高橋保行『神と悪魔 ギリシャ正教の人間観』~ロシア正教の人間観や救いをわかりやすく解説

キリスト教といえば人間は罪深い人間であるという原罪や、原罪から救われるために神に祈るというイメージがあります。

ですが著者の高橋保行は、それは伝統的なキリスト教の思想ではなく、西洋的な発想の下、後から付け足された思想であって、ローマカトリック教会の思想はヨーロッパ独特の産物であると述べます。

『カラマーゾフの兄弟』をさらに深く読み込みたいという時にはこの著作は特におすすめです。ドストエフスキーが人間の救いをどこに見出していたのかを探る大きな手掛かりになることでしょう。