Shinran and Dostoevsky/World Literature

Tolstoy, the Russian Giant

Tolstoy's "Penance" Synopsis and Comments - A must-read to understand why Tolstoy criticized the church and his own faith.

『懺悔』は『アンナ・カレーニナ』を書き終えて宗教的著作をこれから発表しようとしていたトルストイが、自らの立場や思いを表明するために書いた作品になります。

「それを抜きにしていきなり、『教義神学研究』や『要約福音書』など、常識はずれの著作を発表しても、読者はトルストイが本当に発狂したと思って、読まなかっただろう。」

こう書かれてしまうほど根本的な思想転換がトルストイには起こっていました。一般の人にはまず受け入れられないであろう存在がここからのトルストイになります。

Tolstoy, the Russian Giant

Tolstoy's "Anna Karenina" Synopsis Commentary and Thoughts - I can only bow down to the greatest masterpiece of Tolstoy's art. It's a complete defeat.

『戦争と平和』に引き続き『アンナ・カレーニナ』を読んだ私ですが、圧倒的なスケールの『戦争と平和』に脳天直撃のガツンとした一撃を受け、今度は『アンナ・カレーニナ』の完璧すぎる芸術的描写に、私はもうひれ伏すしかありませんでした。ただただひれ伏すしかない。それだけです。もう完敗です。こんな完璧な作品を見せられて、自分の卑小さをまざまざと感じさせられました。何でこんなに完璧な文章を書けるのかと頭を抱えたくなります!それほど圧倒的な作品です。

Learn about the life and thought background of Marx Engels

(52)マルクスの宣伝マン・エンゲルスの天才的な広告手腕とは~彼なくしてマルクス思想の繁栄なし

私たちは「マルクスが後に世界中に広まった」という歴史を知った上でマルクスを見てしまいますが、当時の状況はまるで違います。

このままでは無視されかねないと察したエンゲルスはここでその才能を発揮します。

エンゲルスは自作自演も辞さず、次々とメディア戦略に打って出ました。「単なる経済学の書」を超えた、まさしく「あらゆるものの源泉たるバイブル」としての『資本論』を生み出したのはエンゲルスだったのでした。

エンゲルスなくしてマルクスなし!

エンゲルスの参謀としての天才的な能力には驚くしかありません。

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(51) Engels, who had already edited a huge manuscript at the stage of the first volume of Capital

マルクスの『資本論』は読むのがあまりにも難しい作品として有名ですが、マルクスの元の原稿はそれどころではない支離滅裂なものだったというのは驚きでした。その解読困難な原稿をかろうじて読める形でエンゲルスが再構成したものが私たちが手にする『資本論』だったのです。

『資本論』第2巻、第3巻がエンゲルスによる編集によって成立したのは有名ですが、そもそも第1巻からしてエンゲルスの多大な貢献があったのでした。

Tolstoy, the Russian Giant

トルストイ『カフカースのとりこ』あらすじと感想~トルストイ作の子供向け教科書にも収録されたカフカース物語

トルストイは子供たちの教育に並々ならぬ熱意を抱いていました。

自分の邸宅を学校として開放し、自ら教え、ついには自分で教科書を作ってしまうほどでした。

今作『カフカースのとりこ』はそんな自作教科書に収録された作品になります。

『カフカースのとりこ』というタイトルから私は最初、カフカースに夢中になる話かと思ってしまっていたのですが「捕虜」の「とりこ」でした。

この作品も芸術家トルストイらしい見事な自然描写と、究極の人間観察家トルストイの特徴が出ています。

The great Russian writer Pushkin Gogol

プーシキン『カフカースの捕虜』あらすじと感想~雄大な自然と異国の文化を描くロマン溢れるカフカースの物語詩

この作品はカフカースを訪れていたプーシキンがその地で得たインスピレーションをもとに書き上げた物語詩です。

この作品を読んでいてやはり思うのはプーシキンらしい、ロマンチックな情景描写です。カフカースの雄大な景色の描写はとにかくカッコいいです。読んでいて思わず興奮してしまうような不思議な高揚感があります。感情に訴えかける力が凄まじいです。「これぞプーシキン!」という名作です

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(50)マルクス『資本論』の執筆の流れをざっくりと解説!

マルクスはアダム・スミスやリカードなど経済学者たちの著作を研究し、そこにヘーゲル哲学を組み合わせることで独自の理論を作り上げていくことになります。

これは経済を専門にする経済学者や、哲学のみを探究する哲学者にはなかなか思いも寄らぬ方法でした。

マルクスは独自に新たな理論を生み出したというより、既存のものをうまく合成することで新たなものを生み出したということができるかもしれません。

Emile Zola, the blog author's favorite author.

Emile Zola's "Paris" Synopsis and Comments - From Lugon McCall to Beyond! This is Zola! How does a serious confrontation with religion end!

Paris" is the culmination of Zola's work on the "Lugon McCall Series. It is a work that is full of Zola's character, and one might be tempted to call it "THE Zolaism.

I feel that Zora is exactly what Japan needs today.

Perhaps no other writer has analyzed the workings of society as dispassionately as Zola and sought justice and truth.

Paris" is the best work I've ever seen. It made me love Zola even more. I hope it will spread to many people.

Emile Zola, the blog author's favorite author.

Synopsis and Comments on Zola's untranslated work "Rome" - Zola's indictment of the Vatican, which criticized the corrupt Vatican and inspired religious figures to rise to the occasion.

ゾラはルルドの泉での体験から『ルルド』、『ローマ』執筆へと向かっていくことになります。

そしてバチカンによって『ルルド』が公式に禁書目録に載せられたにも関わらずわざわざローマまで赴き、改革を直訴しに行くゾラ。ここに彼の本気さや、いかに彼が真剣に宗教に対して思う所があったかがうかがわれます。

今作はそんなゾラの思いが込められた作品であり、「三都市双書」最終巻『パリ』へと繋がっていく作品になります。

Emile Zola, the blog author's favorite author.

Synopsis and Impressions of Zola's Untranslated Work "Lourdes" - How Zola, who values scientific analysis, viewed the "Miracle of the Fountain of Lourdes".

さて、今回ご紹介する『ルルド』は実はまだ邦訳がなされておりません。

なぜこの作品を読んでもいないのにあえて紹介しようとしたのかといいますと、この『ルルド』を含む「三都市双書」がゾラの宗教観を考えていく上で非常に重要なものとなっているからなのです。

「三都市双書」は最終作『パリ』だけが邦訳されていて、前二作は未だ邦訳されていません。ぜひぜひ邦訳されることを願ってという意味もこの記事に込めています。