Dostoevsky

Don Quixote, the beloved itinerant knight.

(1)スペイン異端審問はなぜ始まったのか~多宗教の共存とその終焉

異端審問が導入された当初、町の人々がそれを拒んだというのは驚きでした。人々は国から送られてきた役人、つまり異端審問官が町の文化や社会を壊してしまうことを察知していたのです。

この記事内にありますように、「コンベルソ」という改宗キリスト教徒と「モリスコ」という改宗イスラム教徒がこの街に居て、彼らはキリスト教徒とともに生活し、互いに様々な文化が入り混じった社会を形成していました。

これがこれから見ていくスペイン異端審問における重要な背景です。共存しながら生活していた人々が恐怖や憎しみ、嫉妬、相互不信によって引き裂かれていく過程がこの本では語られていきます。

Stalin and Hitler's genocide and holocaust

(7) Genshin's "Ojo-Yoshu" and the modern tour of hell - why we must learn about war, oppression, and genocide.

2020年から私はドストエフスキーの記事をこのブログで書き始めましたがなぜ僧侶の私がドストエフスキーについてブログを書いているのかと不思議に思われた方も多かったかもしれません。

But after a long time, I'm sure many of you have gotten used to it (laughs).

But what does it mean to write about Dostoevsky and world literature, but a recent blog about Soviet history and the Russo-German war?

In fact, recently I have been getting a lot of "It's getting hard to read about the war and all the mass killings. Why do you have to go that far?

この記事ではその質問に対する私なりの答えをお話ししていきます。

Stalin and Hitler's genocide and holocaust

Frankl's "Night and Fog" Synopsis and Comments - A masterpiece that questions what it means to live! And a connection to Dostoevsky.

The work is the psychologist Frankl's account of his experiences at Auschwitz and the Dachau camp in Munich.

前回の記事でご紹介したワシーリー・グロスマンの『トレブリンカ収容所の地獄』では絶滅収容所の悲惨さが描かれたのに対し、『夜と霧』では強制収容所という極限状態においてどのように生き抜いたのか、そしてそこでなされた人間分析について語られていきます。

この本は絶望的な状況下でも人間らしく生き抜くことができるという話が語られます。収容所という極限状態だけではなく、今を生きる私たちにとっても大きな力を与えてくれる本です。

この本がもっともっと多くの人に広がることを願っています。

German-Soviet War: The Soviet Union and the Nazis' War of Extermination

アレクシエーヴィチ『戦争は女の顔をしていない』~独ソ戦を体験した女性達の声に聴くー現在、日本で漫画化もされている名著

この本はアレクシエーヴィチが独ソ戦に従軍、あるいは戦禍を被った女性にインタビューし、その記録を文章化したものになります。独ソ戦という巨大な歴史の中では個々の人間の声はかき消されてしまいます。特に、女性はその傾向が顕著でした。戦争は男のものだから女は何も語るべきではない。そんな空気が厳然として存在していました。

そんな中アレクシエーヴィチがその暗黙のタブーを破り、立ち上がります。アレクシエーヴィチはひとりひとりに当時のことをインタビューし、歴史の闇からその記憶をすくいあげていきます。

Dostoevskyism

Ziid's "Dostoevsky" - A stimulating and recommended discussion of Dostoevsky by the Nobel Prize-winning French author.

『ソヴェト旅行記』と同じく新潮社版のジイド全集は旧字体で書かれているので一瞬面を食らうのですが、読み始めてみるととジイドの筆が素晴らしいのかとても読みやすいものとなっていました。

そして何より、ドストエフスキーに対する興味深い見解がいくつもあり、目から鱗と言いますか、思わず声が出てしまうほどの発見がいくつもありました。今まで疑問に思っていたことや、かゆいけど手が届かなかった微妙なところをとてもわかりやすく解説してくれます。

フランス人作家ということでバルザックなどフランス文学との対比によってドストエフスキーを語ってくれるのも非常にありがたかったです。

この本は本当にすごいです。出版は1923年ということで、ドストエフスキー論の古典として有名な本ですがその内容は全く古びていません。

History of the Soviet Union under Lenin and Stalin

Ziid's "Soviet Travels" - The moment when the French Nobel Prize-winning writer realized the reality of the Soviet Union, which he admired.

Ziid visited the Soviet Union, a country he had longed to visit, and had high hopes for how wonderful the country would be, but there he found out the reality of the situation. He wrote about his feelings in the book "Travels in Soviet Russia.

ジイドの『ソヴェト旅行記』は非常に興味深い本でした。この記事ではその一部をご紹介していきますが、本当はもっともっと紹介したい箇所があります!それほど面白いです!

ぜひ皆さん自身で手に取ってみてください。ものすごく面白い本ですのでとてもおすすめです。

ドストエフスキーとも非常に関係の深い内容となっていますので、ドストエフスキーファンにもぜひおすすめしたい作品です。

History of the Soviet Union under Lenin and Stalin

(7) The Amazing Roughness of Stalin's Hometown of Gori and the Birth of Stalin the Reader

スターリンはグルジア(ジョージア)のゴリという街に生まれました。

このゴリという街がとにかく強烈です。その強烈っぷりはこの記事で詳しく見ていきますが、とてつもない荒くれものたちの巣窟だったのです。

そんな荒くれものの巣窟に育ったスターリンでありますが驚異の読書家ぶりを発揮しています。この時の読書がスターリンの生涯に大きな影響を与えることになりました。この記事ではそんなスターリンの読書についてもお話ししていきます。

History of the Soviet Union under Lenin and Stalin

(5) The hellish revenge war between Stalin and the Soviet Army against Nazi Germany during the Russo-German War.

独ソ戦が始まり、強力なドイツ軍に対抗するためにスターリンはある政令を制定します。それが上記のNKGB命令第二四六号と政令第二七〇号でした。

これによりソ連兵は政府に自分の家族を人質に取られたと同等になります。家族を殺されたくなければ戦え。逃げたらお前も家族も皆処刑する。死ぬまで戦わず敵の捕虜となった時も家族を逮捕する。だから死ぬ気で戦え。

こうしてソ連は兵士を戦地に送り続けていたのでした。

そしてソ連の反撃が始まります。これがまさに戦争の恐怖を体現した地獄のような有様となったのでした・・・

Turgenev, the great Russian writer

Why Lenin Liked Turgenev - Turgenev in Lenin's Biography

How Lenin viewed literature is a very interesting question. A leader's preferences affect the culture of his country. This is because his policies dictated "what is good," and new literature would be created or past cultures would be interpreted accordingly.

Knowing how Dostoevsky and his great literary contemporaries were received in the Soviet era gives us a glimpse into the context in which the image of Dostoevsky written in the Soviet era was created. This is a very interesting part of learning about Dostoevsky.

History of the Soviet Union under Lenin and Stalin

Robert Servis, "Lenin" - A masterpiece of Lenin's biography that has received worldwide acclaim.

ヴィクター・セヴェスチェンの『レーニン 権力と愛』と比べると、より硬派で伝記らしい語り口が特徴となっている1冊。

読み物として驚くほど面白かったヴィクター・セヴェスチェンの『レーニン 権力と愛』とはまた少し違った視点から語られるレーニンをこの本では知ることとなりました。

やはり同じ人物について違う伝記を読むと言うのはとても参考になります。

レーニン伝の決定版としてこの本は世界中で評価されています。硬派な、伝記らしい伝記です。こちらもおすすめな伝記となっています。