チェーホフ『黒衣の僧』あらすじと感想~天才と狂気は紙一重?思わず考えずにはいられない名作

天才とは何なのか。逆に言えば狂気とは何なのか。人と違ったことを考えたり、人と違うものが見えることが狂気であるならば、天才とはもれなく治療の必要な狂人となってしまうではないか。

そして巷でもてはやされる天才が結局そうではない以上、凡人が天才として祭り上げられているに過ぎないのではないか。そんな世の中などうんざりだと主人公コーヴリンは語ります。

これはとても考えさせられますよね。

天才ってそもそもなんだろう。狂気と紙一重のものなのではないだろうか。

これはとても面白いテーマです。そして同時に恐ろしくもあります。そんな恐るべき深淵をチェーホフは得意のシンプルな語りで問いかけてきます。