France

To enjoy "Les Miserables" even more

Why did Fantine follow a disastrous path - "I Dreamed A Dream

ユゴーはこうした貧しい女性の問題、捨てざるをえなくなった子供たちの問題をこの作品で表現しています。ファンテーヌの悲惨は彼女一人だけでなく社会全体の悲惨でもあったのです。ユゴーはそんな社会を変革したいという願いもこの作品に込めていたのでありました。

ファンテーヌを知ることは当時のフランス社会が抱えていた問題を知ることにもなります。

こうした背景を取り込みつつミュージカルや映画の短い時間でそれを表現した製作陣のすごさには恐れ入るばかりです。ますますレミゼが好きになりました。

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The True Conversion of Jean Valjean - The Petit Gervais Incident Not Told in the Musical

19年の徒刑生活で身も心も荒みきっていたジャン・バルジャンはミリエル司教の慈しみに触れ改心しました。

ミュージカルでは銀器を贈られ、見逃してくれたことでジャン・バルジャンはこれまでの生き方を悔い、新たな人生を生きることを誓いました。

ですが原作ではここからさらにもう一つの事件があったのです。ジャン・バルジャンが真に改心したのは実はその事件がきっかけだったのです。

ミュージカルでは時間の関係上このエピソードはカットされてしまいましたが、原作ではこの事件は非常に大きな意味を持った事件です。

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Jean Valjean's Sad Past - Why was he arrested?

当時のフランスは貧富の差が拡大し凄まじい貧困が蔓延していました。『レ・ミゼラブル』はこうした人々から生まれてきた物語でもありました。そしてその主人公ジャン・バルジャンがこうした環境から生まれてきたというのは非常に大きな意味があります。

ジャン・バルジャンは極度な貧困に苦しみ、家族が餓死しないためにパンを盗みました。

レミゼはここから始まるのです。

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ジャン・バルジャンを救ったミリエル司教とは?レミゼの光とも言うべき善良すぎる司教をご紹介

ジャン・バルジャンはミリエル司教の慈悲、優しさに触れ救われました。

そしてそのジャン・バルジャンはファンチーヌ、コゼット、マリユスにその慈しみを注ぎ、彼らもジャン・バルジャンに救われることになるのです。

慈しみが世代を超えて引き継がれていくことの大切さをユゴーはこの物語で示しています。

このようなメッセージを伝える上でもミリエル司教の存在はレミゼにおける重要な柱となっています。

ミュージカルではあまり目立たぬ存在ですがジャン・バルジャンの心の中にはいつもミリエル司教の慈悲があります。

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Shigeru Kashima, "One Hundred and Six Scenes from 'Les Miserables'" - A recommended and most powerful commentary book on Les Miserables that also provides historical background!

この本はとにかく素晴らしいです。最強のレミゼ解説本です。

挿絵も大量ですので本が苦手な方でもすいすい読めると思います。これはガイドブックとして無二の存在です。ぜひ手に取って頂きたいなと思います。

また、当時のフランスの時代背景を知る資料としても一級の本だと思います。レミゼファンでなくとも、19世紀フランス社会の文化や歴史を知る上で貴重な参考書になります。

Don Quixote, the beloved itinerant knight.

(9)モンテーニュと異端審問のつながり~衰退するスペインとヨーロッパ啓蒙思想の拒絶

モンテーニュは啓蒙思想で有名なフランス人ではありますがその血筋のルーツはスペインのコンベルソであったと言われています。驚くべきことに、異端審問が横行していたスペインの歴史がモンテーニュの思想に大きな影響を与えていたのでありました。

敵対的な思想を持つ者を抹殺しようとした異端審問でしたが結局こうしたもっと強大な存在を生み出すことになってしまったのです。教会への不信や懐疑論、無神論の流れは教会の権威を徐々に蝕んでいきます。

近代的なヨーロッパの哲学者がいかに生まれてきたということに異端審問が大きな影響を与えていたというのは非常に興味深いものでした。

German-Soviet War: The Soviet Union and the Nazis' War of Extermination

神野正史『世界史劇場 ナチスはこうして政権を奪取した』~ヒトラーの権力掌握の過程を知るのにおすすめな参考書!

民主主義であったはずのドイツがなぜ全体主義へと突き進んでいったのか。

これは日本においても当てはまる事象です。

ナチスを学ぶことは私達の歴史を学ぶことにもつながります。

この本ではいつものごとく、神野氏の絶妙な解説で進んで行きます。とにかく面白く、読みやすいです。ドイツの流れをまずは知りたいという方には非常におすすめな1冊となっています。

German-Soviet War: The Soviet Union and the Nazis' War of Extermination

神野正史『世界史劇場 第二次世界大戦 熾烈なるヨーロッパ戦線』~WW2の流れを掴むのにおすすめな1冊

第二次世界大戦とは実際にどのような戦争だったのか。ナチスはどのように動いたのか。スターリン率いるソ連はそれにどのように対抗したのか。イギリス、フランス、アメリカは?

複雑怪奇な国際情勢をこの本では学べます。そして単に出来事の羅列ではなくなぜ歴史がそのように動いたのかという「なぜ」を神野氏は強調していきます。ここが『世界史劇場』シリーズの素晴らしいところだと思います。単なる暗記ではなく、「なぜ」を考える思考力を鍛えてくれるところにこの本の特徴があると私は思っております。非常におすすめな一冊です。

Dostoevskyism

Ziid's "Dostoevsky" - A stimulating and recommended discussion of Dostoevsky by the Nobel Prize-winning French author.

『ソヴェト旅行記』と同じく新潮社版のジイド全集は旧字体で書かれているので一瞬面を食らうのですが、読み始めてみるととジイドの筆が素晴らしいのかとても読みやすいものとなっていました。

そして何より、ドストエフスキーに対する興味深い見解がいくつもあり、目から鱗と言いますか、思わず声が出てしまうほどの発見がいくつもありました。今まで疑問に思っていたことや、かゆいけど手が届かなかった微妙なところをとてもわかりやすく解説してくれます。

フランス人作家ということでバルザックなどフランス文学との対比によってドストエフスキーを語ってくれるのも非常にありがたかったです。

この本は本当にすごいです。出版は1923年ということで、ドストエフスキー論の古典として有名な本ですがその内容は全く古びていません。

History of the Soviet Union under Lenin and Stalin

Ziid's "Soviet Travels" - The moment when the French Nobel Prize-winning writer realized the reality of the Soviet Union, which he admired.

Ziid visited the Soviet Union, a country he had longed to visit, and had high hopes for how wonderful the country would be, but there he found out the reality of the situation. He wrote about his feelings in the book "Travels in Soviet Russia.

ジイドの『ソヴェト旅行記』は非常に興味深い本でした。この記事ではその一部をご紹介していきますが、本当はもっともっと紹介したい箇所があります!それほど面白いです!

ぜひ皆さん自身で手に取ってみてください。ものすごく面白い本ですのでとてもおすすめです。

ドストエフスキーとも非常に関係の深い内容となっていますので、ドストエフスキーファンにもぜひおすすめしたい作品です。