(former) Soviet Union

Tolstoy, the Russian Giant

篠野志郎『写真集 東アナトリアの歴史建築』~知られざるトルコ、アルメニア、シリアの独特な教会建築とは!

今回紹介した『写真集 東アナトリアの歴史建築 Stone Arks in Oblivion』も非常に貴重な作品です。こうした作品に出会えたことはとても幸運なことに思えます。この本が世に出たということの意味を考えさせられました。

正直、かなりマニアックな本です。私もトルストイを通してカフカースを学んでいなかったら一生出会わなかったジャンルの本だと思います。ですが、この本のパワーは本物です。ぜひおすすめしたい作品です。

Learn about the life and thought background of Marx Engels

(42)マルクスは実は貧乏ではなかった?~ブルジョワ的出費と破滅的な金銭感覚

エンゲルスは父の経営する綿工場に勤めることになり、初任給から300ポンドという高給を取り、後には年収1000ポンドという高所得者となります。これを今日の貨幣価値に換算すると1500万円ほどになります。

そしてマルクスが彼から受けた経済援助はなんと、20年で少なくとも4500万円以上だったと言われています。それでもマルクスが貧困に苦しんでいたのはなぜだったのでしょうか。それをこの記事で見ていきます

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(41) The awkward truth that "Capitalism" was written with money obtained through the exploitation of workers

「気まずい真実は、エンゲルスの豊かな収入が、マンチェスターのプロレタリアートの労働力を搾取した直接の結果だったということだ。

彼とマルクスがあれほど細部にわたって非難した諸悪そのものが、彼らの生活様式と哲学に資金を供給していたのだ。」

エンゲルスは父の会社に就職し、そのお金をマルクスに送金していました。労働者を搾取する資本家を攻撃していた二人がまさにそうして生活していたという矛盾が今回読む箇所で語られます。

Tolstoy, the Russian Giant

篠野志郎『アルメニア共和国の建築と風土』~世界最古のキリスト教国の独特な教会建築を知れるおすすめ写真集!

この作品は世界最古のキリスト教国として知られるアルメニアの教会群を取材した写真集になります。

アルメニアの首都エレバンからはあのノアの箱舟で有名なアララト山を望むことができます。私がアルメニアに興味を持ったのもまさにこのアララト山の存在があったからでした。

歴史ある建築物の写真を見ながら、独特な歴史を歩んできたアルメニアの文化を知れる貴重な作品です。

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Yoko Hirose, "Caucasus: Crossroads of International Relations" - Recommended reference book for understanding the political situation in the modern Caucasus and Russia.

北コーカサスのチェチェンについては多くの本がでていますが、ジョージア、アルメニア、アゼルバイジャンの三国についてもわかりやすく解説してくれる本となるとなかなか貴重です。

この本は2008年に出版された作品ですので、2022年段階では最新の情報というわけではありません。ですがソ連崩壊から15年以上経った段階でのカフカースを知る上で今なお価値ある作品だと思います。

難しいコーカサス情勢をわかりやすく知れるおすすめな1冊です。

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(39)マルクス・エンゲルスのイギリス亡命生活の始まり

フランス二月革命を経てマルクス・エンゲルスは共に政治犯として追われる身になっていました。

そこでマルクスは政治犯でも受け入れてくれるイギリスを亡命先として選ぶことになります。

エンゲルスもそうしたマルクスを追い、イギリスへと向かうことになったのでした。

そしてそこでのエンゲルスの決断がまた驚きです。やはり彼は矛盾をものともしない図太い神経があったのでした。

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(38) The Impact of the French February Revolution of 1848 and Engels on the Revolutionary Battlefield

革命を待ちに待っていたマルクス・エンゲルスはブリュッセルにいてその場に立ち会うことができませんでしたが、彼らは歴史の必然としてやってくるであろうプロレタリアート革命に向けて政治活動を熱心に行います。

しかし1848年のフランス二月革命をきっかけにヨーロッパ各地で起きた革命はマルクス・エンゲルスが予想していた展開とは全く異なる動きを見せ始めるのでした。

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V. Belize, "Historical Architecture of Georgia: Christian Architectural Art of the Caucasus" - Recommended for a preliminary study of tourism in Georgia!

この作品はジョージアの独特な教会建築を余すことなく解説してくれる非常に貴重なガイドブックとなっています。

日本ではジョージアの教会についてはほとんど知られていませんが、その独特な構造や美しさは写真を見ただけでもどきっとするほどです。

そしてこの本では教会建築の解説だけではなく、教会を巡るための旅のガイドまで掲載してくれています。

これは貴重な1冊です。

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The Kafkaes: The Boundary Where Two Civilizations Intersect - Recommended to learn about the connection between the Kafkaes and Russian literature!

私がこの本を手に取ったのはトルストイ伝記の金字塔、藤沼貴著『トルストイ』でこの作品が紹介されていたからでした。

この作品はそれぞれの分野の専門家による共著になります。この本では文学だけでなく様々な観点からカフカースを見ていくことができます。

私はトルストイとの関係性からカフカースに関心を持つようになりましたが、入り口は人それぞれだと思います。そんな中多様な視点からカフカースを見ていくこの本の試みは非常に面白いなと思いました。

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(37) The shocking fact that Marx's proletariat was a creation of revolutionary theory

今回の記事で紹介する箇所はマルクス主義を考える上で非常に重要な問題を提起していると思います。

マルクスは何のために共産主義を説いたのか。

本当に貧しい人を救うためだったのか。

なぜマルクスやエンゲルスは自説とは矛盾した行動を取り続けたのか。

こうしたことを考える上でも今回の箇所は私にとっても非常に大きなものになりました。