Christianity

The Italian Renaissance and the Revolution of Knowledge

M・ヴィローリ『マキァヴェッリの生涯 その微笑の謎』~時代背景や『君主論』がなぜ書かれたかもわかるおすすめ伝記!

「読者は、マキァヴェッリが過ごした日々を脳裏に思い描きながら、彼が生きた時代を追体験することができるだろう。」

まさにこれです。この伝記は彼がどんな生涯を生き、何と戦っていたのかということを臨場感満載で追っていくことになります。

私はこの本を読んで驚きました。「マキァヴェッリってこんな目にも遭っていたのか!」とショックを受けました。まさか彼が失脚させられ謀反の疑いまで掛けられ、愛するフィレンツェの街から拷問までされていたとは・・・

そして田舎に閉じこもり書物と向き合い、そこから自身の外交官体験と照らし合わせて作られたのが『君主論』だった。この流れには痺れました。

The Rise and Fall of the Roman Empire, the Vatican, and Roman Catholicism

石鍋真澄『カラヴァッジョ ほんとうはどんな画家だったのか』~誤解された生涯やマタイ問題を問い直す名著!

この本の「カラヴァッジョに関しては、事実と推測や仮説とが節操なく語られているのが実情だ」という著者の指摘はドキッとするものがありました。と言いますのも、これまで私もいくつかカラヴァッジョについての本を読んできたからです。

案の定、この本では「え!?そうなの!?」という事実がどんどん出てきます。

この作品はカラヴァッジョの生涯や特徴を時代背景と共に見ていける貴重な作品です。とても刺激的で興味深い作品でした。カラヴァッジョや当時の時代背景を知りたい方に特におすすめしたい名著です。

British and German Literature, History and Culture

Harumi James, "The Scarlet Queen" - Recommended biography to learn about the life of Mary, Queen of Scots, a tragic, too tragic woman.

悲劇的、あまりに悲劇的!

この伝記を読んで私は思わず頭を抱えてしまいました。

こんなに悲劇的な人生があるだろうかと思わず涙が出そうになってしまいました。

この伝記で描かれるメアリ・ステュアートがあまりに魅力的で、こんな偉大な人物がどうしてここまで悲劇的な目に遭わなければならないのかと運命を恨みたくなります。

この伝記はぜひぜひおすすめしたいです。ジェイムズ治美さんの語り口も素晴らしく、あっという間に引き込まれてしまいました。この本を読めばイギリス・スコットランドの見え方が変わってくるほどです。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

The Rise and Fall of the Roman Empire, the Vatican, and Roman Catholicism

アンドレ・シャステル『ローマ劫掠 1527年、聖都の悲劇』~神聖ローマ帝国軍によりローマが破壊略奪された衝撃の事件とは

この本は石鍋真澄著『教皇たちのローマ』とセットでおすすめしたい作品です。

荘厳で圧倒的な美しさを誇るバチカンの信じられない歴史を目の当たりにすることになります。

私はこの本を読んでからのこの一か月弱、いまだにそのショック状態から抜け出せておりません。それほどの衝撃です。宗教だけでなく、人類の歴史としてこの出来事は非常に大きな意味を持っていると私は感じています。

The Rise and Fall of the Roman Empire, the Vatican, and Roman Catholicism

江村洋『カール五世 ハプスブルク栄光の日々』~スペイン最盛期の王カール五世の生涯と当時の西欧事情を知れるおすすめ作品

「この男をもって、ハプスブルク家は最盛期を迎える。若きスペイン王として君臨し、皇帝の冠を抱いたのちは、ヨーロッパだけでは飽きたらず、アフリカにまでその手を伸ばした戦いと栄光の日々。しかし、王家と自身の黄昏は、静かに忍び寄っていた―。ハプスブルク家が光に満ちた最後の姿を描いた傑作評伝」

この本はサッコ・ディ・ローマ事件について知りたかった私にとって非常にありがたい作品でした。中世ヨーロッパに君臨した巨大な王の生涯を知れる素晴らしい一冊です。

The Rise and Fall of the Roman Empire, the Vatican, and Roman Catholicism

江村洋『ハプスブルク家』~ヨーロッパを支配した王家の歴史を知るのにおすすめの入門書

この本はタイトル通り、長い歴史を持つハプスブルク家がいかにして始まり、どのように勢力を増していったのかということが非常にわかりやすく説かれています。

読んでいて「へぇ~!そうなんだ!」とびっくりすることが何度も何度もありました。これまで中世ヨーロッパまでなかなか手が回らなかったためその歴史はほとんど知りませんでしたが、当時のヨーロッパはこんな状況だったのかとまさに目から鱗でした。これは面白いです。
中世ヨーロッパに興味のある方、繁栄を極めたハプスブルク家に興味のある方にぜひおすすめしたい作品です。

Shakespeare, a treasure trove of masterpieces

Shakespeare's "Henry VIII" Synopsis and Comments - The rise and fall of the king and his entourage as they struggle to find an heir. The story of the birth of Queen Elizabeth.

Henry VIII was a real person who reigned as King of England from 1509 until his death in 1547.

そして男の世継ぎを生めなかったキャサリン妃との離婚問題からバチカンと対立しそのままイギリス国教会を設立したという、イギリスの歴史においても屈指の重大事件を巻き起こした人物でもあります。

The current work, "Henry VIII," will tell the story of the king's suffering and the rise and fall of his entourage, centered on his divorce.

The Rise and Fall of the Roman Empire, the Vatican, and Roman Catholicism

陶山昇平『ヘンリー八世 暴君かカリスマか』~王の離婚問題とイギリス国教会創設の流れを知れるおすすめ伝記

この本はものすごく面白いです。著者の語りも素晴らしく、歴史の流れがすっと入ってきます。ヘンリー八世という圧倒的カリスマの驚異の人生を私達は目撃することになります。

この本はシェイクスピアファンにも強くおすすめしたいです。この王の娘が後のエリザベス女王であり、その治世で活躍したのがシェイクスピアです。彼が生きた時代背景を知ればもっとシェイクスピア作品を楽しむことができます。時代背景を離れた芸術はありません。私にとってもこの伝記は非常にありがたいものとなりました。

The Rise and Fall of the Roman Empire, the Vatican, and Roman Catholicism

石鍋真澄『教皇たちのローマ』15~17世紀のローマ美術とバチカンの時代背景がつながる名著!1527年のローマ劫掠の衝撃!

私はこの本に衝撃を受けました。それは私の中にあった常識が覆されたかのような凄まじいショックでした。

なぜ私がそこまで強烈なインパクトを受けたのかと言いますと、この本に出てきた1527年のローマ掠奪(サッコ・ディ・ローマ)があまりにショッキングな内容だったからです。

この事件は1527年にローマが攻撃され、虐殺、略奪の限りが尽くされた恐るべき出来事です。

そしてそれを行ったのが何を隠そうカトリック王カール五世の神聖ローマ帝国軍でした。

この本ではそんな衝撃のローマ史が語られます

The Italian Renaissance and the Revolution of Knowledge

Erasmus' "The Lover's Praise" Synopsis and Impressions - A satirical work by the world's first best-selling author, the originator of humanism.

この作品は真面目くさった神学者や哲学者を風刺して、人間とはいかなるものかをユーモアたっぷりに描いています。腐敗した聖職者への批判も書かれており、よくこの作品をカトリック教会が許してくれたなと読んだ瞬間思ったのですが、案の定この作品はカトリックの禁書目録に入ることになったようです。

巨大な出版業界がまだ存在していない段階にしてベストセラー作家として最高の地位にあったエラスムス。

その人気の源泉となった作品が『痴愚神礼讃』です。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。