(4) Campidoglio designed by Michelangelo - an iconic Roman building overlooking the Roman Forum

Travels in Rome" - Charms of the Theater City of Rome and Pilgrimage to Bernini

(4) Campidoglio designed by Michelangelo - Rome's iconic structure overlooking the Roman Forum

いよいよこれより古代ローマの建造物を見ていく。

その最初にふさわしいものとして石鍋真澄はカンピドーリオを挙げている。

カンピドーリオ Wikipedia.

「すべての道はローマに通じる」というのはあまりに有名な言葉だが、ローマのどこに通じるのかというと、それはこのカンピドーリオなのである。カンピドーリオはローマ帝国のゼロ点であり、いわば帝国の力を象徴する場所であった。したがって、現在ローマに残る数々のモニュメントのうち、コロッセオは古代ローマを、そしてサン・ピエトロ大聖堂はキリスト教ローマを象徴するモニュメントだが、しかし、そうした垣根をとり払って、「ローマ」を象徴する「場所」はどこかと問われたら、私はちゅうちょなくカンピドーリオだと答える。実際、ローマの歴史を瞑想し、都市の成り立ちを理解するのに、カンピドーリオにまさるところはあるまい。

そうした意味で、古代ローマの遺跡見学はこのカンピドーリオの丘に立つことから始めたらいい、と私は思う。けれどもカンピドーリオに達するには、車の洪水をときに命がけで渡らなければならない。統一後整備されたヴェネツィア広場は、ローマの交通の要所として、車が絶えることがないからだ。しかし、ひとたびライオンの噴水に迎えられてゆるい傾斜の「コルドナータ(石段のある坂道)」を上りはじめると、そこはもう別世界の趣がある。

コルドナータを上りきるとカンピドーリオ広場に着く。正面の建物がパラッツォ・セナトーリオ(市庁舎)、右がパラッツォ・ディ・コンセルヴァトーリ、そして左がパラッツォ・デル・ムゼオ・カピトリーノと、三方を建物で囲まれ、広場の中央には有名なマルクス・アウレリウス帝の騎馬像が安置されている。ミケランジェロの設計になるルネッサンス建築・都市整備の傑作だ。

このミケランジェロが手がけたカンピドーリオ広場は、朽ち果てていたカンピドーリオを再建するという、いわばルネッサンス・ローマの夢を果たした作品で、完成までに一〇〇年以上の歳月を要した。ミケランジェロの設計どおりでないところも多いが、全体の構想と、それからとりわけすぐれているパラッツォ・ディ・コンセルヴァトーリの建築はゆっくり鑑賞する価値がある。私は彫刻家や画家としてのミケランジェロよりも、むしろ建築家、そして素描家としてのミケランジェロを真に偉大だと感ずる。五年ほど前にフィレンツェのラウレンツィアーナ図書館で建築家ミケランジェロの強烈な独創性に打たれたのは、忘れることのできない体験の一つだが、このカンピドーリオ広場もいつ訪れても私の期待を裏切らない。

Masumi Ishinabe, Yoshikawa KobunkanAs Long as St. Peter's Stands: My Guide to Rome.p68ー70

『「すべての道はローマに通じる」というのはあまりに有名な言葉だが、ローマのどこに通じるのかというと、それはこのカンピドーリオなのである'-' (used in place of '-')

漠然と知っていた言葉の背景を知れるのはやはり面白い。

そういう意味でも古代ローマを学ぶのであるならばまずはここからスタートすべきという石鍋真澄の言葉は非常に納得できるものがある。

そして何と言ってもやはり注目したいのが、現在のカンピドーリオがミケランジェロの設計だという点だ。ミケランジェロと言えば多くの人にとって彫刻や『最後の審判』のイメージがあるかもしれない。

だが、ミケランジェロはサン・ピエトロ大聖堂のドームの設計など、建築家としての優れた才能も持ち合わせていた。

石鍋真澄も絶賛するミケランジェロの建築家としての才能。それを堪能できるのがこのカンピドーリオなのである。

そしてカンピドーリオにはさらに重要な意味がある。

ところで、ニつの点に注意を促しておこうと思う。一つは、この広場の向きである。つまり、古代の中心であったフォロ・ロマーノの方ではなく、それとは反対の中世地区、そしてサン・ピエトロ大聖堂の方を向いているのだ。このことは、後にのべるが、古代の中心と中世の中心にはずれ,,があったという、ローマを理解する上でもっとも基本的な事実を裏づけるものである。そしてもう一つは、古代には聖地であり、中世には教皇庁のいわば対抗勢力であったコムーネ(都市国家)の政庁があったカンピドーリオを、教皇(パウルス三世)が整備したということは、一六世紀のはじめに市を完全に掌握した教皇庁の自信のあらわれだった、という点である。その意味で、教皇庁によるカンピドーリオ整備は、すでに始まっていた新しいサン・ピエトロ大聖堂建設と対をなす画期的大事業であった。

Masumi Ishinabe, Yoshikawa KobunkanAs Long as St. Peter's Stands: My Guide to Rome.p70-71

元々カンピドーリオは古代ローマの中心たる神殿だった。だからこそフォロ・ロマーノの方向を向いていた。

しかし16世紀のルネサンス期にそれとは反対側のサン・ピエトロ大聖堂方向を向いて再建築された。ここに重大な意味がある。

ローマ帝国が滅びたのは5世紀の後半のこと。帝国崩壊に際してローマ帝国の神殿であるカンピドーリオは徹底的に破壊された。それ以来ここは荒廃されるに任されていた。

ただ、ローマ帝国が崩壊したからといってローマを統治する有力者も全て消え去ったわけではない。帝国の代わりにこの地を収めたのがローマ・カトリックであり、それだけでなく有力な都市貴族がいたのもローマの実態なのである。そしてその土地貴族たちの拠点となっていたのがカンピドーリオにある市庁舎(コムーネ)だった。ある意味、ここはカトリック教会も好き勝手できないローマ土着の貴族たちの縄張りでもあったのである。

そこを16世紀になって初めて再建築したというのは非常に大きな事件だ。それだけローマカトリックの力が増してきたというのがここからうかがえるのである。ローマといえばバチカンやカトリックのイメージを持ってしまいがちだが、実はそんなに単純な話ではないのである。この街の歴史は想像以上に複雑なのだ。

では、これより実際にカンピドーリオを見ていくことにしよう。

カンピドーリオ前の石畳の坂道。階段ではないが単なる坂道でもない独特な形。歩いていて不思議な感覚になる。

歩くごとに徐々に視界が開けてきて、高揚感を感じる。これもミケランジェロの計算か。

坂を上りきってカンピドーリオ広場へ。正面の騎馬像がマルクス・アウレリウス像だ。こちらはレプリカで、オリジナルはここのカピトリーノ美術館に展示されている。

こちらがオリジナルのマルクス・アウレリウス像

ちなみにこのカピトリーノ美術館では有名なコンスタンティヌス帝の像も展示されている。キリスト教を公認し、ローマからコンスタンチノープル(現イスタンブール)へ遷都したことで知られるこの皇帝の像を見れるのもこの美術館の見どころだ。

カンピドーリオからはフォロ・ロマーノを一望することができる。上から見下ろす形でフォロ・ロマーノをじっくり体感できる素晴らしいスポットだ。石鍋真澄がA visit to the ruins of ancient Rome should begin with a stand on this hill of the Campidoglio.」と述べるのもよくわかった。ここに立つと期待感が高まる。私もこの数日後にこのフォロ・ロマーノの入場を予約していたのだが、「自分がこれから古代ローマの世界に入っていくのだ」というわくわくでいっぱいになった。

こちらは後日フォロ・ロマーノから撮ったカンピドーリオ(ちなみに、上のカンピドーリオ広場の青空の写真もこの時のもの)。古代ローマ時代はこちらに向かってカンピドーリオが立っていた。今はその背面がこちらを向いている。ちなみに上のフォロ・ロマーノを一望したポイントはこの写真の左上の辺り。人がいるのが見えると思う。私もそこからフォロ・ロマーノを眺めていたのだ。

最後に石鍋真澄が「カンピドーリオに達するには、車の洪水をときに命がけで渡らなければならない」と述べていた近辺の様子を。

たしかにここはバス停もたくさんあり、乗用車もひっきりなしに走っている。しかも横断歩道は一応あるものの信号がない。なのでひっきりなしに来る車と車の合間にさっと渡り切るしかない。慣れないとたしかに恐怖を感じる。

だが、こうしたひとつひとつの障害をクリアして目的地に向かうのもある意味達成感があって楽しい。こうしてたどり着いたカンピドーリオやフォロ・ロマーノの絶景は得も言われぬ快感を与えてくれる。これはやめられない。ローマの魅力にどっぷり浸かるまでもうあっという間だ。私も初日にしてローマの魅力にやられてしまっている。

次の記事では後日訪れたコロッセオについてお話ししていきたい。

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