「理想は人を救わない」と説くチェーホフの真意とは~『決闘』から見るチェーホフとトルストイの関係

チェーホフは作家として確固たる地位を抱いてから晩年にいたるまでトルストイと親しく交流していました。

しかし芸術家トルストイ、そして人間トルストイとしては亡くなるまで尊敬の意を持っていましたが作家、思想家としてのトルストイとは距離を置くようになっていきます。彼の中でトルストイ思想との決別があったのです。

それがいよいよ形になって現れ出てくるのが『決闘』という作品だったのです。