藪内聡子『古代中世スリランカの王権と佛教』~宗教は宗教だけにあらず。国の歴史と歩んだスリランカ仏教の変遷を学ぶ

王は仏教を保護し、仏教は王の正統性を保証する。

こうした相互関係がスリランカでは特に強く見られたことを本書では順を追って見ていくことになります。

この本を読んでいるとまさに宗教は宗教にだけにあらずということを考えさせられます。宗教も時代時代においてその時の政治状況と無縁ではいられません。単に思想や教義だけを追っていても見えないものがあります。そうしたことを丁寧に学んでいける本書は非常に貴重です。

なかなか手に入れにくい状況となっている本書ですが、スリランカ仏教についてより深く学びたいという方にぜひおすすめしたい作品です。