Turgenev

DostoevskyDostoevsky's works

Four recommended works of Dostoevsky! A selection of gems and masterpieces of interesting Russian literature!

あのトルストイと並ぶロシアの文豪、ドストエフスキー。

ドストエフスキーといえば『罪と罰』や『カラマーゾフの兄弟』など文学界では知らぬ者のない名作を残した圧倒的巨人です。彼は人間心理の深層をえぐり出し、重厚で混沌とした世界を私達の前に開いてみせます。そして彼の独特な語り口とあくの強い個性的な人物達が織りなす物語には何とも言えない黒魔術的な魅力があります。私もその黒魔術に魅せられた一人です。

この記事ではそんなドストエフスキーのおすすめ作品や参考書を紹介していきます。またどの翻訳がおすすめか、何から読み始めるべきかなどのお役立ち情報もお話ししていきます。

パヴロフThe Industrial Revolution and British and European Society

『オックスフォード 科学の肖像 パヴロフ』「条件反射」やパヴロフの犬で有名なロシアの偉大な科学者のおすすめ伝記!

「条件反射」や「パブロフの犬」といえば現代の脳科学や神経の研究とも直結してくる内容です。ですのでもっと最近のものであったり、イギリスやドイツ辺りで研究されていたものとすっかり思い込んでいました。

それがまさか19世紀のロシアだったとは!

ドストエフスキーやトルストイが科学をほとんど感じさせない心理的、宗教的著作を描いていたまさにその時、パヴロフが科学的研究に勤しんでいた・・・

これはロシア文学のことだけを考えていると、正直なかなかイメージできないものがありました。そういう意味でこの伝記は当時のロシアを科学といういつもとは違った切り口から見ることができたありがたい作品でありました。

Dostoevsky and His Wife's Fateful Journey: Travels in Western Europe of Madness and Love

(1) A brief introduction to Dostoevsky (1821-1866 "from birth to around the time of "Crime and Punishment") before meeting his wife, Lady Anna.

This article will briefly review the first half of Dostoevsky's life before he met his wife, Lady Anna. It is quite difficult to summarize his tumultuous life in short, but we have tried to make it as compact and to the point as possible.

Knowing how difficult Dostoevsky's life had been, it becomes clear how fortunate he was to have met Madame Anna.

Dostoevskyism

山城むつみ『ドストエフスキー』~五大長編を深く読み込むための鋭い解説が満載のおすすめの参考書!

五大長編を幅広い視点から深く鋭く論じていくこの作品は圧倒的です。 そして私はこの本を読んですぐに感銘を受けました。特に冒頭、二葉亭四迷がドストエフスキーやロシア文学について語った箇所があるのですがこれがもう素晴らしいのなんの。 この二葉亭四迷の言葉で始まった本書はまさにその言葉通りの姿勢が貫かれた素晴らしい作品です。

特にバフチンのポリフォニーについての解説は非常にわかりやすいです。

ドストエフスキーの解説などでよく目にする「ドストエフスキー小説はポリフォニーである」という、わかるようでわからない難しい概念が山城さんの解説によって非常にクリアになります。これはおすすめです

Impressions of the Summer Recounted in Autumn - Trip to Paris and Georgia

(2) First walk in Paris. From Place de la Concorde to the Seine. Flinch at the casual stylishness of Parisians.

I arrived in Paris and took my first stroll. I headed to the Seine through the Place de la Concorde.

Place de la Concorde is also known as the place where Louis XVI and Marie Antoinette were executed.

And I was completely influenced by the Parisians at the front desk of the hotel.
Like Dostoevsky and Tolstoy, I was supposed to go to Paris with the spirit of "Come on, Paris, be prepared," but I was suddenly thrown off the track. I will be staying in Paris for the next week. What will I think of this city?

Tolstoy, the Russian Giant

Tolstoy's 10 recommended works, commentaries, and a list of his works - Experience the overwhelming scale of the Russian giant!

今回の記事ではこれまで当ブログで紹介してきた作品の中から特におすすめの作品を10作まずは紹介し、その後おすすめの解説書とその他作品の一覧を紹介していきたいと思います。

おすすめ作品選から漏れてしまった作品もトルストイを知る上ではどれも外せない作品です。トルストイは意外と作品が多く、当ブログで紹介していない作品もたくさんあります。ですので基本的には当ブログで紹介した作品は本当はすべておすすめ作品という位置づけなのですが、その中でも特にということで10選を選ばせて頂きました。

Marx Engels Writings and Related Works

『人類の知的遺産49 バクーニン』~ロシアの革命家バクーニンの生涯を知るのにおすすめの伝記

前回の記事で紹介したゲルツェンと同じく、マルクスを知るために同時代の革命家たちのことを知ろうということでこの本を取りました。バクーニンもマルクス伝記を読めば必ず出てきますし、ドストエフスキー伝にも出てくる人物です。

バクーニンはロシアの大貴族の家に生まれました。前回紹介したゲルツェンもそうでした。19世紀ロシアを代表する革命家の二人が共に大貴族の息子という事実は驚きでした。ちなみに1917年のロシア革命の立役者になるレーニンも貴族の生まれです。

とにかくぶっ飛んだ強烈な個性を目の当たりにすることになります。

この伝記もとても面白かったです。この本もおすすめです!

Marx Engels Writings and Related Works

長縄光男『評伝ゲルツェン』~おすすめ伝記!ロシアの革命家の波乱の人生とは

ゲルツェンはドストエフスキーやツルゲーネフなど、ロシアの文豪のことを調べていると必ず出てくる人物でありますし、今更新を続けているマルクスにも関係のある人物です。

この本を読むと意外な事実が驚くほど出てきます。革命家ゲルツェンがとてつもない大金持ちで、その資産運用をロスチャイルドに委託していたという事実も出てきます。これには私もびっくりでした。人間としても危険な革命家というわけではなく、あくまで穏健で理性的な人だったということも明らかになります。

ぜひぜひおすすめしたい1冊です。

Tolstoy, the Russian Giant

Tolstoy's "Shakespeare and Theatre Theory" Summary and Comments - Tolstoy hated Shakespeare with all his heart. What were the reasons for this?

この論文はシェイクスピア嫌いとして有名なトルストイがその理由を上下二段組で50ページほどかけて延々と述べていくという、ある意味驚異の作品となっています。

私はトルストイと反対にシェイクスピアが大好きですので、これは逆に気になる問題でもありました。「シェイクスピアの何が気に入らないんだろう。こんなに面白いのに」と思わずにはおれません。

この記事ではトルストイがなぜシェイクスピアを嫌うのかということをじっくりと見ていきます。

Tolstoy, the Russian Giant

Tolstoy's "Childhood" Synopsis and Comments - Tolstoy's debut novel, which surprised the Russian literary world!

この作品はトルストイ文学の原点であり、ここで駆使されたトルストイの文学的手法は後の作品にも貫かれています。

この作品を読めばトルストイの驚くほどの感受性、繊細さを感じることになるでしょう。

分量的にも文庫本で200ページ弱と、かなりコンパクトな作品です。文豪トルストイというと難解なイメージがあるかもしれませんが、この作品の語り口はとても読みやすいものになっています。

トルストイの特徴がどこにあるのかを知るにはこの作品は格好の入り口になります。