Kaji Nobuyuki, "Confucius: New beyond Time" - A recommended biography that also details the origins and historical background of Confucianism!

Confucius Chinese Buddhism, Thought and History

加地伸行『孔子 時を越えて新しく』概要と感想~儒教の成り立ちや時代背景も詳しく知れるおすすめ伝記!

今回ご紹介するのは1991年に集英社より発行された加地伸行著『孔子 時を越えて新しく』です。

Let's take a quick look at the book.

今から約二千五百年前の中国の思想家・孔子。祖国・魯国の政治改革をめざしたが、彼をとりまく政治の波に翻弄され、人に認められず失敗。彼の生涯は、自分の才能を、自分の能力を認めてほしいと叫びつづけた七十年余だった。如何に苦悩に耐えるか、自戒の言葉を自分に説き、不遇の運命と闘った孔子。その生涯を描く。

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孔子(前552または551-479)Wikipedia.

This work isThe Analects of Confuciusや儒教で有名な孔子のおすすめ伝記です。

This book is just interesting!

This book does not worship Confucius as a god, but rather explores Confucius as a "human being. Rather than deify Confucius and portray him as a saint, we carefully follow his life from the historical background. It is easy to understand why Confucius came into the world and why his teachings spread throughout China.

本書の「はじめに」で著者はこの本と孔子について次のように述べています。

孔子は、人に認められたいと強く願って生きた人物である。しかし、或る数年の期間を除いては、彼をとりまく政治の波に翻弄され、人に認められなかった人間である。孔子の生涯とは、自分の才能を、自分の能力を認めてほしいと悲痛に叫びつづけた七十数年であった。その〈生の世界〉は、人に認められない苦悩そのものであった。しかし孔子は、それをどのようにして耐えるべきかと、自戒のことばを自分に説きつづけ、不遇の運命と闘いつづけたのである。

だが、孔子の闘いはそれだけに終わらなかった。自分の生きた生涯、不遇の〈生の世界〉の末期、近づく〈死の世界〉と対決してゆく。人間の〈生の世界〉のあらゆる苦悩にまさって、死は人間にとって最大の苦痛である。どのように死に立ち向かうべきか、人間だれも自信などありはしない。死を前にして、人間はうろたえ、救いをしきりに他者に求めようとする。

その他者とは何か。医師か、神か、仏か、定めようもない迷いの中で、人間は苦悩をただ深めるばかりである。どこにも正しい答えはない。

老年の孔子は、懸命に〈死の世界〉について考えた。しかしそれは、突然の変貌ではない。孔子は、死者と交わる者たちの集団と関わりつつ、その少年期を送り、そして、成長した。孔子は若いときから、しかと死を見ていたのである。そういう背景の下、孔子は〈死の世界〉を人々にどのように説明できるのかと、ぎりぎりまで考え、〈死〉への深い思いを述べるのであった。

孔子は、人に認められないつらい〈生の世界〉を生き、それにどのように耐えるべきか自戒のことばを述べた。それは同じ苦しみにある人々を勇気づけることばとなった。そしてまた、人々に対して、不安な〈死の世界〉について心安まる解釈を説いたのである。

それがどのようなものであったかを、本書は孔子の伝記を追って述べてゆきたいと思う。その際、孔子の多くの名言に出会うこととなる。それらのことばは、二千五百年前のものとは思えない深い響きをもってわれわれに追ってくる。今も新しく生きていることばである。思えば、孔子自身が、当時の名言についてすでに同じようなことを言っている。「温故知新―故きを温めて、新しきを知る」と。

しかし、孔子は、けっして名言ばかりを吐いたいわゆるりっぱな人でない。孔子の一生とは、事実に即して言えば、われわれ凡人と同じく、世俗的欲望にふくらみ、その欲望に圧されてもがきつづけた生涯でもあった。のみならず、その周辺に起こった事件や問題は、現代社会の状況と、驚くほどよく似ている。われわれ現代人や現代社会が、ひいては、いつの世、いつの人にも通じて抱えている問題を映し出す普遍性を持っている。

人に認められたいという願い、不遇に耐える自戒のことば、死の不安を解消しようとする努力、世俗的欲望の悩み、そして、その生涯において順を追って現われてくることがら—大国の圧力を受ける中級国、差別、政争、嫉妬、クーデター、謀殺、失脚、不信、密通、節約か消費か、道徳か法か—とどまることなく現代の事件や問題の類型を孔子伝に見ることとなる。孔子の生涯とそのことばとは、―「故きを温めて、新しきを知る」―時を越えて新しく、考えるべき多くのことを、われわれ現代人に語りかけてくる。

集英社、加地伸行『孔子 時を越えて新しく』P9-11

「人に認められたいという願い、不遇に耐える自戒のことば、死の不安を解消しようとする努力、世俗的欲望の悩み、そして、その生涯において順を追って現われてくることがら—大国の圧力を受ける中級国、差別、政争、嫉妬、クーデター、謀殺、失脚、不信、密通、節約か消費か、道徳か法か—とどまるこよなく現代の事件や問題の類型を孔子伝に見ることとなる。」

In this biography, we will see not only the very man Confucius himself, but also the times in which he lived. It is very exciting to learn what Confucius wanted and what he suffered from. The author's narration is excellent and the book is extremely easy to read.

ぜひぜひおすすめしたい孔子伝記です。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

以上、「加地伸行『孔子 時を越えて新しく』~儒教の成り立ちや時代背景も詳しく知れるおすすめ伝記!」でした。

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