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ウィーンへ到着!歴史とモダンが融合した街並みに衝撃を受ける 僧侶上田隆弘の世界一周記―オーストリア編①
プラハを出発し、レイルジェットという特急列車に乗りウィーンへ向かう。
チェコからオーストリアへの道は、のどかな森の中を突っ切って行く。
車窓からは緑豊かな風景を楽しむことができた。
時折見える小川がなんとも美しかった。
森を抜ければ今度は広大な平原。
一面に畑が広がる。
そうかと思えばまた森の中へ。
このようなのどかな田舎の風景を眺めながら約4時間。
いよいよウィーンに到着だ。
ウィーン中央駅のホーム。
すでに近代的な大都会の雰囲気を醸し出している。
ここから地下鉄に乗り、ウィーンの中心部へ向かう。
ウィーン中央駅から中心部のシュテファン駅までは地下鉄で3駅。
あっという間に到着する。
地下鉄の出口から地上に出ると、そこには驚きの光景が広がっていた。
思いのほか近代的でモダンな光景に度肝を抜かれてしまった。
こんなにも近代的だったとはまったく想像もしていなかったのだ。
ぼくはウィーンについては経由地として考えていたのでそこまでの予習をしてこなかった。
歴史ある文化と芸術の街というイメージが先行していたので、ここまでモダンな建築が軒を連ねているとは思ってもいなかったのだ。
たしかに建物自体はプラハと同じく、歴史は感じるのだけれども、そこに入っているお店がどれもブティックみたいなのだ。
路面店はだいたいモダンに改装されていて、建物の高層階が見えなければ現代的な建物にしか見えない。
例えるなら、そう、銀座。
建物の雰囲気や歩行者専用の道路、高級ブティックやカフェの並ぶ、あの街並み。
ウィーンには大変申し訳ないのだが、ぼくはなぜかこの街並みを見て銀座を連想してしまった。
もちろん、そうは言ってもここは華の都ウィーン。
街の中心部にはウィーンのシンボル、シュテファン寺院がどっしりと構えている。
こちらはペスト記念塔。
これらを見ると、やはりここは銀座ではないことに気づく。
ウィーンはおしゃれな雰囲気だ。いや、洗練された雰囲気と言った方がいいだろう。
プラハとはかなり空気感が違うように感じる。
確かに美しくて、華があるのだけれども、ぼくにとっては敷居が高い街のように感じられてきた。
ちょっと気軽にカフェに入ってコーヒーを飲もうという気にもなれない。
どうしたのだろう。
なぜこんな気持ちになっているのだ?
ぼくはすぐに思い当たる。
プラハとの別れを未だに引きずっているのだ・・・
見るものすべてをプラハと比べてしまう。
何なのだ。これではまるでひどい失恋をしたばかりのようではないか。
どれだけプラハに惚れているのだと、ここに来て改めて思い知らされるのであった。
だが、いつまでもそうは言ってはいられない。
ここウィーンにも、見るべきもの、学ぶべきことはある。
明日からの市内散策に向け、しっかり目に焼き付けねばと気合を入れるのであった。
続く
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この石が一体何を表すのか、そもそも本当に石なのかは近くで見てもわかりませんでしたが、オレンジ色のライトに照らされた石は非常に美しかったです。
石とライトと教会。
この組み合わせはなかなか思いつきませんが、いざ目にしてみるとここまで馴染むものかと驚きました。
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ですが、それだけではありません。
目に見える美しさだけが私を虜にしたわけではない。
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プラハが生きてきた歴史、文化、精神性。
私はプラハの心がたまらなく好きなのだ。
だからこそ外面にもそれが美しさとなって現れているように私には見えてくるのではないだろうか。
何かを強烈に好きになるということは、外面だけの問題ではないのかもしれない。
改めて人間の心とものの見え方の関係に驚いたのでありました。
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