シェイクスピア『タイタス・アンドロニカス』あらすじと感想~古代ローマを舞台にした初期の隠れた名作!『リア王』とのつながりも

『タイタス・アンドロニカス』はシェイクスピアの初期の作品です。つまり彼にとっての最初の古代ローマの劇が本作品になります。

主人公はタイトルにもなっている勇将タイタス・アンドロニカス。彼はローマのために命を懸けて戦い、忠実に国家に仕えてきた人物でした。

しかしお人よしのタイタスのある軽率な判断が全ての悲劇の始まりになります。

これまで地位も名誉もあった人間がよからぬ人間に権力を与えてしまったがゆえに起きる悲劇。

これはあの『リア王』を連想してしまいます。『リア王』もまさに娘たちの甘言を簡単に信じ込んでしまった老王の悲劇から始まりました。この作品は初期にして後期悲劇の片鱗が見える隠れた名作です