ワシーリー・グロスマン『万物は流転する』あらすじと解説~スターリン死後も続くソ連抑圧時代の苦悩を描く傑作小説

訳者は「多くの人に、とくに若い人たちにグロスマンの作品を読んでもらいたい」、「全体主義の問題は今日でも大きな問題ですし、いつの時代にも権力と個人の問題は誰も避けては通れません。そして、そうしたものに対するグロスマンの投げかけた問いは、今日でも色あせてはいないのです。」と述べます。

『人生と運命』もそうでしたがこの小説も読むのがつらかったです。ですがその分衝撃もものすごかったです。よくぞこんなにえげつないものが書けるものだなとため息しかありません。読んでいてその厳しさに何度も固まってしまいました。「じゃあいったいどうすればいいんだ・・・」と呻くしかなくなってしまいます・・・

そうした状況に実際に当時の人たちは置かれていたのかと思うと戦慄してしまいます。