宇沢弘文『自動車の社会的費用』~日本の自動車産業の構造と環境問題に切り込んだ、今だから読みたい名著!

この本はまず一般読者に対して書かれたものであり、専門書ではありません。多くの人に現在の経済の問題について考えてもらいたいという願いがこの本に込められています。だからこそ難しい経済理論を語るのではなく、まずは自分自身の身近な問題として考えられるような話題を選んで宇沢弘文は語ります。

この本が出版されたのは今からおよそ50年前の1974年です。

その時点で資本主義に対してここまでの提言がなされていたことに驚くしかありません。

資本主義への批判はマルクス主義が全盛だった時代において、そうではなく経済学の内側から批判を続けていた宇沢弘文。

ますます宇沢弘文という人物に興味が湧いてきた一冊となりました。