブラリー 524)
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