Learning from the Bosnian Conflict and the Tragedy of the Rwandan Genocide: International Conflicts after the Cold War

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ルワンダの虐殺を学ぶのにおすすめの参考書7作品~目を背けたくなる地獄がそこにあった…

ルワンダの虐殺はあまりに衝撃的です。トラウマになってもおかしくないほどの読書になるかもしれません。それほどの地獄です。人間はここまで残酷になれるのかと恐れおののくしかありません。

私はボスニア紛争をきっかけにルワンダの虐殺をこうして学ぶことになりましたが、これらの本を読んでいてボスニア、ルワンダ、ソマリアのそれぞれが特異で異常なのではなく、人間の本質としてそういうことが起こり得る、誰しもがやってしまいかねないものを持っているのだということを改めて思い知らされることになりました。

目を背けたくなるような歴史ではありますが、ここを通らなければ、歴史はまた形を変えて繰り返してしまうことでしょう。そうならないためにも私たちは悲惨な人間の歴史を学ばなければならないのではないでしょうか。

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千田善『ユーゴ紛争』~ユーゴ紛争はなぜ起こったのかがコンパクトにまとめられたおすすめの参考書

この本では著者が、「旧ユーゴ崩壊から二年あまりが過ぎ、戦局は泥沼化しているが、いたずらに民族主義をあおるしか能がない各民族の指導者が、武力による支配地拡大一辺倒の対決策を繰り返してきた責任も、問われなければならない。」と93年の段階で述べているのが非常に印象的でした。

ユーゴ紛争はなぜ起こったのか、そのきっかけは何だったのか、なぜ泥沼化してしまったのか。それをリアルタイムで取材した著者の言葉は非常に重いです。

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『アイダよ、何処へ?』あらすじと感想~ボスニア紛争の実態を描いたアカデミー賞ノミネート作品

『アイダよ、何処へ?』はボスニア紛争のスレブレニツァの虐殺を題材にした映画です。今年度のアカデミー賞にもノミネートされ、今話題になっています。

スレブレニツァの地は2019年の私の旅の中でも最も印象に残った地です。この映画を観て、あの場所で実際に起きていたのはこういうことだったのかと改めて戦慄しました。

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栁澤寿男『バルカンから響け!歓喜の歌』~バルカンで生き抜く日本人指揮者の驚異の物語

紛争後の複雑な政治情勢や荒廃したインフラ、民族感情など、著者の語る苦労は並々ではありません。
ですがそんな中でも音楽の力を信じ突き進み、奇跡を起こしたこの物語には本当に痺れました・・・!
この本には救いがあります。悲惨な憎しみの世界にあって音楽の力で平和と希望を蘇らせるのだという強いメッセージが伝わってきます。

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『ブラックホークダウン アメリカ最強特殊部隊の戦闘記録』あらすじと感想~大ヒット映画の原作!ソマリアの惨劇を知るのにおすすめ

この作品はリドリー・スコット監督の大ヒット映画『ブラックホーク・ダウン』の原作となった作品です。

このソマリアでの戦闘は後のアメリカの軍事介入に大きな影響を及ぼすことになりました。

これまで当ブログでも紹介してきたボスニア紛争やルワンダの虐殺で国連の平和維持活動が機能不全に陥ったのもまさにこの事件の影響が非常に大きかったとされています。

それまでのアメリカや先進諸国は圧倒的な武力をもって介入すれば、発展途上国の紛争は簡単に鎮圧できると考えていました。しかしその楽観的な考え方が崩壊した事件こそこのブラックホークダウンだったのです。

この時点でルワンダの虐殺やスレブレニツァの虐殺の最終カウントダウンが始まっていたのかもしれません・・・

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『隣人が殺人者に変わる時 和解への道―ルワンダ・ジェノサイドの証言』~虐殺者と共存する地獄。赦しとは一体何なのか

この本は『隣人が殺人者に変わる時』三部作の最後を飾る作品です。ラストの作品にふさわしく、この本も凄まじい1冊です。個人的には三部作中最も印象に残った作品です。あまりに厳しい現実をこの本で突きつけられることになりました・・・
What is peace? What is man? What is sin and punishment? Good and evil, the problem of God. The problem of forgiveness.

The fundamental problems in human beings are packed in here. There are no answers. But the voices of people who have lived in extreme conditions are here. What do you think about when you listen to their voices? I think this is very important.

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『隣人が殺人者に変わる時 ルワンダ・ジェノサイドの証言 加害者編』~加害者は虐殺後何を語るのか

前回紹介した本ではルワンダの虐殺の生存者のインタビューが収められていましたが、この作品ではそれとは逆に加害者の声を聞くことになります。

正直、読んでいて暗い気持ちになり、胸がむかむかしてきます・・・被害者は全てを失い、生き残った者も絶望的な苦しみを味わい続けています。しかし、それに対し加害者側はどうなのか。この本をそれを知ることになります。

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『隣人が殺人者に変わる時 ルワンダジェノサイド 生存者たちの証言』~衝撃の三部作!ルワンダ虐殺の実態を知るのにおすすめ

This trilogy is just shocking.

What is peace? What is man? What is sin and punishment? Good and evil, the problem of God. The problem of forgiveness.

The fundamental problems in human beings are packed in here. There are no answers. But the voices of people who have lived in extreme conditions are here. What do you think about when you listen to their voices? I think this is very important.

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P. Rusesabakina, "The Man from Hotel Rwanda" - The genocide began with "words"... The reality of the horrific ethnic genocide

ルワンダの虐殺中、危険を顧みずおよそ1200人もの人の命を救ったホテルマンの物語。この出来事は映画化され、世界中でヒットしました。 この本もルワンダの虐殺を知る上で非常に貴重な一冊です。

なぜ人々はあっという間に虐殺者に変わってしまったのか。彼はその原因を「言葉」だと言います。私はこの本を初めて読んだ時、鳥肌が立ちました。この「言葉」を聴いて私は伊藤計劃さんの『虐殺器官』を連想してしまったのです。

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R・ルラングァ『ルワンダ大虐殺 世界で一番悲しい光景を見た青年の手記』~神はなぜ虐殺から救ってくれなかったのか…

この本は尋常ならざる本です。普通の歴史の本とは違います。事実の流れを追って解説していく本ではありません。ジェノサイドを経験した著者の実体験とその魂の内奥がここに記されています。あまりにショッキングで読んでいて血の気が引くような感覚になりました。