松下裕『チェーホフの光と影』~ドストエフスキーにも造詣が深い著者によるおすすめのチェーホフ入門書

松下裕氏の言葉はとてもわかりやすく、読んでいて引き込まれるような魅力があります。百年前の偉大な作家の解説書というと小難しいイメージがあるかもしれませんがまったくそういう雰囲気はありません。とにかく読みやすいです。

この本を読んでいるともっとチェーホフを知りたい、早くチェーホフの作品を読みたいという気持ちになります。

また、最初にお話ししましたように松下氏は『評伝ドストエフスキー』を翻訳された、ドストエフスキーにも造詣が深いロシア文学研究者です。

そのためこの本の中でも何度もドストエフスキーが登場します。

ドストエフスキーとチェーホフを比較して解説してくれますので、チェーホフだけでなくドストエフスキーのことも知ることができます。