ホフマン『砂男』あらすじと感想~ホフマン怪奇小説の代表作!ドストエフスキーの作風にも影響?

今回ご紹介した『砂男』はホフマン怪奇小説の典型的なパターンに沿った作品でした。

まず、主人公の前に怪しい男が現れ、そこから物語はスタートするもいよいよ謎は深まるばかり。

しかしふとしたことから一気に展開は動き、その男の謎が解き明かされ、狂気の正体が顔を出す。

これがホフマン怪奇小説の王道パターンです。

私はこうしたパターンを『砂男』から読んだとき、ふとドストエフスキーの『罪と罰』を連想してしまいました。この作品に出てくるスヴィドリガイロフというキャラクターもまさしくこうしたパターンに当てはまるような気がしたのです。

ドストエフスキーは若い頃ホフマンを愛読していました。その時の影響がもしかしたら様々な形でドストエフスキー作品にも表れているのかもしれない、そんな風に思ったのでした。