France

Marx Engels Writings and Related Works

マルクス『ルイ・ボナパルトのブリュメール18日』~ナポレオン3世のクーデターをマルクスが分析

この作品では『資本論』を書いた巨大な思想家マルクスではなく、ジャーナリストマルクスを知ることができます。

1851年12月のクーデターはいかにして起こったのか、そこにどのような裏事情があったのかということを1848年から遡ってマルクスは論じていきます。

社会の流れを読み取り、それを徹底的に分析し、活字にして発表する。

そうしたジャーナリストとしてのマルクスがあったからこそ、後の『資本論』が書き上げられたのだなということを感じました。

Marx Engels Writings and Related Works

マルクス・エンゲルス『共産党宣言』概要と感想~万国のプロレタリア団結せよ!マルクス主義のバイブルとは

マルクスがこの本を書き上げたのは30歳の時。あの『資本論』が出版されたのはここからさらに19年後の話です。

マルクスはすでに20代の頃から反体制派のジャーナリストとして亡命生活を送っていましたが世界的に有名というわけではありませんでした。

ですがそんなマルクスが書いたこの作品が「宗教の書物を除けば、現代までもっとも読まれた書物」となり、「この一世紀の間、世界の数億人が読み、そしてかなりのものにとって暗記してしまうほどの書物」となったのはまさに驚くべきことだと言えましょう。

Marx Engels Writings and Related Works

マルクス・エンゲルス『聖家族』~青年ヘーゲル派とブルーノ・バウアーへの批判が書かれた2人の初めての共同作品

この作品はマルクスとエンゲルスの初めての共同作品になります。

マルクスとエンゲルスは1844年8月にパリで対面し、その時から生涯続く友情が始まっていきます。

元々、ブルーノ・バウアーとマルクス・エンゲルスはベルリンで「ドクトルクラブ」という知識人グループで一緒に活動していた仲間でした。

そんな元同窓であるマルクス・エンゲルスがブルーノ・バウアーとの決別の姿勢を示したのがこの作品になります。

French Literature, History and Culture

P. McPhee, "History of the French Revolution: Freedom or Death" - Recommended commentary on the background of the French Revolution from a larger perspective.

この本を読んで特に感じたのは革命のカオスぶりです。

あまりに多様な人々をどうひとつにまとめていくのか、何かひとつのことをする度に、必ず不利益を被る人が出てくる。そしてその人達は政府の反対者となり、革命の歩みは難しくなる。ではどうするのか?ギロチンか・・・

こうした問題にどうしてもぶつかってしまうのが革命なのかという事を考えさせられました。

また、こうしたことを考えているとどうしても連想してしまうのがレーニンによるロシア革命でした。フランス革命とロシア革命を比べながら考えるのも大切なことなのではないかと思ったのでありました。

French Literature, History and Culture

P・マクフィー『ロベスピエール』~フランス革命恐怖政治の独裁者は本当はどんな人物だったのかを追うおすすめ伝記!

ロベスピエールはあまりに劇的な最期を遂げたため、死後様々な立場から多種多様に語られてきました。そこに「語る者」の意図がどうしても色濃く反映されてしまいます。

ですが著者のマクフィーは歴史家としてそこからなるべき距離を置こうとします。

権力に飢えた独裁者、冷酷無比な虐殺者、政敵を無慈悲に断頭台に送り込んだ精神異常者。そんな単純な話で還元できるものではありません。

その姿勢こそ本書の最も特徴的なポイントであり、私が感銘を受けた点でした。

この本は人間の複雑さ、そして置かれた環境によって人間はどうなりうるのかということを考えさせられる名著です。

Learn about the life and thought background of Marx Engels

(50)マルクス『資本論』の執筆の流れをざっくりと解説!

マルクスはアダム・スミスやリカードなど経済学者たちの著作を研究し、そこにヘーゲル哲学を組み合わせることで独自の理論を作り上げていくことになります。

これは経済を専門にする経済学者や、哲学のみを探究する哲学者にはなかなか思いも寄らぬ方法でした。

マルクスは独自に新たな理論を生み出したというより、既存のものをうまく合成することで新たなものを生み出したということができるかもしれません。

Emile Zola, the blog author's favorite author.

Emile Zola's "Paris" Synopsis and Comments - From Lugon McCall to Beyond! This is Zola! How does a serious confrontation with religion end!

Paris" is the culmination of Zola's work on the "Lugon McCall Series. It is a work that is full of Zola's character, and one might be tempted to call it "THE Zolaism.

I feel that Zora is exactly what Japan needs today.

Perhaps no other writer has analyzed the workings of society as dispassionately as Zola and sought justice and truth.

Paris" is the best work I've ever seen. It made me love Zola even more. I hope it will spread to many people.

Emile Zola, the blog author's favorite author.

Synopsis and Comments on Zola's untranslated work "Rome" - Zola's indictment of the Vatican, which criticized the corrupt Vatican and inspired religious figures to rise to the occasion.

ゾラはルルドの泉での体験から『ルルド』、『ローマ』執筆へと向かっていくことになります。

そしてバチカンによって『ルルド』が公式に禁書目録に載せられたにも関わらずわざわざローマまで赴き、改革を直訴しに行くゾラ。ここに彼の本気さや、いかに彼が真剣に宗教に対して思う所があったかがうかがわれます。

今作はそんなゾラの思いが込められた作品であり、「三都市双書」最終巻『パリ』へと繋がっていく作品になります。

Emile Zola, the blog author's favorite author.

Synopsis and Impressions of Zola's Untranslated Work "Lourdes" - How Zola, who values scientific analysis, viewed the "Miracle of the Fountain of Lourdes".

さて、今回ご紹介する『ルルド』は実はまだ邦訳がなされておりません。

なぜこの作品を読んでもいないのにあえて紹介しようとしたのかといいますと、この『ルルド』を含む「三都市双書」がゾラの宗教観を考えていく上で非常に重要なものとなっているからなのです。

「三都市双書」は最終作『パリ』だけが邦訳されていて、前二作は未だ邦訳されていません。ぜひぜひ邦訳されることを願ってという意味もこの記事に込めています。

Tolstoy, the Russian Giant

Tolstoy's "Lucerne" Synopsis and Impressions - Tolstoy's furious incident at a famous Swiss health resort. An indictment of the upper class.

ルツェルンは当時世界的に有名な保養地で、多くの著名人もここに滞在しています。トルストイもその一人です。

今作『ルツェルン』ではここを訪れたトルストイが遭遇した「ある事件」がもとになって書かれました。

トルストイが大激怒したルツェルン事件。

短編ながらも非常に大きな意味を持った作品となっています。