チェーホフ『可愛い女』あらすじと感想~トルストイ大のお気に入りの作品

『可愛い女』を大絶賛し他人の前で何度も朗読までしたトルストイ。彼がいかにこの作品を気に入っていたかがうかがわれます。

こうしたところにもトルストイの考える理想像の特徴が見えてきます。

ですがこれに関して一つ裏話があります。

と言うのもチェーホフはトルストイのような意図で『可愛い女』を書いたわけではなかったのです。

チェーホフはまったく自分の意思のないオーレニカを風刺する意図で『可愛い女』というタイトルにしこの作品を書き上げたのでした。

ある作品をどのように読むか。そこに読み手の個性が表れるという好例がこの『可愛い女』とトルストイの組み合わせなのではないかと私は感じました。