Tolstoy

French Literature, History and Culture

R.J. Goldsteen, "Political Censorship: in Nineteenth-Century Europe," The Turbulent Nineteenth Century. What did it mean for publishing, music, and culture?

この本は19世紀における検閲とは実際にいかなるものだったのかということを様々な角度から詳しく見ていきます。

出版の検閲に関してはこれまで当ブログで紹介してきたロシア文学もかなり関係が深い項目です。ドストエフスキーもツルゲーネフもトルストイもチェーホフも皆検閲に苦しめられています。

ロシア文学だけでなくヨーロッパ各国でどのような検閲が行われているかということが知れて非常に興味深い1冊でした。

French Literature, History and Culture

Summary and Impressions of Kosei Ogura's "The Social History of "The Secret of Paris"" - What is Eugène Hsu's Newspaper Novel that Influenced Dostoevsky and Marx?

本書ではウージェーヌ・シューの作品を見ていくことでこの人物がいかに優れた業績を残していたかを目の当たりにすることになります。

十九世紀フランスの出版事情やメディア業界の裏側も知れるものすごく刺激的な作品となっています。これは面白いです。ぜひぜひおすすめしたい作品となっています。

フランス文学だけでなく、ロシア文学やイギリス文学、マルクスを考える上でも非常に興味深い指摘が次々と出てきます。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

French Literature, History and Culture

W.D. Litt, "The Life of Stendhal" - Recommended biography of the leading French writer who served in Napoleon's expedition to Moscow!

私もこの伝記を読んで驚いたことがたくさんありました。

そもそもスタンダールという名前がペンネームであったことや、ナポレオンとのつながりについても非常に興味深いものがありました。

特にスタンダールがあのモスクワ遠征に従軍していたという事実には仰天しました。

19世紀フランス文学を知る上でもスタンダールは避けては通れない存在です。そのスタンダールの生涯をわかりやすく知れるこの伝記は非常におすすめです。面白いです。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

French Literature, History and Culture

The Acts of Napoleon - Does reading conquer the world? Literary youth Napoleon and reading - I thought about why literary greats admired Napoleon.

この作品はナポレオンが遺した手紙や言葉をパリの歴史家オクターヴ・オブリが編集したものになります。

この作品を読んでいて印象に残ったのはやはりナポレオンの言葉の強さでした。ナポレオンといえば軍人というイメージが強いかもしれませんが、驚くべきことに圧倒的な文才も兼ね備えていたのです。

ナポレオンが鬼のような読書家であったこと。そしてそこから多くのことを学び、人々の心を動かし皇帝にまでなったということ。

そのことをこの作品では知ることができます

French Literature, History and Culture

Mike Rapport, "The Napoleonic Wars" - A recommended reference book that looks at the characteristics of the Napoleonic Wars from various perspectives!

この本は「ナポレオンの天才的な軍事作戦」を解説するタイプの本ではありません。それよりもこの戦争が起きた背景や、戦争遂行に必要な様々なものをじっくりと見ていく作品になります。

ナポレオン一人の存在で戦争が起こったのではなく、すでに十八世紀の国際状況がそれを誘発するものをはらんでいたということ。そしてナポレオンの天才ぶりばかりが強調されがちな中で、実はその戦勝の背景にある個々の兵士たちの存在が大きな意味を持っていたこと。それらをこの本では学ぶことができます。

French Literature, History and Culture

A. Horn, "The Napoleonic Era" - A recommended commentary for a compact study of Napoleon's life, characteristics, and impact on society!

この本の特徴はナポレオンその人だけでなく、この時代の社会の様子も知れる点にあります。ナポレオンの登場によって社会はどのような影響を受けたのか、人々の暮らしはどのように変わったのかということを知ることができます。

軍人ナポレオンの足跡はもちろん、文化面まで幅広く見ていけるのはとてもありがたいです。

特に第5章の建築や、第7章の娯楽については他の参考書ではなかなか見ることがない内容だったのでこれは興味深かったです。

French Literature, History and Culture

『ビジュアル選書 ナポレオン』~ナポレオンの入門書としておすすめの図版多数のガイドブック!

この作品の特徴は何と言っても図版の充実ぶりにあります。タイトル通り、ビジュアルと共に人物とその特徴を追っていくのが本書になります。

解説の文章も初学者でもわかりやすいように書かれ、当時の時代背景も語ってくれるのもありがたいです。

この作品はナポレオンを知る入門書として非常におすすめです。

分量も150ページ弱と、とてもコンパクトなものとなっています。

これはぜひぜひおすすめしたい作品です。

Tolstoy, the Russian Giant

Tolstoy's 10 recommended works, commentaries, and a list of his works - Experience the overwhelming scale of the Russian giant!

今回の記事ではこれまで当ブログで紹介してきた作品の中から特におすすめの作品を10作まずは紹介し、その後おすすめの解説書とその他作品の一覧を紹介していきたいと思います。

おすすめ作品選から漏れてしまった作品もトルストイを知る上ではどれも外せない作品です。トルストイは意外と作品が多く、当ブログで紹介していない作品もたくさんあります。ですので基本的には当ブログで紹介した作品は本当はすべておすすめ作品という位置づけなのですが、その中でも特にということで10選を選ばせて頂きました。

The Industrial Revolution and British and European Society

海野弘他『レンズが撮らえた19世紀ヨーロッパ』~19世紀西欧を写真で概観するおすすめガイドブック!

この本では同時代の国家間のつながりはどのようなものだったのか、それぞれの国の特徴はどのようなものだったのかということを知ることができます。しかも写真が大量にありますのでとてもイメージしやすいです。

そしてこの本のタイトルにもありますように、カメラと写真技術そのものの歴史も知ることができます。カメラの技術が発明されたのが1839年で、そこからあっという間にその技術は進歩し1840年代にはかなり性能のよいカメラ技術も出てきます。

これは刺激的な1冊です!

Marx Engels Writings and Related Works

『人類の知的遺産49 バクーニン』~ロシアの革命家バクーニンの生涯を知るのにおすすめの伝記

前回の記事で紹介したゲルツェンと同じく、マルクスを知るために同時代の革命家たちのことを知ろうということでこの本を取りました。バクーニンもマルクス伝記を読めば必ず出てきますし、ドストエフスキー伝にも出てくる人物です。

バクーニンはロシアの大貴族の家に生まれました。前回紹介したゲルツェンもそうでした。19世紀ロシアを代表する革命家の二人が共に大貴族の息子という事実は驚きでした。ちなみに1917年のロシア革命の立役者になるレーニンも貴族の生まれです。

とにかくぶっ飛んだ強烈な個性を目の当たりにすることになります。

この伝記もとても面白かったです。この本もおすすめです!