Travels in Rome" - Charms of the Theater City of Rome and Pilgrimage to Bernini

Travels in Rome" - Charms of the Theater City of Rome and Pilgrimage to Bernini

(33) Visit the Basilica of Sant'Andrea al Quirinale - Bernini's pantheon, an architectural masterpiece!

ここはローマ観光におけるメインルートには設定されない教会だと思います。パンテオンやコロッセオや真実の口など、ローマにはそれこそ名所中の名所が山ほどあります。それら名所中の名所を回るだけで日程が終わってしまうのも無理はありません。ですがこのサンタンドレア・アル・クイリナーレ聖堂はものすごい場所です。マニアックと言えばマニアックかもしれませんがぜひここも訪れてみてほしいです。本当にここにパンテオンがあるのです。しかも困難な条件の下でそれを成し遂げてしまったという驚異の建築なのです。ローマ滞在の折にはぜひベルニーニの最高傑作を皆さんにも味わってほしいです。驚愕すること間違いなしのすばらしい聖堂です。

私はこの聖堂に一瞬で魅了され、ローマ滞在中4度ここを訪れ、その度に感嘆していました。

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(32) Bernini, who incorporated the Jesuit Church of Jez and its founder Ignatius de Loyola's "Spiritual Manipulation" meditation method into his sculptures.

今回の記事ではベルニーニの芸術に大きな影響を与えたイエズス会の創始者イグナティウス・デ・ロヨラの『霊操』の瞑想と総本山ジェズ教会についてお話ししていきます。

あのザビエルが所属していた修道会がこのイエズス会です。そして私も学んでいて驚いたのですが、イエズス会ができたのはなんと1534年のことで、ローマ教皇パウルス五世に正式に認可されたのが1540年という割と最近の話だったのである。ザビエルはその創設メンバーの一人だった。イエズス会というと、植民地戦略や政治的な面をイメージしてしまいがちですが、実は瞑想や宗教的実践を強く重んじていた側面もありました。そしてベルニーニはまさにそうした宗教的実践を重んじ日々生活していて、それが作品に顕著に表れていたのでした。これは非常に重要なポイントであると私は思います。

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(31)サンタ・マリア・デル・ポポロ教会のダニエルとハバククの像~ベルニーニの神秘性と古代ローマのインスピレーション

この記事ではポポロ広場にあるサンタ・マリア・デルポポロ教会内キジ礼拝堂に納められたベルニーニ作『ダニエル』と『ハバクク』についてお話ししていきます。

この教会自体はベルニーニよりもカラヴァッジョの絵画で有名ですが、ここもベルニーニ巡礼には欠かせません。

『ダニエル』、『ハバクク』は後期ベルニーニの熟練の技と神秘表現がいかんなく発揮された作品です。彼の後期作品の特徴を知る上でもこれらの作品は非常に重要なものとなっています。

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(30)新たなパトロン教皇アレクサンデル七世の登場!ベルニーニ第二の黄金期を支えた建築教皇の存在!

教皇イノケンティウス十世が亡くなり、その後を継いだアレクサンデル七世というのがこれまたスケールの大きな人物でした。この人物の登場によりベルニーニは第二の黄金期を迎えることになります。

これから先の記事ではキジ礼拝堂やサンピエトロ広場、サンピエトロ大聖堂の『カテドラ・ペトリ』と『スカラ・レジア』、サン・タンドレア・アル・クイリナーレなどベルニーニの傑作を紹介していきます。

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(29) Bernini's "The Tomb of Maria Raggi" - Unique marble sculpture in the church of Santa Maria Sopra Minerva

「彫刻」と言うにはあまりに独特な姿の『マリア・ラッジの墓』。この作品があるサンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ教会はパンテオンからすぐ近くの場所にあります。私もパンテオンとセットでこの教会を見学しました。

それにしても独特。この作品が本当に石でできた彫刻なのかと驚きました。色もそうですが波打つような質感には開いた口が塞がりません。大理石で波打つ衣を表現するというその発想力!人間の彫刻において衣の質感を追求するというのはよくあることです。しかし布そのものを主役にして作品を作ってしまおうという大胆さには脱帽です。色の組み合わせもベルニーニらしさを感じる素晴らしい作品です。

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(28) "The Fountain of the Four Rivers" in Piazza Navona, Rome - Bernini's complete revival after his downfall! A masterpiece that even his adversary, the Pope, praised!

今回の記事では堅物なイノケンティウス十世の即位によって不遇の身となったベルニーニが完全復活を果たすきっかけとなったナヴォーナの広場の『四大河の噴水』をご紹介していきます。

現在でもローマ市民や観光客の憩いの場となっているナヴォ-ナ広場。この広場で一際目を引く噴水もベルニーニの優れた発想力の賜物でした。この噴水の素晴らしさと魅力をお伝えします。

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(27) Bernini's "The Laws of St. Teresa" - A masterpiece of Baroque art! The marvelous illusion of the Cornaro Chapel!

この記事ではベルニーニの最高傑作『聖女テレサの法悦』をご紹介します。

官能的とすらいえるほどの恍惚境が表現された衝撃的な彫刻です。

実際に現場で観てみた私も衝撃を受けました。この彫刻がバロックの最高傑作と言われるのがよくわかります。

I visited this church many times during my stay in Rome. No matter how many times I see it, I am always amazed. It is just shocking to see such a perfect manipulation of light at a time when there was no electricity and no lights. Bernini must have been a great artist.

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(26)ベルニーニの挫折と失脚~パトロンウルバヌス八世の死と鬼才ボッロミーニの台頭

イノケンティウス十世の即位によって失脚してしまったベルニーニ。黙々と『真実』の像を彫り続けるベルニーニであったが、やはり彼は偉大な男でした。

この『真実』という作品について石鍋真澄は「我々がこの作品から学びうるのは、べルニーニは常に何か仕事をせずにはいられない勤勉な性格の持主だったということ、そして彫刻は彼にとって究極的表現手段だったということである。」と述べています。

失脚し、人生初の挫折、屈辱を味わった時でもベルニーニは彫り続けたのです。ここにベルニーニの人柄が凝縮されていると思います。

そしてこの像とともに「真実こそ最大の美徳だ」という言葉を子どもたちに残したというのも彼らしい誠実さが伝わってくるのではないでしょうか。

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(25)ベルニーニ『トリトーネの泉』~ベルニーニのファンタジー世界が躍動する傑作噴水!

今回の記事ではローマ・バルベリーニ広場にあるベルニーニ作トリトーネの噴水をご紹介します。

この作品は噴水の仕組みとしては至ってシンプル。ほら貝の先から水が真上に噴き上がり、その水がランダムに跳ね返って滴り落ちていきます。このシンプルな作りながらなぜか目が離せなくなる水の動きには驚かざるをえません。

そしてこの噴水はなんともコミカルでかわいらしいです。かわいらしいイルカを見にぜひ皆さんもこの噴水を訪れてみてはいかがでしょうか。

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(24) Bernini's Raimondi Chapel - A stunning spectacle of light! Bernini as playwright and director

ローマ・トラステヴェレ地区サン・ピエトロ・イン・モントリオ教会のライモンディ礼拝堂。ここはまさにベルニーニの光の魔術が生み出された場所でもあります。

The Raimondi Chapel is the first work in which Bernini achieved complete mastery of light.

電気がない時代においてベルニーニはいわば独自の方法で舞台空間を照らすスポットライトを生み出したのです。

ベルニーニの演劇的手法、光のスペクタルの発想には脱帽です。これが1630年代の作品のだからなおさらです。

この教会で過ごした時間は私のローマ滞在の中でも特に印象に残っています。

ベルニーニの光のスペクタクルを感じるのにもこの教会は非常に素晴らしいスポットです。ぜひおすすめしたい教会です。