ジャック・アタリ『世界精神マルクス』~フランス人思想家による大部の伝記

ジャック・アタリはフランスのジャーナリストで、ミッテラン政権のブレーンもこなしたフランス社会党党員として知られています。
著者は立場的には「私はマルクス主義者」ではないと言いつつも、マルクスのことが大好きなのは伝わってきます。マルクスをかなり評価して書かれた伝記です。何事も完全な中立は難しいことではありますが、マルクス擁護的な雰囲気を感じます。中立で歴史的事実に基づいているというポーズで、結果的にマルクスを弁護し、かなり讃美する形になっているなというのが私の感想です。