ヴォルテール『寛容論』~狂信、宗教対立に対するヴォルテールの告発とは!今こそ読みたい名著!

この本は「カラス事件」をきっかけに書かれ、当時の狂信に対するヴォルテールの激しい反発が込められています。

しかし、全体を読んでみると厳しい言葉や攻撃的な言葉が意外と少ないことに気づきます。彼は一線を越えないのです。この辺のバランス感覚の絶妙さがヴォルテールのヴォルテールたる所以であるように感じました。

彼はこの本で宗教的不寛容の実例をいくつも紹介し、その弊害を説きます。

『寛容論』は現代にも通じる名著です。寛容さが失われつつある現代こそ、この本は非常に大きな意味を持つのではないでしょうか。ぜひおすすめしたい1冊です。