杉本良男『スリランカで運命論者になる 仏教とカーストが生きる島』~上座部仏教の葬儀や現地の宗教と生活を知るのにおすすめ!

著者は実際に現地に赴き、そこで人々と接しながら現地の宗教や生活文化そのものについて見ていきます。文献だけではわからない現地の微妙な問題や曖昧な部分まで見ていけるのが本書の魅力です。

特にスリランカにおける葬儀や結婚などの儀礼についてのお話は非常に興味深かったです。

スリランカでも仏教は「生と死」の問題と深く繋がっているということをフィールドワークという視点から見れたこの本はとても興味深かったです。

また、単に宗教的な側面だけでなく、政治経済面からもスリランカの宗教と実生活を知れるのもこの本のありがたい点です。「スリランカ=敬虔な仏教国」とだけ見てしまうと見誤るものが多々あります。実際にはかなり複雑な背景がそこにはあります。そうした社会の複雑さを知れるのも本書の魅力です。