高橋誠一郎『ロシアの近代化と若きドストエフスキー「祖国戦争」からクリミア戦争へ』~ドストエフスキーの青年期に着目

ドストエフスキーに関する参考書はそれこそ無数に存在しますが、その多くはやはり『罪と罰』や『悪霊』『カラマーゾフの兄弟』などドストエフスキー後期の長編を題材にしていることがほとんどです。

そんな中、この本ではドストエフスキーの若かりし頃の作品を主に論じています。

しかも単にドストエフスキー作品の解説をするのではなく、当時の混沌としたロシア情勢やドストエフスキーがどのようにして作家としての道を歩んでいったのかが詳しく書かれています。