ゾラ『ムーレ神父のあやまち』あらすじと感想~厳格な神父と純粋な乙女との禁じられた恋と悲劇的結末。

この書は作者のゾラとロシアの文豪ツルゲーネフとのつながりによって前作の『プラッサンの征服』と同じくロシアでいち早く紹介され人気を博した書だったそうです。

今回は前回ほど気分が悪くなるようなものではありませんが、主人公セルジュの信じるキリスト教が生きながらにして「死んだもの」であり、人生を否定しているというゾラの主張を知ることとなりました。

ゾラの言うように、キリスト教は本当に死んでいるのか。宗教は単なる現実逃避なのか、とても考えさせられる作品でした。