ニーチェ『善悪の彼岸』『道徳の系譜』あらすじと感想~道徳の起源とキリスト教倫理の成立を分析した作品

「深淵をのぞきこんでいれば、深淵もまたお前をのぞきこむ」という有名な言葉が収録されている『善悪の彼岸』。

そして『道徳の系譜』ではニーチェはキリスト教世界における道徳の歴史を分析し、考察します。

善人とは何か、悪人とは何か。はて、そもそも善悪とは何か。それは立場によって変わってくるのではないか。

いや、キリスト教道徳は悪が善に変わったという前代未聞の試みなのだ。弱きものが怨恨感情(ルサンチマン)によって強き者を引きずり落したのだとニーチェは驚くべき論を展開します。

『道徳の系譜』はニーチェ作品の中でも特に私の印象に残っている作品です。また、ニーチェの思想を知る上でもとてもおすすめな作品です。