Shinran and Dostoevsky/World Literature

Learn about the life and thought background of Marx Engels

(3)エンゲルスの生地、工業地帯ヴッパータールの宗教事情とは

エンゲルスが育ったドイツの工業都市バルメンの宗教事情ははまさしくヴェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』で語られることと重なっています。

ドイツにおいてエンゲルスがこうした環境の中で育っていたというのは驚きでした。

この記事ではそんなバルメンの宗教事情とエンゲルスの家庭環境、若きエンゲルスの宗教に対する見方をお話ししていきます。

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(2)エンゲルスの恵まれた家庭環境と故郷の町バルメン(現ヴッパータール)の社会事情とは

エンゲルスは1820年にドイツのバルメン(現ヴッパータール)という町で生まれました。

エンゲルス家は典型的な上流ブルジョワ家庭であり、綿工場の経営者の御曹司として何一つ不自由のない温かな家庭で生活していたのでした。

ドイツの新興工業地帯に生まれたエンゲルス。彼はここで工業化がもたらす悲惨な環境破壊や労働者の貧困を間近で見ながら育っていくことになります。

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(1)エンゲルスを学ぶ意味とは~マルクスに多大な影響を与えた人物としてのエンゲルス像

これから先、「マルクスとエンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ」シリーズと題して全69回、更新を続けていきます。これを読めばマルクスとエンゲルスの思想が出来上がる背景をかなり詳しく知ることができます。

そしてこれはマルクス・エンゲルスを知るだけではなく、宗教、思想、文化、政治、いや人間そのもののあり方についても大きな示唆を与えてくれるものになっています。

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The Lives of Marx and Engels in Chronological Order - What is their tumultuous life and joint ventures?

Later in this article, we will look at their lives based on biographies about Marx and Engels, but in this article we will first take a quick look at their lives in chronological order.

Marx and Engels are often spoken of separately, but what I felt reading their biographies was how their lives overlapped.

Therefore, rather than looking at the two lives they followed as separate entities, I will use a single chronology in this article.

Recommended Marx-Engels Biography

Tristram Hunt, "Engels: The Man Marx Called General" - A recommended biography to learn about the life and thought background of the genius who supported Marx!

This biography does not take the position of overly glorifying or attacking Marx or Engels. It distances itself from such excessive ideological bias and is based solely on historical facts.

And this book showed me how much Engels had influenced Marx's writings.

It was such a great biography that I think you will learn more about Marx by reading this book than by reading a biography or commentary of Marx. I would highly recommend reading this book in addition to the biography of Marx.

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玉川寛治『『資本論』と産業革命の時代―マルクスの見たイギリス資本主義』~現地取材によるリアルな記事が魅力の参考書

産業革命について書かれた本はいくつもあれど、「マルクスとエンゲルスが見た」視点から産業革命をじっくり見ていこうという本はなかなか貴重です。写真やイラストも多いのもありがたいです。

マルクスとエンゲルスは実際に産業革命時代を目の当たりにして生活していました。そんな彼らの実体験があったからこそ彼らの思想、作品は生まれてきています。彼らの思想を学ぶ上でも産業革命とはどのようなものだったのか、そして彼らがそれをどのように考えていたかを知ることは非常に重要なことだと思います。

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トーマス・ニッパーダイ『ドイツ史 1800-1866』~ゲーテ、マルクスらを生んだ18~19世紀ドイツの時代背景を知るのにおすすめ!

この本の特徴は18世紀末から19世紀にかけてのドイツの時代背景を様々な角度から詳しく見ていく点にあります。

思想、文化は当時の時代背景に大きな影響を受けます。ある一人の人間の思想や理論が世界を動かしたというのでなく、その背後には複雑な政治情勢、国際政治、歴史の流れが関係してきます。時代背景や歴史、文化を見ないで、思想やイデオロギーありきで世界を語っていくことへの危険性をこの本では指摘しています。
19世紀ドイツの全体像を眺めるのにとても役に立つ1冊だと思います。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

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ウルリケ・ヘルマン『スミス・マルクス・ケインズ よみがえる危機の処方箋』~古典経済学の流れを知るのにおすすめ!

マルクス以前とマルクスはどこが違うのか。マルクス以後とマルクスは何が違うのか。

この本はそうしたことを比べながら見ていくことができるので非常にわかりやすいです。やはり比べてみて初めて見えてくることもありますよね。

マルクスのことを歴史の流れ、時代背景と絡めながら見ていけるこの本は素晴らしいです。非常に広い視野で書かれた逸品です。

これはぜひぜひおすすめしたい1冊です。マルクスだけでなく、アダム・スミスやケインズを学びたい方にもおすすめです。

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Marx without Myths: An Edited Historical Study of His Life and Writings - The best way to understand what Marx was referring to!

What I appreciate about this book is that it explains in detail what Marx's influences were and what kind of research he did in reference to them.

Moreover, it is listed in chronological order, which is very helpful in Marx research. Thanks to this work, I can refer to what I am going to read in the future.

This was very interesting to me because Marx was famous for being a voracious reader and student, and it is easy to see what he was reading.

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フランシス・ウィーン『カール・マルクスの生涯』~人間マルクスを追求したイギリス人作家による伝記

フランシス・ウィーンは自分の著作はどちらかのイデオロギーに偏ったものではなく、神でも悪魔でもない「人間マルクス」を描いたとこの作品で言っています。つまり、「中立的」な立場から伝記を書いたと述べています。

ただ、あらゆるジャンルのものについてもそうなのですが、マルクスほど「中立な立場」で見ていくことが難しい人物はいないかもしれません。

この伝記は読みやすさはあるものの、注意して読まなければならないタイプの書籍であると私は感じました。