『マヌ法典』~インド・ヒンドゥー教社会の礎。世界創造から人間の理法まで壮大な規模で説かれた聖典

『マヌ法典』は単なる法律書のようなものではありません。『マヌ法典』を読み始めてまず驚くのは、いきなりこの聖典が天地創造の話から始まるということです。ブラフマンという創造主を中心にした壮大な宇宙論、世界観がまず語られ、そこから人はいかに生きるべきか、何を規範とし生活の掟としていくのかが語られていきます。

『マヌ法典』を読んでいるとまさに生活のあらゆる場面にヒンドゥー教の実践や思想が組み込まれていることを強く感じます。さらにそれだけでなく誕生から死までの通過儀礼においても細かな規定が定められていることもわかりました。まさに生まれてから死ぬまで、いや死後の世界までヒンドゥー教の世界観が貫かれているということを強く感じました。

『マヌ法典』は仏教を学ぶ上でも非常に意味のある聖典です。