トルストイとカフカース(コーカサス)の強いつながり~圧倒的な山岳風景とトルストイの軍隊経験

トルストイは1851年、23歳の年にカフカース(コーカサス。旧グルジア、現ジョージア)を訪れています。

そしてその圧倒的な自然やそこで出会った人々、命を懸けて戦った経験が彼の文学に大きな影響を与えています。

この記事では藤沼貴著『トルストイ』を参考にトルストイの「カフカース体験」を見ていきます。

トルストイの文学や人柄の特徴を見ていくためにもこれらは非常に参考になります。

エンゲルスの最初の愛人メアリー・バーンズ~エンゲルスに貧民街を案内した女工の存在「マルクス・エンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ」(24)

エンゲルスがいかに頭が良かろうと、革命思想を奉じようと、彼は工場経営者の御曹司です。

そんな青年が一人で治安の悪い貧民窟に向かうのはさすがに不可能です。そこで彼はそうした危険地帯をよく知る人物と連れ立って実地の見聞を繰り返していたのでした。

そしてその中でも大きな役割を果たしていたのが最初の愛人、メアリー・バーンズだったのです。

この記事ではそんなメアリー・バーンズについてお話ししていきます。

イギリスの歴史家トーマス・カーライル~エンゲルスがイギリスで尊敬した唯一の知識人「マルクス・エンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ」(23)

イギリスの歴史家カーライルの思想はマルクスの『共産党宣言』にも非常に強い影響を与えています。

その本の中の有名な一節、(資本主義は)「人間と人間とのあいだに、むきだしの利害以外の、つめたい「現金勘定」以外のどんなきずなをも残さなかった。」という強烈な言葉はマルクスが資本主義の仕組みを痛烈に批判した言葉としてよく知られていますが、実はこの言葉はすでにカーライルがその著作で述べていた言葉だったのです。

この記事ではそんあカーライルとマルクス・エンゲルスについて見ていきます。

トルストイ『地主の朝』あらすじと感想~当時の農奴制の実態と農地経営に失敗した若きトルストイの実体験を知れる名作中編

トルストイは1847年にカザン大学を中退し、故郷のヤースナヤ・ポリャーナに帰ってきます。

そして『青年時代』に書かれていたように、己の自己実現のために細かいリストを作成し、その実行に取り掛かったのでした。

そのひとつが今作『地主の朝』で語られるような農地経営だったのです。

ですが、若きトルストイはあっという間にこれに挫折します。

今作ではそんなトルストイの苦い経験を知ることになります。

イギリスの労働運動「チャーティスト運動」を間近で見るエンゲルス「マルクス・エンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ」(22)

前回の記事でも紹介しましたが、1830年代まで根強い人気のあったオーエン派の活動も最後には衰退していってしまいます。

その大きな原因となったのがイギリスの新たな政治運動である「チャーティスト運動」でした。

今回の記事ではそんなイギリスの歴史に非常に大きな影響を与えたチャーティスト運動とエンゲルスについてお話ししていきます。

スコットランドの空想的社会主義者ロバート・オーエンとは「マルクス・エンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ」(21)

エンゲルスに空想的社会主義者と呼ばれたロバート・オーエンですが、彼は明らかに他の二人(サン・シモン、フーリエ)とは異質な存在です。

結果的に彼の社会主義は失敗してしまいましたが、その理念や実際の活動は決して空想的なものではありませんでした。

後の記事で改めて紹介しますが彼の自伝では、彼がいかにして社会を変えようとしたかが語られます。19世紀のヨーロッパにおいてここまで労働者のことを考えて実際に動いていた経営者の存在に私は非常に驚かされました。

彼のニューラナークの工場は現在世界遺産にも登録されています。

トルストイ『青年時代』あらすじと感想~トルストイの熱烈な理想主義と自己矛盾の葛藤が早くも現れた作品

今作は『幼年時代』『少年時代』『青年時代』と続いたトルストイ自伝三部作の最終作になります。

主人公ニコーレニカの幼年期から青年期までの成長を描いたこの三部作ですが、ニコーレニカにはトルストイ自身の性格がかなり反映されています。

晩年になっても変わらないトルストイの性格がすでにこの作品で見えてきます。トルストイの人柄、特徴を知る上でも非常に重要な作品です。

憎きブルジョワに自分がなってしまったという矛盾に苦しむ若きエンゲルス「マルクス・エンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ」(20)

若きエンゲルスは自身の矛盾と向き合わざるをえませんでした。

自身が激烈に攻撃していたブルジョワに自分自身がなっている。

マルクスにもその心情を吐露していますが、彼はこの後もずっとそうした矛盾を抱え続けることになります。

ですが後には開き直って堂々とブルジョワ的な行動をするようにもなります。マルクスもそうです。マルクスもブルジョワ的な生活に憧れ、実際にそうしたお金の使い方をしては金欠に苦しむという、矛盾をはらんだ生活をしていたのでした。

エンゲルスが働いた産業革命の中心地マンチェスターの地獄絵図「マルクス・エンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ」(19)

エンゲルスは1年間のベルリンでの兵役を終えた1842年、イギリスへ旅立ちました。

その旅の途中、ドイツの共産主義者モーゼス・ヘスから直接指導を受け、熱烈な共産主義者となったことまで前回の記事でお話ししました。

エンゲルスがなぜマンチェスターを訪れたかといいますと、彼の父が共同経営者となっている「エルメン&エンゲルス商会」がそこにあったからでした。彼の父は哲学にのめり込み急進的な言動を繰り返す息子を商人として鍛え直すために、エンゲルスをマンチェスターに送ったのでした。(もちろん、会社経営の面でも必要でしたが)

トルストイ『少年時代』あらすじと感想~強烈な自我が目覚め始める瞬間を絶妙に捉えた名作

前作『幼年時代』ではタイトル通り、幼い男の子の幸福な生活が描かれ、愛に包まれた美しき思い出が語られました。

そして今作ではその男の子が新たな段階へ成長していく過程が描かれます。

こうしてお話ししていくと、前作に続いてほのぼのしたストーリーが展開されるかと思いきやそこはトルストイ。ここからなかなかに強烈な展開になっていきます。

幼年時代から少年時代へ。

その微妙ながら絶大な変化を巧みに捉えたのがこの作品です。